仮想通貨を会社で買ったらめちゃ儲かった!
一時期に比べかなり落ち着いてきた感のある仮想通貨ですが、まだまだ投資対象として活発に取引が行われています。
本人からは決して口にしないでしょうが(笑)、特に初期のころに購入した人たちには、かなりの含み益が発生している状態です。
個人の取引では、所得税の取り扱いは雑所得として、ちょうど確定申告が終わったところですが、実は法人税の取り扱いがまだ確定していません。
要は、会社などの法人格で仮想通貨を購入した場合です。
仮想通貨の法人における損益計上はまだ不明瞭
この点、上場企業等の会計基準では仮想通貨を2種類に分け、活発な市場が存在するものは時価評価、それ以外は取得原価で評価するという取り扱いを公表しています。
一方、中小企業の会計は上場会社等の会計基準に縛られることが無いため、税法の基準に近くなるのが一般的です。
税法では取得原価での評価を原則として、売買目的有価証券などごく一部に例外として時価評価を認めているというスタンスです。
とすると、仮想通貨についてはまだ法人税法上の取り扱いが定まっていないため、取得原価で評価せざるを得ないと考えられます。
もし会計上で含み益や含み損を計上した場合、税務申告書上では損益がなかったものとして調整する必要があります。
また、仮想通貨をどこの勘定科目に計上するのか、という問題もあります。通貨とは呼ばれていますが、法律上の通貨ではないため現預金と同一視はできません。
そこで仮想通貨を目的別に分けて考えてみます。
- ①販売、トレーディング(短期売買)目的 ・・・棚卸資産(商品など)
- ②支払手段(通貨の代わりとして使用)目的 ・・・その他の流動資産(預け金など)
- ③投資(長期保有)目的 ・・・投資その他の資産(長期預け金など)
①③は売却時、②は使用時に損益を認識することになります。また目的に関わらず、他の通貨(日本円、米ドルなど)に換金した時にも損益が認識されます。
まだ仮想通貨の法人取扱は整備が進んでいない
もし自社の決算までに新たな取り扱いが公表されれば、それに従えばOKです。
仮に申告後に公表された場合でも、既に終わった申告を修正するのではなく、公表後に到来する決算期において新しい取り扱いに従えばよいことになると思われます。
仮想通貨自体、まだ一般的に使用するというよりも、投機対象という側面が強いものです。値動きも激しいため、あまり買い込んでしまうと思わぬ含み損を抱えてしまう恐れがあります。
もし銀行から借入をしている会社であれば、あまりいい評価を受けない可能性があります。
使用目的・上限金額などをはっきり決めて売買することが肝要です。