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鈴木 一彦 (すずき かずひこ)
鈴木 一彦 (すずき かずひこ)走る税理士・すずき会計代表

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国がパナマ文書問題にテコ入れ!富裕層の租税回避締め付けへ

国がパナマ文書問題にテコ入れ!富裕層の租税回避締め付けへ
 今年の春先に世界を揺るがしたパナマ文書問題は、租税回避行為を行った著名起業家や大手企業の実名を、白日の下にさらすことで、大きな話題を呼びました。これを受けて、8月末には、国が租税回避行為の開示を義務付ける方針を決めるなど、徐々に富裕層の租税回避行為を締め付ける外堀が埋まり始めています。

パナマ文書で租税回避問題が大きな注目浴びる

 少し前の話ですが「パナマ文書」と呼ばれる文書の話題が世界を席巻しましたよね。

 世界中のお金持ちが、法律の網をかいくぐってお金を貯めこんでいたのではないか?ということが話題になりました。

 日本の大企業や、著名起業家の名前も文書にあり、「ズルい」とバッシングを浴びたのは、記憶にあたらしいことでしょう。

 このパナマ文書によって色々な事実が明らかになりましたが、その中でも話題になったのが「租税回避」という問題です。

 実は「租税回避」という行為は、いろいろな問題をはらんでいます。本日はこの点について解説してまいります。

前提:租税回避自体は違法でも犯罪でもない

 租税回避というと「何か悪いことを企んでいるのではないか?」という感想を持つ人も多いことでしょう。

 しかし、実際のところ、この行為自体は犯罪ではありません。

 もし租税回避を定義するとすれば、

  法律では想定されていない方法で税金の負担を減少させるコト

 となるでしょうね。

 租税回避と似ているものとして「脱税」というキーワードがあげられるかと思いますが、脱税は「法律に違反して税金を逃れること」なので立派な犯罪です。

 それに対して、租税回避は決して法律に違反しているわけではなく、法律に書いていなかったり、法律が想定していなかった方法で税金を少なくする行為なのです。

租税回避の仕組みを例えを使って考えてみよう

 例えば、Aという国では税率が40%で、Bという国では税率が20%だったとします。

 お仕事をして1,000万円の利益があった場合、Aという国であれば400万円の税金がかかるのに対し、Bという国であれば200万円の税金で済むわけです。

 ただ、税金の条件だけを見て、税率の低いB国に行けば良いというわけではありませんよね。

 同じビジネスをしても、A国でなければ1,000万円の利益が稼げないケースがあるからです。

 ところがここで、ワル知恵を働かせる人が出てきます。

  「実際にはA国で仕事をして利益を出しているのに、B国に本拠地を移してしまえば税金を200万円で済ませられるのではないか・・・( `ー´)ノ」

 このように考えた人たちが、税金が安い国(タックスヘイブン)に会社を作って、合法的に税金を逃れようとしているわけです。

 パナマはタックスヘイブンの代表的な国。

 今回のパナマ文書という事件は、いかに合法的にお金を残そうとしていた人が多かったか、ということを証明しているわけです。

国内外で頻発する租税回避の予防に国が動いた

 租税回避というと「自分とはあまり関係がないよね」と思う人も多いかもしれません。

 ただ、この租税回避という問題はみなさんが「少しでも税金を安くしたい」という思いの延長でもありまして、決して私達に無関係ではありません。

 むしろ、

  庶民レベルの税金対策が「節税」で、大富豪レベルの税金対策が「租税回避」

 という考え方もあるくらいです。

 ただ、そんなことを派手にされていたのでは、国も黙っているわけにはいきません。

 そんなことを野放しにしてしまっていては、国の大事な収入である税金も少なくなってしまいます。

 そこで国では、極端な租税回避については税務署に報告させることを義務付けるようです。

財務省と国税庁は企業や富裕層に租税回避策を指南する税理士に仕組みの開示を義務付ける方針だ。

租税回避地(タックスヘイブン)に資産を移すなど悪質な税逃れを把握する狙い。

成功報酬を受け取るなどした税理士に具体策を開示させ、拒んだ場合の罰則も設ける。

適正な助言も開示対象に含むが、米国など各国も開示制度を設けており、税制の不公平感の解消につなげる。

(2016/8/23 日本経済新聞より)

 制度の趣旨としては、お金持ちなどに対して税理士やコンサルティング会社が節税案(租税回避案)を指南した場合に、
  • ①成功報酬を受け取る
  • ②納税額を減らすための損失などを生み出す
  • ③守秘義務がある(その手法を公開しない)
 などに当てはまった場合に、税理士らはその方法を国に報告しなければならなくなるのです。

 要は「租税回避のためのスキームを使う場合は、国に報告しないとペナルティを課すよ!」ということ。

 しかもそのプランを練った税理士やコンサルティング会社にも、ペナルティが課せられてしまうのです。

 現実問題とすれば、そんなリスクを冒してまで租税回避を指導する人もいないでしょうから、一定の抑止力にはなりそうですね。

租税回避行為に対しては社会的な目も厳しい

 今回の開示請求の対象となるのは、そこそこのお金持ちの人であり、庶民レベルの私たちには少し関係の薄い話かもしれません。

 ただ、最近は悪質な租税回避行為や節税については、ペナルティを課されるケースが増えているように思われます。

 経済格差が広がる昨今に報じられたパナマ文書のニュースによる影響で、税務署以上に一般の方の目も厳しくなっています。

 どこかの都知事も「違法ではないけど倫理的にどうなの?」ということで退場させられたのは皆さん御存知の通り。

 「合法だから、租税回避行為は幾らでもやって良い」という理屈は、もはや過去の考え方になりつつあります。

2016年9月1日

パナマ文書 租税回避行為 節税 富裕層 タックスヘイブン

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