日経新聞が、現時点で日本が持つ海外資産は1000兆円を突破したと報道しました。なぜ日本の海外資産が大幅に増えたのか?その大きな理由は日本の低金利環境にあります。低金利にあえぐ銀行や保険会社などの機関投資家が国内ではなく海外に活路を求める一方、私達の年金を預かるGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)も海外投資に力をいれているようです。
実は日本ってお金持ち?海外資産が1000兆円を突破
今回は、日本の企業や個人が持つ海外資産が1000兆円を突破したという話題です。
日本の株式市場では、今後の経済政策への期待感もあって、日経平均株価が15日連続上昇という新記録の話題もありましたが、庶民の感覚としては、そこまで景気が良くなっている実感があまり無いのでは?
ところが日経新聞によると、現時点で日本が持つ海外資産は1000兆円を突破したことが確実なようです。
ちなみに世界で海外資産を一番多く保有している国はアメリカ合衆国で、彼らは約2600兆円もの海外資産を保有しています。一方、先進国の中でもドイツやフランスはこの5年間で海外資産の保有額を小幅に減らしています。
日本の海外資産が大幅に増えた原因はなにか?
日本の海外資産がここ数年で大幅に増えた原因はいったい何なのでしょうか。
それは日本の低金利環境が原因のようです。
日本銀行がマイナス金利政策をはじめてからというもの、日本国債の金利は大幅に低下し、銀行や保険会社などの機関投資家は日本国内で運用成果を出すことが極めて難しくなっています。
そこで、ある程度のリスクを取ってでも運用成果を求めて海外投資に積極的になっているのです。
日本が保有する海外資産1000兆円のうち約半分を占めるのが証券投資で、この3年間で100兆円近く増えて、6月末時点で453兆円もあるそうです。
実は私たちのお金も海外に投資されている!
「機関投資家が海外投資」というと人ごとのように聞こえるかもしれませんが、実は私たちのお金も海外に投資されています。
下の円グラフをご覧ください。
私達の公的年金を運用しているGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)は運用資産を海外にも振り向けていて、外国株式や外国債券への投資割合は、2017年6月末で全体の37.44%と5年前に比べて17%も増えているのです。
ここ数年、個人の海外への投資意欲も旺盛で、個人の保有する海外投資向けの投資信託は6月末で100兆円を超えて、この5年で倍増しています。
トランプ政権が誕生してから以降、日本の株式市場は堅調に推移していますが、高齢者を中心に日本株を売った資金を海外投資に振り向ける傾向が強まっているというのも、日本が持つ海外資産が増加している原因のひとつのようです。
お金の大きな流れとしてぜひ把握していただきたい情報です。
Photo on VisualHunt.com