年商1億円と5千万円の個人事業主 どちらが法人成りすべき?

節税

 年商1億円のAさんと年商5,000万円のBさんという2人の個人事業主がいた場合、どちらが法人成りすべきか?大半の方が年商1億円のAさんと答えるかもしれませんが、実はそうとも限りません。法人成りによる節税メリットの効果としては、「税率の差」と「所得分散」という2つの効果があります。法人成りは売上だけではなく利益にかかる税率の差や所得分散のメリットを冷静に比較して判断をしましょう。

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年商1億と年商2千万 どちらが法人成りすべき?

 個人事業主として開業されている方の多くは、どのタイミングで法人成りするか?考えていらっしゃることと思います。

 そこで皆さんに質問です。

 年商1億円のAさんとと年商5,000万円のBさんという2人の個人事業主がいた場合、どちらが法人成りすべきだと思いますか?

 詳細の条件は以下の表にあるとおりです。

年商(円) 利益(円) 世帯スペック
Aさん 1億 5百万 独身
Bさん 5千万 2千万 既婚

 大半の方が年商1億円のAさんと答えるかもしれませんが、実はそうとも限らないのです。

 本日はAさんとBさんの例えを元に、法人成りのメリットとは何か?法人成りするのが望ましい個人事業主の判断はどのように行うの?という疑問にお答えしたいと思います。

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法人成りの節税メリットは2つの効果で成り立つ

 法人成りには様々な理由が存在しますが、多くの方が「節税」メリットを目的にお考えではないでしょうか。

 法人成りによる節税メリットの効果としては、「税率の差」と「所得分散」という代表的な2つの効果があります。

 以下、解説いたします。

1)税率の差

 個人事業主には所得税という税金、法人には法人税という税金が課税されます。

 所得税は、儲けが大きくなればなるほど税率が上がっていき、最大で45%となります。

 一方で法人税は儲けが800万円までは15%、800万円を超える部分については一律で23.9%の税率で課税がなされます。同じ儲けでも税率が異なれば納税額も変わるということです。

 自社の売上にかかる2つの税金を比較した時に、法人税を支払ったほうが良い場合は法人成りにメリットが生じます。※平成27年10月時点

2)所得分散

 1)税率の差でお伝えしましたが、個人には所得税という税金が課税され、所得が大きいほど税率が大きくなります。

 法人化した場合経営者は法人から給与を支給される立場となる訳ですが、その給与を自分だけでもらうのではなく妻などに分散するのです。

 トータルで支給された額が同じでも、一人ひとりの税率が低くなるので納税額の総額が少なくなります。

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利益にかかる所得税と法人税の差を冷静に判断

 さて、もう一度、AさんとBさんのどちらが法人化すべきか考えてみましょう。

 ここまでお読みいただいた方なら、法人成りするべきなのはBさんだということがすぐに分かりますよね。

 Aさんは個人事業主として所得税を払う場合の税率は利益500万円に対して20%、法人税でも15%と法人成りしても5%程度しか支払い率の差がありません。

 法人成りにかかる費用などを考えれば、控除や交際費などを利用した節税で法人成りする必要が殆どありません。

 一方でBさんの場合は、個人事業主として所得税を払う場合の税率は利益2,000万円に対して40%、法人税で23.9%と税率に倍近い差があり、支払額も300万円以上の差が生まれます。

 法人成りした費用も単年で吸収できて、配偶者を社員とすれば更に所得の分散効果で、法人成りにメリットが生じます。

 このように、年商だけでは法人化のメリットが出るかは全く分からないのが実情であり、利益を見ていく必要が生じます。

 ただし法人成りには注意点もあります。

 所得分散の際には給与をいくらに設定するか、社会保険料がどの程度になるか、など判断を誤ると逆に損になってしまうケースがあるからです。

 法人化をお考えの場合には、必ず事前に専門家への相談をしていただきたいと思います。

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カナリ総合会計事務所

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代表税理士 金成 茂樹(かなり しげき)

「経営者が本業に100%専念できる環境づくり」が経営理念。
理念実現のために、近年はクラウド会計の普及による「会計の自動化」に尽力している。

毎月面談を強要する旧来型の税理士の在り方に疑問を感じており、これを廃止。
ITを駆使することにより「必要時に必要なアドバイス」を提供。経営の合理化に努めている。

2005年 大原簿記学校 入社 消費税法講師担当
2008年 KPMG税理士法人 入社
2010年 荒井税理士事務所 入所
2013年 税理士登録(登録番号:124636)
2014年 カナリ総合会計事務所 開業

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