2000万人超えのインバウンド狙う消費税免税店の決まりごと

節税

 日本政府観光局(JNTO)によると、2016年1月から10月30日までの累計訪日外国人旅行者数は、2005万人に達したとの発表がありました。日本を訪れる外国人旅行者の消費拡大・受入強化のため、免税店制度は年々拡充されています。そこで本稿は、消費税免税店制度の決まりごと詳細をおさらいしてみたいと思います。

スポンサーリンク

爆買いは鳴りを潜めるもインバウンドは増加へ

 2020年東京オリンピックに向けて日本を訪れる外国人旅行者は増加する見込みとなっています。

 今年は、「中国の爆買いがなりを潜める」と言われたものの、日本政府観光局(JNTO)によると、2016年1月から10月30日までの累計訪日外国人旅行者数は、2005万人(速報値)に達したとの発表もありました。

 これを受けて、日本を訪れる外国人旅行者の消費拡大・受入強化のため免税店制度が年々拡充されています。

 そこで今回は、この「消費税免税店制度」について詳細をご説明しようと思います。

スポンサーリンク

消費税免税店制度の決まりごと詳細をおさらい

 免税店として許可を受けた販売場で、外国人旅行者などの非居住者に対して通常生活の用に供する物品を一定の方法で販売する場合には、消費税が免除されます。

 これを消費税免税店制度といいます。

 免税店制度を活用する場合、以下の決まり事を遵守する必要があります。

1)販売を行う対象者

 日本非居住者に対する販売であることが求められます。

 外国人は原則、非居住者となります。

 日本人でも、外国に2年以上滞在している方の場合なども、一定の対象とみなされます。

2)対象品目

 ①一販物品

 家電製品・カバン・靴・洋服・時計など生活用品が対象となります。

 この場合は、同じ店舗で1人の非居住者への販売価額の合計額が、5千円以上となる必要があります。

 ②消耗品

 食品・飲料・化粧品・医薬品なども対象となります。

 なお、同じ店舗で1人の非居住者への販売価額の合計額が、5千円以上かつ50万円までに範囲は限定されます。

 また、指定された方法により包装がされていることが要件となります。

3)免税店になるための手続き(一般型消費税免税店)

 1)申請場所

 納税地を所轄する税務署へ申請を行います。

 2)申請に必要な書類

 ①輸出物品販売場許可申請書(一般型用)

 ②販売場の見取り図

 ③申請者の事業内容の分かるもの

 ④販売場の取扱商品のわかるもの

4)免税手続き

 免税手続きの流れ詳細は、以下の表にあるとおりです。

節約社長

 参考出典:国土交通省 観光庁

5)シンボルマーク

 なお、観光庁では免税店のブランド化・認知度向上を目的とした、免税店シンボルマークの運用も行っています。

 使用には申請手続きが必要となります。

スポンサーリンク

許可申請だけでなく店舗オペレーションの整備が不可欠

 今回は一般型消費税免税店についてご説明させて頂きました。

 上記のように免税店の恩恵を受けるのは許可申請を行うだけでなく、店舗のオペレーションの整備が必要不可欠となります。

 超えなければならないハードルはいくつか存在いたしますが、店舗の1つの「強み」として「免税店」についてご検討されては如何でしょうか。

節税
シェアする
この記事が気に入ったら
いいね!しよう
最新情報をお届けします。
株式会社C Cubeコンサルティング

株式会社C Cubeコンサルティング/税理士法人C Cube
代表取締役/代表税理士 清水 努
昭和41年(1966年)10月28日生まれ(ひのえうま)

C Cube(シーキューブ)は銀座に創業20年の実績を持つ経営コンサルティングが強みの
会計事務所グループです。
『惚れられるサービスを心がける』を経営理念・社長信念とし、企業の経営者にとって
良き参謀役であるために、社長自らが行動し全力で伴走中。

毎週金曜日に社長ブログ『孤独な経営者の為の元気力』、月曜日に『知って得する!1分で読める税務・労務・法務の知恵袋』を配信中

株式会社C Cubeコンサルティングをフォローする