会社を設立するときの出資については、普通は個人で出資を行うことが多いですよね。ただし、既にに会社を持っている場合は、その会社から出資して新しい会社を設立することもあります。そこで本稿は、個人出資と会社出資の違い、それぞれのメリット・デメリットについて考えてみます。
会社で株を持つ場合のメリット・デメリット
会社で株を持つ場合と個人で株を持つ場合で、最も異なるのは所得の計算方法です。
配当金をもらったり、売買して利益や損失が出た場合など、会社では全て法人の利益・損失として合算されることになります。
仮に会社で多額の利益が出ているときに、出資した会社の株による損失があれば、損失の部分の税額を安くすることができますし、株の利益が出た際に会社が赤字であれば、相殺して利益に係る税額を安くすることができます。
ただし、会社が利益の時に株の利益もあるとなれば税額は増えてしまいますし、赤字の時に株の損失となると、赤字幅が大きくなってしまいます。
個人で株を持つ場合のメリット・デメリット
一方、個人の場合、配当は配当所得、株の売買は譲渡所得というように区分が異なり、他の所得と通算できる/できない、税率が異なる、損失の繰越期間、といった様々な規定・特例があるため、計算が複雑になります。
株の譲渡損益は分離課税と呼ばれる他の所得とは通算されないものなので、他の所得で利益や損失が出ていても基本的に無関係です。
しかし、税率が一定のため、特にほかで多額の利益が出ているときに、株の譲渡利益があってもトータルの税金は安くなる場合があります。
また、最近は株の配当と譲渡損失を通算できるようになったため、うまく使えば税金が戻ってくることがあります。
以上、会社で株を持つ場合と、個人で株を持つ場合には、それぞれメリット・デメリットがあります。
出資を検討するなら、よく両者のメリット・デメリットを比較し、自分の条件にあった窓口で出資するようにしましょう。