本日アップル決算発表 日本への影響は?

資産運用

 本日、米アップルの決算が発表される予定だ。株価は上場来高値圏を維持し、業績もiPhone6の販売が寄与、好決算が予想される。本稿ではアップルの決算が、日本企業の業績や株価になぜ影響を与えるか、アップルが公表するサプライヤー地図で視覚的に説明する。更に日本企業のスマホ技術が世界で採用され始めていることもお伝えしたい。

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目下絶好調 アップルは好決算が予想される

 米アップルは1月27日(火)に決算の発表を予定している。

 今回発表されるのは2014年第一四半期(10-12月期)までの業績であり、特に注目すべき決算発表となる。

 なぜなら今回の決算は、「iPhone(アイフォン)6」と「iPhone6プラス」が昨年9月に発表された後の業績を完全に網羅し、同社が成長しているか否かの評価に大きく影響するからだ。

 もっとも株価は、昨年11月25日(火)に記録した119.75ドルの上場来高値に近い水準で推移している。(26日終値113.10ドル)

節約社長
REUTER“Apple Inc (AAPL.O) (NASDAQ)”

 株価が高いのには理由がある。アップルの前期決算はiPhone6シリーズの売れ行きが絶好調であることを示し、特にアジアでシェアを伸ばしていることが高く評価されているからだ。

 11月には韓国でサムスン帝国の牙城を崩してスマートフォンシェアNO1となり、中国では発売3日目で2,000万台のiPhone6が販売された。

 ここ日本でもiPhone6の販売は好調で、2014年に日本で売れたスマートフォンのうち2台に1台はiPhoneだった、という調査レポートすら出ている。※1

 米国の証券アナリスト達がはじき出している決算の予想数値は、売上高が20%以上の増益となるようだ。※2

 アップルウォッチの発売が迫るなど、死角は少ない。

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日本企業とアップルの関係を視覚的に把握

 アップルと日本企業が深く関わっていることは読者の皆様も深く周知のことと思う。

 アップルの決算翌日に、日本の関連企業株価が乱高下することも、もはや株式市場のイベントと化した。

 では、なぜそのようなことが起こるかといえば、日本企業はアップルに対して大きく貢献しているからだ。

 どれくらい貢献しているかは、以下の地図を見れば一目瞭然である。

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Apple Inc “Our Suppliers”

 この地図は、アップルが公表する2014年のサプライヤー(製品素材の供給者)が、世界にどう散らばっているかを表している。

 地域別に大雑把にわけると

  • 北中米アメリカ大陸:72社
  • EU・中東・アフリカ:45社
  • アジア:670社

 という内訳になっている。 

 アジア企業は公表されるサプライヤーの85%を占め、最大のサプライヤー輩出国である中国は、44%の349社にもなる。

 日本からはサプライヤーの17%に及ぶ139社がサプライヤーとして公表されている。そして日本企業はいずれもiPhoneの「頭脳(デバイス,組立ロボット、素材)」を司る技術を提供しており、中国企業はその組み立て工場という位置づけで見るのが正解だ。

 組み立てはファナックのロボドリル、液晶技術はジャパンディスプレイ、情報記憶メモリは東芝、村田製作所の製品はコンデンサやWi-Fiモジュールなどいたるところに、といった具合だ。

 iPhoneが売れれば、日本の技術もどんどん売れるわけで、ゆえにアップル社の業績が日本企業の株価へ与える影響は、計り知れない。

 サプライヤー認定されている日本企業を挙げると、旭化成株式会社、株式会社大真空、フォスター電機株式会社、株式会社フジクラ、イビデン株式会社、日本航空電子工業株式会社、株式会社メイコー、ミツミ電機株式会社、株式会社村田製作所、日本電気株式会社、パナソニック株式会社、ルネサス エレクトロニクス株式会社、ローム株式会社、ルビコン株式会社、セイコーエプソン株式会社、セイコーホールディングスグループ、シャープ株式会社、株式会社シマノ、ソニー株式会社、スミダコーポレーション株式会社、住友電気工業株式会社、太陽誘電株式会社、TDK株式会社、株式会社東芝、など錚々たる企業ばかりだ。Apple Inc “Supplier List 2014”

 いずれの企業も上場しているので、28日(水)は株価ボードに各社を並べて、株価がどう推移するか見ると面白い。

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日本の技術は世界へ アップル頼みは終わる

 アップルの決算発表は確かに日本企業の業績や株価に大きな影響を与えるが、日本企業はいずれアップル頼みから離れることだろう。

 中国で創業5年目にして1兆4,000億の売上高を誇るシャオミを筆頭として、新興国のスマートフォンメーカーが、こぞって日本企業の技術を採用し、メード・イン・ジャパンのクオリティをアピールしながら、アップルの市場シェアを奪おうとしているからだ。

 「携帯電話のガラパゴス化」という言葉が使われはじめて久しいが、ガラパゴスジャパンで培われた技術は確実に世界へ大きな影響力を与え始めている。

※1 Counter Point “Apple Records Highest Ever Market Share in Japan & Korea ”
http://www.counterpointresearch.com/applepulsenov2014
※2 FORTUNE “Handicapping Apple’s earnings”
http://fortune.com/2015/01/25/handicapping-apples-earnings/

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