最近では、フリーランスとして活躍される方も増えてきました。個人事業主として仕事をしていると、どうしても外で食事をする機会が多くなります。
独立しているし、仕事中に食事をとっているのだから、これくらいは経費に参入しても良いじゃないか!と思われる気持ちはわかるのですが…。
個人事業主やフリーランスの方の気になる食事代の税務上の経費処理について、注意すべき点を解説いたします。
個人事業主は1人での食事代を経費にできない
外出時だけでなく、自分のオフィスの近くに美味しいランチのお店があったりすれば、毎日でも行きたくなりますよね。
外回りの多い仕事をしていれば、基本的にランチタイムは外で過ごすことになるかと思います。
そのような場合には、どうしても飲食店やコンビニに頼る生活になってしまいます。
1日につき500~1,000円で済ませたとしても、1週間、1ヶ月と積み重ねれば軽く2~3万円くらいはかかります。
毎日のことですから、一人で摂る食事代は、個人事業主のビジネスにとっては決して無視できない金額です。
「外回りでお客さんのところに行っているんだから当然経費にできるんでしょ?」
「出張中の食事なんだから経費でしょう?」
「夜遅くまで残って仕事した残業の夜食としてならOKでしょ?」
実際、そう考えたくなるものですよね。
個人事業主の食事代は経費ではなく家事費と考えられている
「メシ代くらい経費にしたい!」そう思われる方もいるかもしれませんが、基本的に個人の食欲を満たすための食事に係る費用は、個人事業の経費にはできません。
個人事業主だろうが、会社員だろうが、小学生だろうが、食事は誰でも摂るものです。
たとえビジネスをしていなくても、プライベートでも飲食代は発生しますから、必要経費にはできないのです。
サラリーマンがお昼休みに外で食事をしても、会社からお金はもらえませんし、小学生が学校に給食費を払っても、親はその支出を経費に算入できませんよね。
要はそれと同じコトが、個人事業主の食費についても言えるのです。
外回りや出張は関係ありません。一人で食べるランチや夕食は経費にできないので気をつけましょう。
ところで、個人事業の経理処理をする際、いったいどれを経費にしていいものか迷う場面は多々ありませんか?
材料費の仕入れや事務用品の購入など…数え上げればキリがありません。
仕事の打ち合わせ・会議・接待などの食事は大丈夫!
前述のとおり、個人事業主が一人で食べる食事代は基本的にNGです。
しかし、打ち合わせや会議、接待などにかかる飲食代はOKです。
例えばこんな感じです。
- 取引先との新しい商品の打ち合わせについて、個室でランチをしながらミーティング
- 夕食を兼ねて関係先との親睦を兼ねた懇親会
- 喫茶店でお客様と商談した際のコーヒー代
こういった費用は、事業と「直接関係がある」ため必要経費となります。
ただ、何でもかんでも経費にできるわけではありません。
サラリーマンでも、商談などにかかった飲食代などの費用は、会社に請求すれば精算してくれますよね。
逆に、たとえ商談で使ったとしても、キャバクラなどのお金は会社に精算を申し出しにくいのでは?
何の疑いもなく「会社に対して請求できるぞ!」と思うような領収書は経費にできると思います。
「ちょっとこれは請求しにくいぞ・・・(-_-;)」と思うような領収書は、限りなくNGに近いと思います。
あくまで新人の時のイメージでいてくださいね。
ベテランになると、なんでも経費で落としてしまう、腹ブラックなサラリーマンもいますので、フレッシュな感覚を大切にしましょう。
仕事のやり方によってフリーランスの飲食代も経費に
仕事のやり方によっては、フリーランスの飲食代も経費にできる可能性があります。
経費として認められる可能性があるケース
例えば、自宅兼オフィスのフリーランスの方が、仕事に集中したいので近くのカフェで仕事をする場合、そこでのコーヒー代は経費として認められると思います。
この場合、コーヒー代というよりも仕事をするための「場所代」のようなイメージになりますね。
同じように考えれば
- 出張先で書類をまとめるためにカフェを利用
- 急ぎのメールを返さないといけないのでWiFiの使えるカフェに寄った
- プレゼンの予行練習をしたいので、大画面のあるカラオケボックスを利用
という場合の、コーヒー代くらいなら飲食代として認めてもらえると思います。
「疲れたからカフェに寄ってコーヒー飲んで一服してました…」なんていうのはNGですからね!
経費性を証明する記録を残すこと
人間というのはすぐに忘れる生き物です!
あとできちんと説明が出来るように、出来れば領収書やレシートの空白スペースへ、
10:00~11:00○○さんの資料を作成
などのように、メモ書を残しておくと良いかなと思います。
規模が拡大したら経費の幅が広い法人化もあり
一人しかいない会社に、福利厚生という概念は生まれにくいのです。
従業員を雇っていた場合、その従業員に対して食事の一部を補助してあげることは経費にできますが、代表者は原則NGなのです。
「認めてしまったらなんでもアリになってしまう」というのが税務署のスタンスですからね。
ただ、出張の際の食事代については「会社(法人)であれば経費にできる方法」もあります。
そういう意味でも「会社の方が経費の幅が広い」と言えます。