平成28年の税制改正大綱が昨年末発表されましたが、基本的に安倍政権としては、「税金は安くするので、利益が出た企業は人件費や設備投資を増やして欲しい」というスタンスのようです。それでは大企業にばかり有利じゃないか!と感じられる中小企業の経営者の皆様、安心してください。中小企業にとってオトクな税制改正も今年4つ施行されます。以下お伝えしていきます。
税制改正の中身は大企業ばかりに有利ではない
先日、「平成28年度に法人へ影響を与える5つの税制改正はこれだ!」と題して、大枠で法人に影響を与える税制改正の中身をお伝え致しました。
基本的に安倍政権としては、「税金は安くするので、利益が出た企業は人件費や設備投資を増やして欲しい」というスタンスのようです。
それでは大企業にばかり有利じゃないか!と感じられる中小企業の経営者の皆様、安心してください。
中小企業にとってオトクな税制改正も今年4つ施行されます。以下お伝えしていきます。
中小にオトクな4つの税制改正の中身を公開
1)減価償却制度が定額法のみに
平成28年4月1日以後に取得をする「建物附属設備」「構築物」の減価償却方法について、従来の定率法が廃止され、定額法のみとなりました。
定率法は初年度に大きく減価償却をし、耐用年数に応じて徐々に償却額が減少していく制度でした。
定額法は「建物」と同じ償却制度で、毎期均等に償却を行っていく制度です。
これにより内装設備などの初年度の減価償却額が従来より減少することになります。
利益は膨らみやすいので、銀行により査定される企業価値は高まりやすくなります。
2) 交際費等の損金不算入制度の延長
いわゆる中小企業の800万円までの交際費枠の制度が、2年間延長になりました。従来と変わりなく交際費計上が可能となります。
取引を拡大する上で拡大された枠(従前は600万円)を、積極的に活用することが可能です。
3)中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例
資本金額などが1億円以下の法人については、10万円以上30万円未満の取得価額の資産を年間300万円まで費用計上することが可能でした。
今後は資本金額などが1億円以下であっても、常時使用する従業員の数が1,000人を超える法人は対象外となりました。
中小企業にとっては有利な制度が、資本金1億円以上の大企業や、雇用人員の多い企業は使えなくなります。
4) 国税のクレジットカード納付
平成29年1月4日以後に国税の納付をインターネットを利用して行う場合、クレジットカードで納付することができるようになります。
ちなみに都税である自動車税、不動産取得税、固定資産税などは平成27年4月1日以後より、既にクレジットカード納付が可能となっております。
国税はどうせ支払わなければならないのですから、クレジットカードで納税して、ポイントを貯めたり、付帯サービスをどんどん使いこなしましょう。
景気が不安定な今こそ税制改訂を上手に利用
中小企業にとって資金繰りや税の負担は大きなプレッシャーを与えます。
国内外の景気が不安定な状態を迎えている今、中小企業を取り巻く経営の環境はより一層の厳しさを増しています。
このような景気の時だからこそ、中小企業に有利な税制改正の中身を上手に活用しましょう。
まずは専門家に、活用できそうなものをヒアリングしてみてはいかがでしょうか?