決算賞与の導入で節税と社員のモチベーション向上を達成しよう

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 従業員のモチベーションを上げる方法の一つが「報酬」ですが、社員にとって月給と賞与は与えられるのが当たり前のモノ。下がればモチベーションダウンに繋ることもあります。しかし「決算賞与」は業績連動賞与であるため、与える与えないに関係なく、社内制度として存在するだけで、社員のモチベーションに良い影響を与えます。

月給で社員のモチベーションアップは難しい

 従業員のモチベーションを上げる方法は色々ありますが、その中でも報酬は最も直接的で最も効果のある手段でしょう。

 一般的に従業員の報酬は、月例給(月給)と賞与(ボーナス)の2種類があります。

 月給は別名「生活保障給」とも言われ、経営者としては約束した金額を毎月支払わなければなりません。一方でボーナスは会社の業績や状況によって上下する可能性があるもので、必ずしも金額を約束してあるものでありません。

 日本において、労働基準法やこれまでの判例から判断する限り、生活保障給である月給を突然下げることは非常に困難です。

 従業員といったん約束したのであれば、経営者としてその金額を一定期間払い続けなければいけない義務があるのです。

 また、ご存知の通り日本では「解雇」もそう簡単にはできません。

 減給も解雇も容易にはできないというのが日本の雇用におけるスタンダードであり、雇用契約を結んだ以上はその月給は固定費と同等と考えておかなければいけません。

 月給として提示した額はそうそう引き下げることができない、ということは逆の言い方をすれば、経営者としては月給はそう簡単には上げることができないということです。

 歩合制のような給与体系は別にして、通常の月給制のもとで従業員のモチベーションをコントロールするには、ボーナスを使うのが一般的です。

決算賞与はモチベーションを上げやすい制度

 しかし、これもまた日本の労働環境の特殊性ではあるのですが、リーマンショックや東日本大震災のような外的要因による環境の激変がない限りは、従業員側も「ボーナスはもらえて当然」と考えている部分があります。

 経営者としても基本的には、ボーナスを払う前提で、事業計画を引いていることと思います。

 もらえて当然のものをもらえなかった場合に、モチベーションが下がることはあったとしても、もらえて当然のものをもらったところで、モチベーションが上がることはありません。

 つまり、一般的な年に2回のボーナス支給では、従業員のモチベーションをコントロールすることは容易ではありません。

 そこで登場するのが「業績連動型賞与(決算賞与)」です。

 いくら今期の業績がよかったとしても、前述の通り月例給やボーナスをいったん上げてしてしまうと、来期以降で業績が悪くなったとしても、その金額を払わなければいけなくなります。

 それに対して、決算賞与は「業績が良かった場合にだけ支給する」という約束を従業員とした上で、そこに向けてみんなに頑張ってもらい、見事に基準の業績を上回った場合には利益の一部還元という形で支払うものです。

 決算賞与は生活保障給ではありませんので、業績が基準に達しなければ支払う必要はありません。

 また、事前に「営業利益が●●円以上」という風に基準を明確にすることで、達成基準と報酬の関係が非常に明確になり、また決算月に支払うことが一般的ですので、業績の達成と報酬が直接的に結びつき、モチベーションを非常にあげやすい報酬であるといえます。

 業績が良かった場合の一部還元ですので、経営者としても非常に支払いやすい報酬です。

決算賞与の支払い・通知に当たり注意すべき点

 モチベーションを上げるためには、非常に使い勝手の良い決算賞与ですが、注意点が1つだけあります。

 決算賞与を従業員に支払うか、決算賞与を従業員全員に通知し承諾をもらうか、のいずれかが期末日までに必要になります。

 決算というのは期が締まってから2ヵ月以内に行えばいいものですので、決算作業は期末の翌月から行われ、業績が完全に確定するのも期末の翌月か翌々月というのが一般的ですが、その段階ではもう決算賞与を支払うということができないのです。

 もう少し詳しくいうと、期末を過ぎてから決算賞与を払う(もしくは決算賞与の金額を決める)ということをしてしまうと、法人税法上の損金として認められません。

 そこで決算賞与を導入する場合にオススメしているのは、決算賞与の金額を通知した書面に従業員全員からサインをもらうことです。

 メールではなく、あえて書面にしてあるのは、書類の場合は日付が入っていれば、その日付にサインしたものとして判断することができるからです。(これ以上は言わなくても分かりますね?)

 この書類さえあれば、実際の支払は期末日以降でも大丈夫です。ただし、支払いが1ヵ月後とかでは遅すぎるので、遅くとも期初5営業日以内には支給しましょう。

 そして、かならず「全従業員」からサインをもらってください。1人でもサインをもらい忘れると損金否認をされる可能性があります。

 決算賞与は税務調査の際には必ずチェックされる部分ですので、書類・手続関係は完璧に対応しておかなければいけません。

決算賞与目指し従業員は成果を上げようとする

 決算賞与について注意する部分は、たったこれだけです。

 決算賞与の獲得を目指して、期末日ギリギリまで従業員は成果を上げようとするでしょうし、その成果がすぐに還元されるので、非常にモチベーションアップに繋がりやすい取り組みです。

 事業が成長期にある場合には、特に大きな効果を発揮します。

 「社長、資金繰りに困っているならまずは税金を払いましょう」という記事で、赤字の決算書を作ることで銀行から融資が受けられなくなるという事実をご紹介しましたが、資金調達に限らず事業を成長させたいのであれば、基本的には赤字を出すべきではありません。

 しっかりと利益を出した上で、それを国(税金)、従業員に還元し、経営者もしっかりとした報酬を受け取り、さらに事業にも投資していくというサイクルをどう回すか、ということを考えるのが経営者の役割です。

 このサイクルを回していく上で、今回紹介した決算賞与は、従業員への還元する上で非常に大事なツールになりますので、事業戦略を立てる上でぜひ組み込んでおきましょう。

決算賞与 についての詳しい記事はこちら

決算賞与を支給するために満たすべき3つの要件と踏まえるべきデメリット
 決算賞与とは、会社で定められている賞与、たとえば、夏・冬の2回とは別に、決算月に支給する賞与のことを言います。決算賞与は、要件をきちんと満たせば全額が損金となり節税効果が高く、利益を従業員に還元することでモチベーションを上げる効果を持ちます。ただし、決算賞与を出す時には3つの要件を満たす必要があり、更にデメリットにも注意が必要です。
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ショーン

某ビジネススクールのMBAホルダーで、税理士資格保有者。
税理士資格は持っていますが、最近ではほとんどそちら側のお仕事はしておりません。

金融機関、会計事務所、CFOなど経験から会計・財務・税務分野はもちろんのこと、法務や社内システムの構築、戦略策定、プロジェクトマネジメントなどを得意としております。また、「効率化マニア」なので、タスク管理や読んだ本のデータ蓄積などを通じて、限られた時間で最大のパフォーマンスを出す方法をいつも追求しています。

コンフィデンシャルなお仕事も多いため匿名でのニュース投稿になりますが、私の経験や知識が少しでも多くの中小企業経営者のみなさまのお役に立てれば思い、精力的に投稿していきます。

なお、ニックネームおよびプロフィール写真は、私の大好きなプロスノーボーダーである「ショーン・ホワイト」から拝借しました。

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