民法(相続法)が38年ぶりに改正!なぜ?中身を紐解くと見える日本の未来

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民法(相続法)が38年ぶりに改正へ動き出す

今年の3月13日、民法の相続法の改正法案が国会に提出されました。民法における相続法の改正は昭和55年が最後で、実に38年ぶりの改正となります。

まず、なぜこのタイミングで相続法が改正されようとしているのかも含め、5つの改正案をご紹介したいと思います。

改正案1:「配偶者居住権」の創設

1つ目の改正案は、「配偶者居住権」の創設です。

現行の民法では遺産分割で揉めるなどして、自宅を換金せざるを得なくなった場合、配偶者が自宅に引き続き居住できないことがありました。

また、配偶者が自宅を相続した場合、その評価額が高額になり、他の相続財産を十分に取得できないという問題がありました。

「配偶者居住権」とは、配偶者が自宅に住み続けることができる権利をいいます。この「配偶者居住権」は原則として売買できず、配偶者が死亡するまで存続します。

また、この「配偶者居住権」の評価は、配偶者の平均余命などを基に算定され、配偶者が高齢であるほど安くなります。

ここで、改正内容をわかりやすく理解するために、1つの例を提示しましょう。

たとえば、相続人が妻と子、それぞれ1人ずつの家系があったとします。

相続財産は自宅(2,000万)と預貯金(3,000万)でした。妻と子の相続分は1:1です。

現行の相続

妻が自宅を相続する場合の相続分は、自宅2,000万、預貯金500万。子の相続分:預貯金2,500万となります。

妻は自宅を相続すると、預貯金の相続が極端に少なくなってしまいます。

改正案の相続

妻が自宅を相続する場合の相続分は、配偶者居住権(1,000万)、預貯金1,500万。子の相続分を、自宅の負担付所有権(1,000万)、預貯金1,500万とすることが可能になります。

こうすることで、妻の「配偶者居住権」に占める相続の割合を低め、預貯金の相続額を高めることが可能になります。

改正案2:配偶者へ贈与した自宅を遺産分割の対象外に

現行の法律では配偶者に生前贈与しても、原則相続財産の先渡し(特別受益)とされ、配偶者が最終的に相続する財産は、結果的に生前贈与がなかったものと同じ結果になっていました。

しかし改正案では、婚姻期間が20年以上の夫婦が居住用不動産を贈与した場合、原則的にこれを相続財産に含めなくて良いことになりました。

配偶者がより多くの財産を取得できるようになったのです。

具体例として、相続人が妻と子、それぞれ1人ずつの家系があったとします。

相続財産は自宅(持ち分1/2)2,000万と預貯金6,000万の合計8,000万でした。

妻に対する生前贈与(自宅持ち分1/2)が2,000万で、妻と子の相続分=1:1です。

現行の相続

生前贈与分も相続財産とみなされていました。

トータルの相続財産は8,000万+2,000万=1億とみなされるため、1億×1/2-2,000万(生前贈与分)=3,000万となります。

従って、配偶者の最終取得財産は3,000万+2,000万=5,000万となっていました。

改正案の相続

生前贈与分は相続財産に含める必要がなくなりました。

相続財産は8,000万×1/2=4,000万で、配偶者の最終取得財産は4,000万+2,000万=6,000万まで計上可能となります。

大幅に取得できる資産の額が増えた形です。

改正案3:介護等被相続人への貢献を評価

3つ目の改正内容は、介護等被相続人への貢献を評価し、相続財産を増やすことが可能になったことです。

現行の相続

相続人以外の者(例えば長男の妻など)は、被相続人の介護を尽くしても、相続財産を取得できませんでした。

改正案の相続

改正案では、相続開始後、介護等被相続人への貢献をした相続人は、他の相続人に対して金銭を請求することができ、介護等の貢献に報いることができるようになります。

改正案4:預貯金の仮払い制度が認められる

預貯金の仮払い制度が認められるようになります。

これまでは遺産分割が終わるまで、相続人単独での払い戻しができませんでした。

対して、改正案では、家庭裁判所の判断で単独での払い戻しが認められるようになります。

改正案5:自筆証書遺言の手書き必須が見直し

自筆証書遺言の見直しが改正案として提出されています。

これまでは、遺言について財産目録まですべて手書きする必要がありました。

改正案では、財産目録に署名押印すれば、パソコンで作成が可能になり、これをもって公的な照明とすることが可能になります。

まとめ:相続法案改正から見える未来は?

いかがだったでしょうか?

こうして見ると、今回の改正案から、政府が本気で高齢化社会へ対応しなければならないと考えていることがわかりますね。

子供達が親の面倒を見られれば良いですが、少子化でそれもままならぬ状況の中、死別した後も夫婦間で相互互助しなければならない未来も見え透けます。

なお、今回の改正案は今国会を通れば、2022年春にも施行される予定です。

人口の20%が後期高齢者となり、国民の3人に1人が65歳以上、5人に1人が75歳以上という、世界のどの国も経験したことのない高齢化社会が、私達のそう遠くない未来に近づいています。

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株式会社C Cubeコンサルティング

株式会社C Cubeコンサルティング/税理士法人C Cube
代表取締役/代表税理士 清水 努
昭和41年(1966年)10月28日生まれ(ひのえうま)

C Cube(シーキューブ)は銀座に創業20年の実績を持つ経営コンサルティングが強みの
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