東芝のように元来は優良企業であっても、上場廃止になる可能性がある会社の株は、もとの株価と比較すれば大きく売られているため、上場維持が決まったり、ちょっとした材料があれば何十倍に株価が跳ね上がることもあります。上場維持の見極めが難しい株を買う際にチェックすべき3つのポイントをご紹介します。
上場維持か廃止かを見極めることはできるか?
株式投資の大きなメリットの一つに換金性の良さがあります。
売るまでの手続きが煩雑な不動産などへの投資に比べ、よほど流動性のない銘柄以外は、マーケットで即売買することができるからです。
ただし、その銘柄が上場廃止になるとそうはいきません。
倒産するかも知れない。でも助かるかもしれない。そういった話題になっている銘柄には思惑が働きます。
昨今だと、東芝のような銘柄がそのような動きをしていますね。
もとの株価と比較すれば大きく売られているだけに、上場廃止を回避したり、ちょっとした材料があれば、何十倍に跳ね上がることもある一方、上場廃止、紙切れとなることもあります。
上場維持か廃止か、見極める方法はあるのでしょうか?また、どんなところに気を付ければよいのでしょうか?
投資する会社が上場維持できるか見極めるポイント
1)利益の出る部門を持っているか?
上場維持を考えた場合、債務超過など上場廃止基準をクリアできるかが大きなポイントになります。
東芝の場合、特別損失の額が膨大となったため債務超過に陥りますが、利益の出ている部門もあります。一時的に債務超過に陥ったとしても利益を上げることで収益体質を改善できる可能性があります。
構造的に利益の出ない会社は抜本的な改革が必要で上場廃止リスクが高まります。JALの場合、有利子負債が膨大でこれを解決するため減資と債権放棄がセットで行われました。
2)収益を上げる可能性のある部門を持っているか?
上場維持を考えた場合、収益を上げることのできる部門を持っているか否かも重要なポイントです。
シャープにホンハイが出資したように、第三者割当増資などで債務超過を回避する際、スポンサーが必要となりますが、利益の出ない体質ではスポンサーはつきません。
ホンハイはシャープのパネル事業に着目し、これに必要な資材の調達価格が下がれば、利益が見込めると算段を下したうえで、同社へ投資を実行しました。
3)日本にとって重要な事業(国策)を行っているか?
さらに、その企業の存在が日本にとって重要かどうかもポイントとなります。
東京電力の原発被害者に対する賠償が会社だけにかかるものであれば、東電は上場廃止になっています。
東電が破たんすれば今後の補償や電力供給に支障が出るため国が様々な救済策を講じています。また、バブル崩壊時のりそな銀行の一時国有化でも上場が維持されました。
投資するなら宝くじと同じ割り切り感覚が必要
東芝を考えた場合、防衛関連や原子力など日本の基幹産業を担っており、破たん回避はされそうです。
上場廃止は時間との勝負になりますが、スポンサーが数社名乗り出ています。
ただ、会社としていったん上場廃止にすれば開示が必要なくなり大胆な構造改革が早急にできるようになります。
その選択肢を取るといったん上場廃止になり、再上場を目指すことになります。減資が行われるかは難しいところです。
基本的に危ないところには近寄らないのが投資の基本です。
割り切って投資する場合、破たんしてしまっても苦にならないレベルで投資することが大切であり、もしも投資するならゼロになる可能性が高い宝くじみたいな感覚を持つことを忘れないようにしましょう。