アクシデントで資金繰りに詰まったら銀行にリスケ依頼
会社として金融機関からの借入をしている場合、業績が順調な時はよいのですが、突然のアクシデントで業績が悪化して、突然資金繰りに行き詰まることがあります。
経営者であれば、この最悪の事態はいつでも想定しておかねばなりません。
新たな借入を起こせる枠がある会社であれば、新規の借入で当座をしのぐという方法もあるでしょう。
もし、そうでないのであれば、銀行にリスケ(リスケジュール)を依頼する必要があります。
銀行にリスケ依頼する際の具体的な2つの手順
リスケとは、返済計画の変更のことで、金融機関への返済を一定期間猶予してもらうことで、その間に経営の改善・安定化を図ります。
リスケを図るうえではどのような手順を経る必要があるのでしょうか?
1)事業計画書作成⇒嘘や楽観的なものは絶対ダメ
まず、リスケを依頼するために、3~5年程度の事業計画を立てる必要があります。
会社の財務状況の改善程度を示したうえで、金融機関に認めてもらわなければなりません。
もし、金融機関からリスケNGが出てしまえば会社倒産に直結しかねません。自分の報酬や経費を減らさずに、売上だけが増えていくといった実現可能性が低い事業計画では、リスケはまず認められないでしょう。
また、事業計画書に嘘があってはなりません。過去の売上を粉飾したり、これからの見通しについても楽観的ではなく、現実的なものとする必要があります。
自分で事業計画書を作るのが難しいと感じるならば、事業計画に詳しい税理士や会計士と一緒に、事業計画書を作成していくのをお勧めします。
2)リスケ交渉⇒平等で現実的な返済計画の交渉を
事業計画書が整ったらリスケを借入がある金融機関に申込み、交渉を開始します。
リスケを依頼する場合、通常は半年から1年程度、元本返済を極限まで抑えるような依頼が多くなります。
複数の金融機関に借入があるならば、気をつけねばならぬこともあります。
それは、全ての金融機関に平等なリスケをお願いをすることです。
どこか1行だけというと、あるいは条件に差をつけるとなるとほぼ間違いなくリスケは断られてしまいます。
返済計画について、金融機関はこちらの考えるより厳しい内容を提示することが多いですが、現実的に不可能な返済計画の提示に対しては、卑屈になることなく、「自分が実行できる返済計画」を提示し、粘り強くネゴシエーションしてください。
いざ、あなたがリスケできても待ち構える3つの困難
これらの交渉をクリアし、リスケが認められれば、月々の返済金額を減らすことができますので、キャッシュフローに余裕ができます。
余裕ができたキャッシュを事業資金に回し、あなたは短期間で経営改善に努めることになります。
また、もちろんの話ですが、リスケには3つの困難が伴います。
1)返済金額の増大など追加のキャッシュアウトが増える
リスケをする際に保証料の追加を求められたり、返済期間が長くなれば利息を含めた返済金額は当初より大きくなりますので、キャッシュアウトする総額は確実に増えます。
2)新たな借入ができず資金繰りに詰まることが許されない
リスケ中は他の金融機関も含めて、新たな借り入れをすることはできなくなりますし、資金繰りに詰まってしまうと身動きが取れなくなってしまいます。
会社の状態がよくなるまでは、無駄な出費をとことん減らし、できるだけ多くの収益をあげるよう動く必要があります。
3)会社が信用リスクを抱える
会社が信用リスクを抱えることになります。というのも、リスケをすれば、銀行の信用情報は間違いなく低下します。
それだけでなく、リスケの事実が従業員に知られてしまうと、モチベーションの低下や離職といった事態を招きかねません。
取引先に対する心象も決して良い情報ではないため、ケアが求められます。
いずれにせよ、待ち構えるのは茨の道です。リスケ後の行動次第で、会社は良くも悪くも大きく動きます。頑張りましょう!