企業にとっても個人にとっても魅力的なアドセンス広告
SNSが広く普及して、広告料収入で稼ごうとする人もかなり増えてきました。
アクセス数を増やすためにわざと過激な投稿をしたり、犯罪行為で逮捕される人まで出てきています。
様々な広告先がある中、Google Ad sense(アドセンス)広告は比較的単価も高く、一般企業でも多く利用されています。
このアドセンス広告、平成27年度税制改正で消費税の取り扱いが変更されたことを知らない人も多いようです。
アドセンス広告は輸出免税取引から対象外取引へ変更
もともとアドセンス広告で得る収入にかかる消費税は、輸出免税取引とされていました。
ちなみに、輸出免税とは消費税の課税対象でも、税率を0%として消費税を払わなくてもよいという取引です。
グーグルには日本法人がありますが、広告契約はアイルランドなど海外法人との間で行われ、海外のサーバーでの役務提供となっています。
そのため消費税は、輸出免税という取り扱いが行われていました。
ところが平成27年度税制改正で、国境を超えて行われるデジタルコンテンツの配信等の役務の提供に係る消費税の課税関係の見直しが行われ、それまで「輸出免税取引」とされていたものが「対象外取引」に変更されました。
これはグーグルに限らず、海外法人との契約になっているものにあてはまります。
輸出免税取引も対象外取引も、消費税が上乗せされていない(0円)という意味では同じですが、輸出免税取引=消費税の課税対象であり、対象外取引=消費税の対象外であるため、取り扱いは全く異なります。
免税事業者の判定と課税売上割合の計算はどう行えば良い?
それでは、免税事業者か否かがどのラインで判定されるか?課税売上割合はどう計算すればよいか?について考えてみましょう。
免税事業者の判定
消費税の納税義務は、基準期間(法人の前々事業年度、個人事業者の前々年)の課税売上高が1千万円以上かどうかで判定します。
輸出免税取引であれば課税売上高に含まれますが、対象外取引であれば除かれます。そのため今まで納税義務有りだった事業者が、免税事業者に変わる可能性があります。
消費税を納めなくてよくなれば得をする事業者もいますが、もし消費税の還付を受けていた事業者であれば損をしてしまう場合もあります。
課税売上割合の計算
課税売上割合を計算する際は、輸出免税取引であれば課税売上高に集計されるため、割合が大きくなります。
一方、対象外取引であればそもそも計算から除外されるため、割合は輸出免税とされるより小さくなります。
割合が小さくなると、その分消費税の納税額が多く計算される可能性が出てきてしまいます。
以上を踏まえると、アドセンス広告収入が多い人にとっては、とても有利な法改正が行われたと言えるでしょう。