伊藤羊一著『1分で話せ』は、様々な媒体でも盛んに取り上げられているベストセラー本です。
「『1分で話せ』ってどんな内容が書いてありるの?」「『1分で話せ』の大まかな要約が知りたい」という方は多いのではないでしょうか?
そこで今回はそういった方へ向けて、伊藤羊一著『1分で話せ』の内容を要約し、分かりやすくまとめていきます。
この記事を読めば、『1分で話せ』の大まかな内容が分かり、あなたの仕事にもエッセンスを活かすことができるでしょう。
『1分で話せ』の著者・伊藤羊一さんとは?
『1分で話せ』の著者・伊藤羊一さんは、企業内大学「Yahoo!アカデミア」の学長を務め、次世代のリーダー育成を行っています。
また、グロービス経営大学院客員教授や、株式会社ウェイウェイの代表など、Yahoo!以外でも様々な活動に従事しているエリートビジネスマンです。
伊藤羊一さんは、かつて孫正義さんが後継者を見出すための学校「ソフトバンクアカデミア」に所属し、孫さんにプレゼンをし続けた経験があります。
孫さんにそのプレゼンの腕が評価され、国内CEOコースで年間1位を修めたという、まさに話し方のプロと呼べる人物だといえるでしょう。
『1分で話せ』の要約【プレゼンの極意】
伊藤羊一さん著『1分で話せ』では、誰かに話をするとき、特にプレゼンの場で話す際の極意が分かりやすく解説されています。
「プレゼンが、なかなか評価されない」「話をうまく伝えられない」という方、必見の内容です。
また、話すのが得意な方にとっても新たな気づきが得られる内容となっているので、人前で話す機会のある方は参考にしてみると良いでしょう。
プレゼンの目的は「相手を動かす」こと
この本で解説されているのは「話し方」ですが、話す以前の問題として、「プレゼンの目的」を再定義することが重要だと語られています。
ビジネスパーソンの多くは、以下のような目的で話をしているのではないでしょうか?
- 分かりやすく話す
- 綺麗な流れで話す
- 相手を納得させる
もちろんこれらも大事なのですが、伊藤羊一さんのいうプレゼンの真の目的とは、「相手を動かす」ことです。
プレゼンは相手に話が伝わるだけではなく、提案を承認してもらい、実行に移してもらうことが目的となりますよね。
上司にいくら分かりやすく話を伝えたところで、「○○君の案でいこう!」と言ってもらわないと、プレゼンが成功したとはいえないのです。
まずは、プレゼンの目的を「相手を動かす」ということにチューニングして、話をする際の意識を変えましょう。
聞き手を具体的にイメージしておく
相手に動いてもらうという目的を達成するためには、実際に行動を起こすことになる「聞き手」を具体的にイメージすることが大切です。
なぜなら、実際にあなたの話を聞き、それを行動に移すのはあなたではなく、聞き手だからですね。
想像してもらいたいのですが、あなたが誰かのプレゼンを聞くとき、最初から最後まで集中して話を聞いているでしょうか?
