戦争と政治の天才ナポレオンは大砲が大好き
今日は戦争の天才、それから政治の天才といわれたナポレオンが、もし、現代の経営者だったら「雇用」というものをどう考えるんだろうかなぁっていうことを推測したりして遊んでみたいと思います。
フランスの皇帝にまでグ〜ッとのし上がったナポレオンは、もともとはコルシカというイタリアに近い島の出身で、一応貴族だったんです。
一応貴族だったので、パリの士官学校に入りました。
当時人気が騎兵科で、その次が歩兵科で、1番人気が無かったのは最先端の技術である砲兵科でした。
やっぱりね〜、大砲をゴロゴロ押していくっていうね、地味ですよね。ですけれど、ナポレオンは敢えて砲兵科を選びます。
そして、16歳で士官学校を卒業して士官になるわけなんですけれど、士官学校の成績は非常に悪いです(笑)。
58人中42位ですから…下の方ですね(笑)。
ところが!この士官学校の成績は悪かったんですが、やはり砲兵科に行ってましたから、とにかく事あるごとに大砲をぶっ放すんですよ!
勉強できなくてもOKっしょ!
大砲をぶっ放して大事な港を奪還したりしまして25歳で少将です。あと上には中将と大将くらいしかいない、そこまで25歳で出世したんですね。
イタリア開放でナポレオンが見せた人心掌握術
そしてこの後もナポレオンは大砲をぶっ放して、出世していきます。
26歳の時には、後の奥さんになるジョセフィーヌっていう未亡人がいたんですが、その未亡人の愛人だった男に仕事を貰って、その時も大砲をぶっ放してフランス国内の内乱を抑えて、フランス国内の軍司令官になります。
それから27歳の時になって、そのジョセフィーヌと結婚するんです。なんと26歳の時に仕事をくれたジョセフィーヌの愛人のすすめで…なんだか変な関係ですけれどね、結婚するんですね。
ナポレオンはジョセフィーヌの臭いフェチだったという噂も…
この時、ナポレオンはイタリア方面軍の司令官になって、いよいよイタリアに攻め込んでいくんですね。
当時イタリアはバックにオーストリアがついていまして、そこでこのイタリア方面の軍司令官になったナポレオンが何をしたかっていうと、とにかくイタリアの平民を味方につけた。
貴族から開放してあげるぞ!って、「お前たちにも今のフランスのように貴族の土地を分け与えてあげるぞ。
だから俺達の味方になれ!俺達はお前たちを貴族から開放する『解放軍』なんだから!!」って。
そして。イタリアに一気に攻め込みます。
その時に問題は「補給」です。当時は補給があるために進軍が遅かったんですね。
ところがナポレオンの凄いところは「俺たちは『解放軍』なんだから、お前たちの物資を俺たちに援助してくれ!」ってことで、いきなりイタリアに突っ込むわけです。
そうすると、まぁ戦争の歴史っていうのは常にそうなんですけれど、基本的に相手の軍隊が集結する前に各個撃破をしていくっていうのが、これ古今東西、これでほとんど片が付くわけですね。
ナポレオンの軍勢が早いんですよ!
あんまりにも動きが早くて、相手の軍勢が集結する前に各個撃破してしまうので、あっという間にイタリアを開放してしまって、バックについていたオーストリアとも講和します。
ナポレオン率いるフランス軍が当時世界最強だった理由
では、それまでの軍隊っていうのはどういったものだったかというと、基本的に封建社会なので土地を持っているのは貴族なんです。
その貴族が雇った傭兵とか、自分たちの農奴とかを連れだして戦っていたわけなんですけれど、要するに傭兵っていうのは金で雇われているので、基本的には本気で領主のためになんか戦わないですよ。
まぁテキトーにやるわけですわな(笑)。
もちろん農奴だってそうですよ。「なんでうちの領主のために自分の命も捨てなきゃなんねーんだよ」みたいな感じでね。
軍隊の構造自体が弱かったんです。
ところがこのフランス軍っていうのは国民軍です。フランス革命を起こして貴族たちの土地をみんなが分け与えてもらった。
ですからまず国民軍としての数が圧倒的に違います。
特に当時は陸軍を組むときに基本的には人口なんですよ。
人口はロシアの次にフランスが多かったので、そこでガンガン徴兵するわけですね。
基本的には戦争というのは数の勝利なので、数が多い方が必ず勝つ。だから相手の数が集結する前に、各々小さい数を各個撃破していくっていうね。
そのスピードも持っていたのはなぜかというと、「土地を守る使命」なんですよ。
土地を与えられていますから「お前が死んでもお前の子どもには土地をあげるから思う存分戦ってくれよな!」という形で、フランス軍が非常に強かったんですね。
そしてこれを作り上げたのが、なんやかんやとナポレオンなんですね。
ナポレオンが現代の経営者だったら?やっぱ終身雇用制を敷くよね〜!
さて、では会社におきかえてみましょう。
会社っていうのは一体誰のものなんだろう?と。
その時に多分99%の人は、「やっぱり従業員のものじゃないよね」っていう解答をすると思うんです。
というのも、特に中小企業の場合は基本的に”会社は社長のもの”です。大体は。
そして上場企業においても、やっぱり会社っていうのは”株主のもの”じゃないかな、と。
やっぱり会社は従業員のものじゃないよね、って。
ただ、思うのは、「これってさ?良いことなんだろうかね?」ってことなんですよ。
会社と従業員の関係を考えた時に、従業員は労働力を提供して、そして会社から給料をもらいますよね。
これって、さっきの封建社会の貴族に雇われた傭兵とあんまり変わらないんじゃないのかなって。
なんだかそんな気がしませんか??
では終身雇用制の話いきます。
日本では終身雇用制が良いと言われていました。
ところが今は人を抱えていると、もう社会保険料それから厚生年金…その他にも保険があります。
そういう社会保障のところで、もう人を雇い続けていくことができない、ということで終身雇用制度は事実上は崩壊しています。
特に中小企業においては、もう終身雇用どころか正社員を抱えて行くこと自体が非常に困難になっています。
では終身雇用制度の崩壊は一体誰にとって得なのか?誰にとって損なのか?
これを考えると、じゃあナポレオンだったら終身雇用制度っていうものをどう使うだろうかと思うと、私はナポレオンはやっぱり終身雇用制度というのを敷くと思います。
そして、「お前ら思う存分戦え!」って、そうやって強い軍隊を作っていくんじゃないかと思うんですよ。
そういうふうに考えると、今我々っていうのはもしかしたら、すごく弱い軍隊を作らざるを得ない、そういうふうになっているんじゃないかなって。
ナポレオンの歴史を紐解いていくとそんな感じもします。
もしよかったら、天才ナポレオンを研究してみてはいかがでしょうか。
雇用の面とかそれから組織の作り方もけっこう勉強になると思いますよ。
Photo credit: .Dimitris. on Visual Hunt / CC BY