フリマアプリのメルカリ上場!その時価総額なんと6,700億円
6月19日(火)、遂にフリマアプリを運営するメルカリが上場しました。
サービスローンチから5年、日本を中心に、アメリカやイギリスなど海外でもサービスを展開し、利用者数や流通総額は順調に拡大しています。
日本では稀有なユニコーン企業(非上場の巨大ベンチャー)の上場に、市場も好感しました。
上場日についた初値5,000円時点の時価総額は6,700億円に達しています。今年最大規模の上場となりました。
時価総額は高いけれど会社は投資段階で赤字
では、メルカリがどの程度儲かっているのか、皆さんはご存知ですか?
目論見書を見てみると、実はメルカリはまだ赤字です。
前期は売上220億円で40億円赤字、直前の9ヶ月間で売上は260億円と伸びて、赤字も34億円に縮小していますが、それでも赤字です。
主な要因として、メルカリは目論見書の中で、以下のように述べています。
また、過年度の連結業績については、事業立ち上げ段階であったことや米国での赤字計上等により親会社株主に帰属する当期連結純損失を計上しており、将来連結ベースでの黒字化を適時に達成できる保証はありません。
要は、海外マーケットへの投資が赤字の要因であり、いつ黒字化するかはわからない、ということです。
この赤字会社に4,000億円の時価総額がついています。
今の株価が高いと見るか、安いと見るかは投資家次第です。
違法な出品が相次ぐなど批判も多いですが、新しいサービスを始めると批判や問題はつきものです。これからどう乗り越えていくのかが問題でしょう。
赤字でこれだけの値が着く会社は特例中の特例
勘違いしていはいけないのは、メルカリは特例中の特例ということです。
今の株価を支えているのは、
- ユーザーが増え続けるスマートフォンをベースとしたビジネスであること
- 日本のみならず、海外も含めると、1億を超えるダウンロードを既に達成していること
- 流通総額の指数関数的な伸び
- 世界展開が可能なビジネスモデルであること
にあります。
日本企業でこの用件を満たす企業はほとんどなく、メルカリは特例です。
ただし、現在、海外売上は10%未満で、海外子会社の個別業績が開示されていないことは少し気になりました。
自社を売却したい方にとって、この事例は夢がありますが、現実の世界でM&Aを仲介する私から敢えて言うと、参考にしてはいけません。
メルカリのように売上が短期間で100倍になる可能性を秘めたビジネスはそうありません。
あくまでも特例として見た上で、自社事業の現状把握をしっかり認識するのが肝要です。そのうえで、どうしたいのか決めるのが前向きな判断と言えるのではないでしょうか。