おそらく、こんなことを考えていることもあるでしょう。
- 「早く終わらないかなぁ」
- 「今日の夕飯が何にしようかなぁ」
- 「この人活舌悪いなぁ」
プレゼンをやる側に立つと、どうしても相手がしっかり話を聞いてくれていると思いがちですが、現実は話を集中して聞いている人はわずかです。
だからこそ、聞き手を具体的にイメージして、話し方や言葉遣い、話の構成、身振り手振りなどを意識する必要があります。
プレゼン資料を作る段階で、プレゼンをする相手のことを具体的にイメージしておきましょう。
「リトルホンダ」を自分の中に作る
本書の中で聞き手を具体的にイメージするテクニックの1つとして、「リトルホンダ」を自分の中に作るというものが挙げられています。
「リトルホンダ」とは何なのか、簡単に説明しておきます。
サッカーの本田圭佑選手が、イタリアの強豪ACミランに移籍を決めた会見でした発言から。
「自分の心の中にいるリトル本田に尋ねました。どこでプレーしたいかのかと。彼は答えました。『ミランだと』それが理由です。」
つまり、「リトルホンダを作る」とは、自分の中にもう一人の自分を作っておくということです。
プレゼンをする際に、実際にプレゼンをしている自分とは別に、もう一人自分のプレゼンを見ている自分を想定してプレゼンを行います。
そうすることで、自分が聞き手からどう見えているのかを意識することができ、より聞き手視点に立った話し方をすることができるのです。
「リトルホンダ」を自分の中に作るテクニックは、すぐに取り入れられるのでおすすめです。
結論と根拠の「3段ピラミッド」で話す
本書のメインともいえるプレゼンを成功させる極意が、結論と根拠の「3段ピラミッド」を用いて話を組み立てるということです。
具体的には、「3段ピラミッド」のトップに「結論」を持ってきて、それを下支えするイメージで「根拠」「事実」を配置します。
L[根拠①][根拠②][根拠③]
L[事実①-①][事実①-②][事実②-①][事実②-②][事実③-①][事実③-②]
実際の話の中では、以下のような型に沿って考えると、相手を行動させる話し方ができます。
- 結論からいうと、~です。
- なぜなら、~だからです。
- 例えば、~という事実があります。
これを実際の文章に取り入れてみると、例えば以下のようになります。
結論に「相手にどう動いてもらたいか」を持ってきて、その結論を支える「根拠」「事実」を配置して、プレゼンの構成を考えましょう。
「ロジカルな左脳」「イメージの右脳」を支配する
なぜ上記の「3段ピラミッド」を用いることで。相手を動かすプレゼンをすることができるのでしょうか?
それは、論理的な思考を司る左脳と、イメージ司る右脳を完全に支配して、「もう行動するしかない!」という気にさせてしまうからです。
例えば、上のプレゼンの例で言うと、聞き手の頭の中は以下のように動いています。
「ダイレクトメールを発行しましょう。」
→何でダイレクトメールが必要なんだ?
「なぜなら、リピート率が改善するからです。」
→なるほど、確かにそうだ。ただ、実際に上手くいくんだろうか……。
「競合A社は5%の改善に成功しています。」
→そうなのか!じゃあ、取り入れてみるか!
このように、根拠を伝えて納得してもらうだけではなく、事実を伝えて聞き手にイメージをしてもらうことで、実際に動いてもらうことができます。
ロジカルな左脳を支配するために適切な「根拠」を、イメージの右脳を支配するために聞き手に合った「事実」を持ってくるように心がけましょう。
『1分で話せ』の感想・レビュー
伊藤羊一さんの『1分で話せ』は、主にプレゼンの際の話し方について解説された本です。
ただ、プレゼンだけではなく仕事のあらゆる場面で役立つ内容だと感じました。
例えば、会社で誰かに仕事をお願いしたいときに声をかけるのも、結局は「相手に動いてもらう」ためですよね。
いってしまえば、人と人とがコミュニケーションを取るときのほとんどは、相手に動いてもらうために話をしています。
本書の内容が隅々まで頭に入っていれば、誰かと話しをするときに困ることはほとんどないと、実際に読んで思いました。
本記事で紹介した内容は、本書『1分で話せ』のほんの一部なので、実際に本を手に取って読んみると良いのではないでしょうか?
まとめ:『1分で話せ』はビジネスパーソン必読の1冊
今回は、伊藤羊一著『1分で話せ』の内容を要約し、分かりやすくまとめました。
本書『1分で話せ』の要点は、以下のとおりです。
- プレゼンの目的は「相手を動かす」ことだと再定義する必要がある
- 聞き手の立場に立って、聞き手を具体的にイメージして話すことが重要
- 結論と根拠の「3段ピラミッド」で話し、相手の右脳と左脳を支配する
この記事を参考に、『1分で話せ』の大まかな内容を把握して、あなたの仕事にも本書のエッセンスを活かしてみてください。