経営者保証に関するガイドライン制定から2年でどうなった?

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 会社が銀行などの金融機関から借入をする場合、その会社の経営者が個人保証するのが一般的です。中小企業庁の調査によると、約80%の会社が借入の際に、経営者による個人保証の提供を行っています。この状況を打破するために「経営者保証に関するガイドライン」が定められたのが、平成26年2月1日のことでした。あれから2年、どれくらいガイドラインは活用されているのでしょう?

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中小企業の80%が借入に個人保証を付けている

 会社が銀行などの金融機関から借入をする場合、その会社の経営者が個人保証するのが一般的です。

 中小企業庁の調査によると、約80%の会社が借入の際に、経営者による個人保証の提供を行っています。

 会社の借入とはいえ社長が個人保証しますので、実質的には経営者個人での借入と何ら変わりません。

 仮に会社の経営が立ち行かなくなり、会社として借入を返済することができなくなった場合,借入を個人保証している社長は、私財を投げ打ってでも返済する義務があり、それができなければ自己破産です。

 こうした経営者保証は、経営者の規律付けや法人の信用を補完して、資金調達を円滑にするという側面がある一方、経営者による思い切った事業展開や、一度失敗した経営者の再チャレンジを阻害する要因になっているなど、様々な課題が存在します。

 これら、経営者保証の弊害を解消するため、「経営者保証に関するガイドライン」が定められたのが、平成26年2月1日のことでした。

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経営者保証に関するガイドラインをおさらい

 では、ガイドラインのポイントを、簡単におさらいしましょう。

1.将来にわたって以下の条件を充足するならば、経営者の個人保証を求めない

  • 【1】会社と経営者の関係が明確に区分・分離されていること:事業上必要のない法人から経営者への貸し付けなどを行わない
  • 【2】財産基盤の強化:業績が堅調で十分なキャッシュフローを確保しており、内部留保も十分であること
  • 【3】経営の透明性確保:財務状況を正確に把握し、適時適切な情報開示等により経営の透明性が確保されること

  
2.多額の個人保証を行っていても、早期に事業再生や廃業を決断した際は、一定の生活費等(従来の自由財産99万円に加え、年齢等に応じて100万円~360万円)を残すことや、豪華ではない自宅に住み続けられることなどを検討すること

3.保証債務の履行時に返済しきれない債務残額は原則として免除すること

 これらのガイドラインには、法的拘束力はありませんが、金融庁が金融機関に積極的な活用を要請しています。

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ガイドラインを知らない・活用しない人も多い

 それでは実際のところ、どれくらいこのガイドラインが活用されているか見てみましょう。

 いずれも昨年の9月までの利用実績(累計)になります。

  • 新規に無保証で融資した件数・金額:29,802件、2兆5,845億円
  • 経営者保証の代替的な融資手法を活用した件数・金額:47,296件、4,997億円
  • 保証契約を解除した件数・金額:7,526件、6,826億円
  • ガイドラインに基づく保証債務整理を成立させた件数:76件

 この2年間で、ガイドラインは浸透しつつあり、多くの企業がこれらガイドラインを活用し始めています。

 しかし、実務上このガイドラインを知らずに、多額の個人保証を抱えている経営者が多いのも事実です。

 また、このガイドラインは、中小企業者・小規模事業者に該当する法人に限定されず、個人事業主についても対象に含まれることを知らない、事業主の方もいらっしゃるようです。

 ぜひ、個人保証をされる経営者の方は、金融・税務のプロと相談しながら、ガイドラインを積極的に有効活用いただければと思います。

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株式会社C Cubeコンサルティング

株式会社C Cubeコンサルティング/税理士法人C Cube
代表取締役/代表税理士 清水 努
昭和41年(1966年)10月28日生まれ(ひのえうま)

C Cube(シーキューブ)は銀座に創業20年の実績を持つ経営コンサルティングが強みの
会計事務所グループです。
『惚れられるサービスを心がける』を経営理念・社長信念とし、企業の経営者にとって
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