ビジネスのグローバル化により、海外の動向を調査せずに、ビジネスを行うことは困難を極める時代となりました。海外視察で、ビジネスに関係のある旅費のみを支払う場合と、旅の途中でプライベートも兼ねて行動する場合だと、経費の振り分けはどのように行うのが好ましいでしょうか?海外視察は脱税や申告漏れのツッコミを受けやすい行事のため、しっかりチェックしておきましょう。
グローバル化により海外視察の重要性は高まる
近年、ビジネスのグローバル化は拡大の一途を辿っています。
もはや海外の動向を調査せずにビジネスを行うことは、困難だと言っても良いでしょう。
もちろん、ウェブサイト上からの情報収集も大切ですが、最終的には現地へ足を運んで確認することも大切になります。
そこで、今回は視察旅行(海外渡航費)に行く際に発生する、経費の取り扱い注意点について解説していきます。
海外視察と経費に関する基本的な考え方とは
海外視察のための費用は、ビジネスに関係のある旅費で、通常必要と認められる金額の範囲内であれば経費となります。
裏を返しますと、必要でないと判断された場合には「給与」として取り扱われてしまいます。
もちろん、ビジネスに関係のないプライベートな旅行であれば有無も言わさずに給与課税となります。
家族同伴で海外視察に出た場合の費用負担
視察旅行に家族が同伴し、その分の費用を会社が負担した場合はどうでしょうか。
この場合、「その同伴が、明らかにその海外視察の目的を達成するために必要だと認められ、金額も必要な範囲内である」と認められれば経費となります。
そうでないと判断された場合には、やはり給与課税の対象となります。
視察旅行とプライベートを併せて行った場合
どうせ海外へ行くのであれば、プライベート旅行のついでにビジネス上の視察をすれば(逆もまたしかり)合理的ですよね。
ではそのような場合はどのように取り扱われるのでしょうか。
この場合には、旅行費用を日数等の合理的な割合によって按分します。
例えば、旅行費用が30万円、3日間の旅行のうち2日はプライベート、1日はビジネスの視察だったとします。この場合には10万円が経費になり、残額は会社が負担した場合には給与となります。
ちなみに最近の例だと、おもいっきりプライベートで家族と遊んでいる写真を、フェイスブックでオープンに公開していたところ、経費の振り分けについてツッコミを食らったという事案も発生しているようです。
SNSは、税務局も目を光らせてチェックしていますので、管理には気をつけておきたいですね。
残しておくべきは事実を証明する証拠書類
海外視察費用は、税務調査の際に目をつけられやすい項目ですので、事前にしっかりと証拠を残しておきましょう。
具体的には以下のようなものです。
- ・領収書
- ・旅費規程
- ・出張計画書、出張報告書
- ・国際会議等に出席したのであれば、その内容が分かる資料
実りある海外視察を行い、少しでも多くのビジネスチャンスにつなげて行きましょう。