読者の皆様に質問です。免税店は英語に訳すと「DUTY FREE SHOP」と「TAX FREE SHOP」どちらが正しいでしょうか?
答えはどちらも免税店で正解です。
しかし、「DUTY FREE SHOP」と「TAX FREE SHOP」の2つでは、お店の性格は全く違うものとなります。
えっ!と驚きの違いを走る税理士、鈴木さんがわかりやすく解説してくださいました。
「免税店」を貴方は英語で何と表現しますか?
空港にある免税店をよくご利用される方は、免税店は英語でおそらく「DUTY FREE SHOP」と呼ばれることでしょう。
更に、税を英語で表記すると「TAX」ですから、「TAX FREE SHOP」ではないか?と答える人もいるかもしれません。
実は、免税店に対する英語表記としては、どちらも正解です。
「Duty Free Shop」も「Tax Free Shop」も、日本語に訳せば免税店と言うことになります。
それでは、以下2つの免税店がどう違うのか見ていきましょう。
空港の「Duty Free Shop」で免除される税金
国際空港などには多くの免税店が出店しています。
おそらくそれらの店の看板には、大きく「Duty Free」と記載されているでしょう。
「Duty-Free」とは直訳すれば免税です。
この場合に免除の対象となる税金は消費税だけでなく、酒税やたばこ税、関税といった税金も含まれます。
代表的な例は空港などの免税店です。
海外から日本、あるいは日本から海外に移動する場合、空港などで出入国手続きをします。
ただし、入国の手続きを終えるまでは法律的に入国していませんので、税法が適用外となります。
つまり、一切の税金がかからないのです。
空港から出国手続きをしたあとのフロアには、こういった税金がかからない免税店(Duty Free)が多く存在していますが、正確には、これらのエリアは「保税地域」と呼ばれています。
原則的に、保税地域で購入した商品は、空港の税関を通過しなければ空港外に持ち出すことが出来ません。(税関を通過する際には所定の関税がかかりますが、国によって関税率や免税金額が異なるので、それらの税金がかからないこともあります)
ですので、これらのDuty Free Shopとしての免税店は空港内の保税地域にしか出店できないため、街の中には存在しないのです。
街中の「Tax Free Shop」で免除される税金
それに対し、一般の事業者が運営することが出来る免税店とは「Tax Free Shop」としての免税店です。
この場合、免除されることになる税金は消費税です。
この「Tax Free Shop」は、日本の消費税で言うと「輸出物品販売場」と言いまして、日本の街中にある家電量販店や百貨店、土産店などの免税店は、基本的にこのTax-Freeのお店です。
ですので、空港にある免税店と同じような感覚で買い物ができる訳ではありませんし、免除される税金が消費税だけですから、有利になる金額もだいぶ違うからです。
例えば、タバコを例にあげてみましょう。
メビウスと言う銘柄のタバコを、国内の一般商店で1カートン購入すれば4,300円です。
(記事作成時の金額です。)
そのタバコを空港のDuty-Freeで購入すれば2,700円で購入できます。
おなじタバコを街中のTax-Freeで購入すれば、おそらく4,000円弱で購入できると思います。(タバコを吸いませんし海外に行く予定もないので未確認ですが・・・)
Duty-Freeであれば「たばこ税と消費税」併せて1,600円相当を免除されますが、Tax-Freeでは「消費税」だけ免除されるので300円相当です。
結構このポイントは、勘違いされている方が多いので、免税店で商品を購入する際は注意が必要ですよ。
お店を構える時と商品を購入するときの注意点
それでも、免税店を賢く活用すれば、同じ商品を一般の商店で買うよりは安く買えるので、外国人旅行者などにとってはオトクですよね。
ただし、一つ注意点があります。
日本のTax-Freeで購入したタバコは帰国するまでは吸うことが出来ません。
日本で吸ってしまうと、出国時に免除された消費税を払っていただくことになります。
こういった場合は、タバコを吸いたいのは我慢していただき、カバンの中にお荷物としてしまっておいていただくしかありません。
いかがだったでしょうか?このように免税店といっても二種類があります。
一般のお店が構えることが出来るのは「Tax Free Shop」の方です。
空港の免税店のように、あんなに安くブランド品を売ることは出来ません!お間違いのないように。