経営者が埋没原価(サンクコスト)に惑わず前に進むメリット

コスト削減

 経営者の方の多くは、自分の事業に想い入れを持って、実務にあたっていることと思います。ところが自分が考えている想定利益を下回る収入しか得られていないとしたら、本当にその事業は行う価値があるものなのでしょうか?管理会計の埋没費用(サンクコスト)という概念を理解すると、経営者が意思決定を下す際には、過去の費用に囚われないことの重要性を学べます。

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投資に対して満足行く結果が出なかったら?

 突然ですが、読者の皆様に質問です。

 あなたはとあるプロジェクトチームのリーダーです。

 プロジェクトには既に1,000万円もの予算を投入していますが、想定利益の50%程度しか実現できていません。

 さて、あなたはこのプロジェクトを継続しますか?それとも撤退しますか?

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埋没費用に囚われると非合理な選択を行いがち

 管理会計を知らないと「これだけ費用をかけたのだから、今更後にはひけない。」と意地になってプロジェクトを継続してしまいます。

 立ち上げたプロジェクトは撤退しようが継続使用が戻ってきません。この1,000万円のことを埋没原価(サンクコスト)と言います。

 ビジネスでは、埋没原価を意識してはいけません。

 経営判断を下す際には、過去の費用に囚われることなく(=無かったものとして)、意思決定を下す必要があるのです。

 最近のニュースですと、2月末にLINEは、自社が運営するフリーマーケットアプリ・LINE MALLサービスを、春先に終了することを決定しました。

 サービス開始からわずか2年程度です。

 LINE MALLには相当のコストが費やされたはずですが、CtoC市場は既にメルカリの1強状態。

 このまま継続するほうが非合理的という判断でしょう。冷静な判断です。

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サンクコストに囚われないことのメリットとは

 ビジネスはもちろん、継続して成功する場合もありますし、「諦めず信念を持ってやってきたから成功した」と成功した経営者の方の多くは語ります。

 しかし、管理会計の概念から言うと、サンクコストに囚われないことは、オポチュニティコスト(機会費用)を手に入れるチャンスともなります。

 まさに「時は金なり」なのです。

 過去の経費に囚われるのでなく、冷静な判断により意思決定をしていただければと思います。

コスト削減
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カナリ総合会計事務所

カナリ総合会計事務所
代表税理士 金成 茂樹(かなり しげき)

「経営者が本業に100%専念できる環境づくり」が経営理念。
理念実現のために、近年はクラウド会計の普及による「会計の自動化」に尽力している。

毎月面談を強要する旧来型の税理士の在り方に疑問を感じており、これを廃止。
ITを駆使することにより「必要時に必要なアドバイス」を提供。経営の合理化に努めている。

2005年 大原簿記学校 入社 消費税法講師担当
2008年 KPMG税理士法人 入社
2010年 荒井税理士事務所 入所
2013年 税理士登録(登録番号:124636)
2014年 カナリ総合会計事務所 開業

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