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鈴木 一彦 (すずき かずひこ)
鈴木 一彦 (すずき かずひこ)走る税理士・すずき会計代表

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【悲報】なぜなのか?相続税対策のアパート建設で大損!

【悲報】なぜなのか?相続税対策のアパート建設で大損!
 平成27年に施行された改正相続税法により、相続税対策に大きな注目が集まっています。相続税対策として、一番古典的でオーソドックスな手法の一つにアパート建築があります。ところが最近では、アパートを建てたが故に、大損したというケースも多くなっています。安易なアパート建築による相続税対策のデメリットを把握しておくことは賢明です。

相続税対策としてアパート建築は有効なのか?

 平成27年に改正相続税法が施行され、今までにないほど、相続税について注目が集まっていますね。

 昨年から新聞や週刊誌などでも、様々な相続税対策の記事が目立つようになってきました。

 相続税対策と呼ばれるモノは様々ありますが、なかでもオーソドックスな相続税対策の手法の一つが「アパートを建築する」という方法です。

 ただ最近ではその方法の効果も薄れてきてしまっているのです。

 アパート建築による相続税対策は、本当に効果があるのかどうか、そのメリット・デメリットについて考えてみたいと思います。

アパートを建設すると相続税対策になると言われるそもそもの理由とは?

 まず、そもそも、なぜアパートを建設すると、相続税対策になると言われているのでしょうか?

 その理由は、土地の「貸家建付地による評価減」と建物の「借家権による評価減」という2つの効果により、相続税の対象となる財産の評価を下げることが出来るからです。
  • ・何も無い更地よりも、上に建物が建っている方が自由に使いづらくなってしまうので評価が低い
  • ・自分で使う建物よりも、人に貸して使われている方が自由に使いにくくなってしまうので評価が低い
 上記のような理由から、財産の評価が下がることになるのです。

 テナントビルや賃貸オフィスの経営は、都市部では確かに良いかもしれませんが、地方ではよほど立地条件が良くない限り、空室になるリスクが高いのが現状です。

 従って、入居が見込めるアパートの方が需要が多いため、「相続税対策=アパート経営」という傾向が、全国に広がっています。

アパート建設の節税効果はどのくらいあるの?

 それでは、土地の上にアパートを建設すると、どれくらい節税効果になるか考えてみましょう。

 アパート自体はその敷地である土地とアパートと言う建物で構成されています。

 それぞれの部分で、どのくらい節税効果があるか考えてみましょう。

建物は本来の評価の70%相当まで下がる

 まずはアパートの建物部分を考えてみます。

 建物の相続税の評価は、固定資産税の基準となる建物評価額で評価されることになります。

 評価価額は、新築時の建築価額に対して、おおよそ60%前後となるので、もし5千万円でアパートを建築した場合、新築時の評価額は3千万円ほどになりますね。

 さらに、アパートに入居者がいると借家権割合というものが控除され、その控除分が約30%ほど減額されますので、3,000万円×70%=2,100万円がアパートの評価額となります。

敷地の評価は60%相当まで下がる

 次に、アパートの敷地にあたる土地部分については、路線価というもので評価価額が算出されます。

 路線価は、売買価額などの時価に対して、おおよそ80%程度になると言われています。

 仮に5,000万円の時価の土地であれば、相続税評価は4,000万円ほどということになりますね。

 さらに、アパートが上に立っているので貸家建付地として80%ほどの評価がなされます。その結果、4,000万円×80%=3,200万円がアパートの敷地の評価となります。

トータルの節税効果:アパートを建てると評価は半分くらいまで下がる

 今回のケースですと、土地と建物を併せて5,300万円が評価金額となり、何もしない場合と比較して、約半分ほどの評価となることが分かります。

 更に、アパートを借入金で建築すれば、借入金はマイナス財産として控除されます。

 アパートの敷地については「小規模宅地の評価減」と言う特例の対象にもなるので、最大で敷地面積の200㎡までは50%の減額も可能となるのです。

相続税対策で行うアパート建設のメリットとデメリット

 このように大幅な評価減を通じて、相続税の支払いを抑えるアパート建設の、メリットとデメリットを比較してみましょう。

相続税対策でアパートを建てるメリット

 相続税の支払い額を抑えるのもアパート建設のメリットですが、アパートは入居者さえいれば、安定した収入となり、生活の基盤にすらなります。

 もし、将来的に入居の需要が見込まれるのであれば、安定した老後資金の運用策として、この手法は使えます。

 アパート建設会社やハウスメーカーなどは、この「相続対策」と「安定収入」の2つの効果で、アパート建設を勧めてきます。

相続税対策でアパートを建てるデメリット

 とはいえ、アパート建設にはメリットだけでなく、デメリットもあります。

 アパート建設などの相続税対策により、不動産の評価を下げるということは、実際の不動産の価値も下がっているということを忘れてはいけません。

 実際に不動産の価値が下がってしまうからこそ、国も財産の評価を下げることを認めているのです。

 実際に土地の上に古い家やアパートなどが建ってしまっていると、売りたい時に売却をすることは非常に困難です。

 ましてや地方では、アパートの賃料や需要も低いため、投資に対するリスクが極めて高くなります。

 相続税の評価は下がりますが、そのために本来の財産が目減りしてしまっては、本末転倒となってしまうのです。

 更にアパートは、実際に相続が起きた時に、分割するのが難しい資産です。

 「分割したくても分けられないのなら、安く売ってしまえ!」私はこんな事例を何度も見てきました。

アパート建設会社のオイシイ話に「待った!」

 基本的に、建設会社やハウスメーカーなどは、オイシイ部分の話しか教えてくれません。

 周りにあるアパートの入居状況や、これからの町の移り変わり、人の流れなどは、5年も経てばガラッと変わってしまうものです。

 アパートの建設は、将来の出口戦略もしっかりと考えないと、大ヤケドすることになります!

 アパート建設を通じた相続税対策については、先述のメリット・デメリットを、十分に比較検討してから行うことをお勧めします。

2016年7月18日

節税 アパート経営 相続税

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