通勤手当が給与に含まれる従業員は確定申告で通勤にかける費用を控除できる?

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従業員に対する毎月の通勤費支払いは絶対条件ではない

従業員に毎月、一定額の通勤費を支払うのは当たり前の話ではありません。

というのも、労働基準法は通勤費の支払いについて、雇用する側に支払いの義務付けを行っていないからです。

会社によっては、給与を多めに支払っていることもあり、通勤費を支払っていない場合もあるかもしれません。

通勤費を支払っていない会社の従業員は、自分がもらった給与の中から通勤費として支出する金額について、非課税の通勤費として確定申告で控除を受けることは可能なのでしょうか?

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通勤費込みの給与をもらう従業員は通勤費を控除できるか?

結論から言うと、給与から通勤費を支出している従業員は領収書などを保管していても、これにかかる費用を控除することができません。

なぜなら、所得税法第九条5項は、通勤費のうち非課税となる部分について、以下のように伝えているからです。

給与所得を有する者で通勤するもの(以下この号において「通勤者」という。)がその通勤に必要な交通機関の利用又は交通用具の使用のために支出する費用に充てるものとして通常の給与に加算して受ける通勤手当(これに類するものを含む。)のうち、一般の通勤者につき通常必要であると認められる部分として政令で定めるもの

たとえば、毎月35万円を会社から支給されているAさんとBさんがいたとします。

二人はそれぞれ、Aさんは給与所得30万円と通勤費5万円という形で受け取り、Bさんは給与所得35万円という形で受け取っていたとします。

この場合、Aさんの通勤費5万円は、「通常の給与に加算して受ける通勤手当」とみなされます。

しかし、Bさんの通勤費が給与所得に内包されているため、たとえAさんと同じように毎月5万円を通勤費として支出していたとしても、非課税の範囲に含まれないと判断されてしまうのです。

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通勤費込みの給与を渡している場合に従業員も会社も傷まぬ方法

この場合、BさんはAさんと比較すると、損したような気持ちになるかもしれません。

雇用する側がBさんのためにやってあげられることはないでしょうか?

実は、雇用する側もBさんも財布を傷めない方法が1つあります。

それは、Bさんの給与35万円を、給与30万円と通勤費5万円の名目に分けて支給してあげることです。

雇用する側もこれまでと変わらず総額を損金として支出することができますし、Bさんは給与の名目を変えてもらうことで税金を支払う額を少なくすることができます。

車で通うパートさんを抱えている会社などでは、通勤日が不定期だったりする場合に、このような形を取ることで、お互いにウィンウィンの関係を築いている場合があります。

夫婦控除のギリギリ範囲内で働いている女性のパートさんは、特に喜んで受け入れてくれる条件です。

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