出張費用は意外と無駄なコストがかかっている場合が多い。「出張に関わるお金は予算内であれば使ってもよい」と思っている社員がいるのも現実だ。社員のコスト感覚が狂いがちならば、会社が出張コストを一元管理することを検討しよう。個々の社員による出張準備工数、経理や総務の事務作業工数を減らし、業務全体の効率化も可能となる。おすすめのサービスを4つ紹介する。
出張費用に対するコスト感覚はつい緩みがち
出張費用は意外と無駄なコストがかかっている場合が多い。
そもそも、遠方の顧客にコストをかけて会いに行き、利益をあげられるのか疑問を抱くケースもあるはずだ。
そもそも論は置いておき、出張費でかかる無駄なコストと言えば、宿泊費が直前予約になってしまい割高になる場合、また航空券を社員がディスカウント価格の検索をせずに割高価格で購入してしまう、などのケースがあげられる。
”予算は使い切る”というお役所仕事の考えと同様、「出張に関わるお金は予算内であれば使ってもよい」と思っている社員がいるのも現実だ。
出張コスト削減で優れた策をとっている会社といえば、アメリカのグーグルが有名である。
料金の安いフライトやホテルを予約した社員に報奨金、ギフトカードを出すという仕組みを作り、節約して当然という社内環境を構築している。また安いプランを探すための自社ツールも開発しているのだから驚きだ。
とはいえ、グーグルのような仕組みやシステムを個々の企業で導入するのは無理だろう。では我々がグーグルに近づくために、せめても利用できるサービスはないだろうか。
出張コストを会社で一元管理できるサービス
社員のコスト感覚が狂いがちならば、会社が出張コストを一元管理できるのが、一番の節約方法となる。以下、会社で出張コストを一元管理可能な、企業向けサービスを4つご紹介しよう。
1)じゃらんコーポレートサービス
言わずとしれたリクルートが運営する、旅行サイトの法人向けサービスである。通常より安いシークレットプランがありコスト削減につながる。法人一括決済サービスを利用すると、法人での後払いが可能となり、従業員による立替がなくなる。注意点として使用できるのは国内宿泊施設のみで、航空券や新幹線などの交通面や海外宿泊施設には対応していない。
2)JTBビズ
大手旅行代理店JTBによるサービスのため、国内・海外問わず宿泊施設や交通を一気に手配できるのが魅力。大手ならではのきめ細やかなサービスで、社内向け説明会を開催したり、コスト削減に向けた数多くの施策を提案してくれる。
3)イオンコンパス
イオンの系列旅行会社による出張業務アウトソーシング。前述の2社とは異なり、既存の各社予約システムを利用し、かつ法人向け低価格を提案するコンサルティング色の強いサービス。イオンが親元だけに、流通関連の視察ツアーを開催しており、関連事業を運営している企業にはメリットがあるかもしれない。
4)HIS
格安海外旅行ツアーで有名なHIS。海外航空券を格安で手配できるメリットがあるため、海外出張の多い企業にとってコスト削減の強力なサポートになる。世界中の現地HIS局が手配を行うため、海外国間での移動などは日本で手配するよりも安くなる。
コスト削減を押し付けず効果を理解させる
上記サービスは、数名の会社で導入するにはメリットを100%受けられないかもしれない。
ある程度の社員がいる企業では上記サービスを導入し、出張費用を一元管理することで、個々の社員による出張準備工数、経理や総務の事務作業工数を減らし、全体で費用節約と業務効率化を同時に達成することが可能となる。
また、誰がどこへいつ何日出張へ行ったか、全体ではどのぐらいの出張費がかかっているかを、経営者がグロスで見れることも大きい。
ただし会社で出張コストを一元管理する場合は、社員にコスト削減を上から無理やり押し付けないことが肝要だ。
一元管理サービスでコスト削減が成功した場合、しっかりと給与へ還元すること等オプションをつけることで、社員が主体的にコスト削減へ協力するよう促すことも場合によっては検討するべきだ。