各省庁の平成28年度税制改正要望が出そろい、財務省のホームページに公表されました。各省庁の要望数を単純合計すると、減税が222、廃止・縮減が2で、最も要望数が多かったのは経済産業省で43、国土交通省が40と続いています。今回の要望を基に、年末に向けて平成28年度税制改正大綱が決められていくため、一足先に税制改正要望をチェックすることは賢明です。
速報:平成28年度税制改正要望が出そろった
各省庁の平成28年度税制改正要望が出そろい、財務省のホームページに公表されました。
各省庁の要望数を単純合計すると、減税が222、廃止・縮減が2となります。
最も要望数が多かったのは経済産業省で43、国土交通省が40と続いています。
今回の要望を基に、年末に向けて平成28年度税制改正大綱が決められていくため、一足先に税制改正要望をチェックすることは賢明です。
そこで、企業運営に直接的な影響を与えそうな要望をピックアップしてみます。
主な省庁の要望概要
(1)経済産業省
経済産業省の要望として目立ったところでは、
- 【1】未来投資を拡大する成長志向の法人税改革
- 【2】地域経済再生、中小企業・小規模事業者の活性化
- 【3】車両課税の抜本的見直しの三本柱で要望
の3つをピックアップできます。
特に【1】では、成長志向の法人税改革の早期完了を目指すとして、今後31.33%に引き下げが予定されている法人実効税率を、20%台へ更に引き下げることを経済産業省は要望しています。
(2)中小企業庁
中小企業庁は、事業承継の円滑化のための税制措置の強化に重点を置き、取引所相場のない株式の評価方法に関する見直しなどを求めています。
株価算定における類似業種比準方式において、上場企業の株価の上昇に伴い、中小企業の株価も想定外に高く評価され、業績に大きな変化がみられなくても税負担が増大してしまう仕組みとなっているため、この改善を求めています。
(3)国土交通省
平成26・27年度税制改正で拡充された外国人旅行者向けの消費税免税制度について、地方の更なる免税店の拡大等を図るため、免税対象の一般物品の最低購入金額を「1万円超」から「5,000円以上」に引き下げることなどを要望しています。
いずれも民間投資を喚起する成長戦略に則る
いかがだったでしょうか?
今回は目立った要望のみをピックアップしましたが、いずれも安倍内閣が進める経済策“アベノミクス”の中で、特に、民間投資を喚起する成長戦略に則ったものであることがわかります。
冒頭に記載したとおり各府省庁より要望が出ていますので、皆様の事業に関係する府省庁の要望を財務省のホームページから、一度ご覧になることをお勧めいたします。