今年に入ってから乱高下を繰り返す為替相場は、投資先を国内に限らず海外にも広げることにより、保有する資産や通貨を分散することを促し、急激な円安や円高の局面においても、保有する資産に対する為替変動のリスクを分散することの大切さを教えてくれます。海外投資の第一歩は、海外情勢をよく把握し、為替相場を日常から意識することから生まれます。
乱高下を繰り返す為替相場は分散投資を促す
今年に入ってから円の為替相場が乱高下を繰り返しています。
年始に1ドル121円だったドル円相場は106円台まで急降下。 チャート引用:ヤフーファイナンス
特に最近は、日銀の政策決定会合を材料に、ヘッジファンドのいいように、市場が操られている感じがします。
このように為替や株式相場の変動が激しい時にこそ、海外に投資することで、リスクを分散することが可能になります。
つまり、投資を通じて保有する通貨を分散することができるのです。
日本円のみの保有で知らぬ間に抱えるリスク
日本ではアベノミクスによって、1ドルが80円から120円に大幅に円安になりました。
もし1ドル80円の時点で1万ドルを保有していれば、1ドル120円で換算すると40万円が増えたことになり、資産が1.5倍に増加したことになります。
逆に、円の価値は3分の2に減少したことを意味します。
日本は穀物や資源などの大半を輸入に頼っており、その価格は常に為替変動の影響を受けています。
円高になれば輸入品の価格は安くなり、逆に円安になれば高くなります。ここ数年の円安局面では食料品などの価格も大幅に上昇しました。
投資先を国内に限らず海外にも広げることは、保有する資産や通貨を分散することにも繋がり、急激な円安や円高の局面においても、保有する資産に対する為替変動のリスクを分散することが可能になります。
では、どうすれば、投資先を海外まで広げることができるのでしょうか?
海外投資の第一歩は為替相場を日常で意識することから始まる
海外投資を実行するためには、投資対象となる国の情勢を知ることが不可欠です。知らないものに投資することは、ただのギャンブルと変わりがありません。
また、いまや世界中でボーダレス化が進み、人やモノの動きが国境を越えて活発になっています。
東南アジアでは、昨年末にASEAN経済共同体(AEC)が発足しましたし、大筋合意されたTPP(太平洋パートナーシップ協定)が発効されれば、経済規模で世界全体のGDPの約6割を占める巨大な自由貿易圏が誕生することになります。
日頃から世界で起きていることを意識することで、経済に関する感度が高まり、視野が広がることも、海外に投資をすることのひとつのメリットでしょう。
海外旅行の時だけではなく、日頃の生活の中でも為替相場を意識してみることが、これからは大切なことだと思います。