日本企業の約4社に1社は、3月末に決算を迎え、5月末までに決算申告を行います。
株主が複数いる企業の場合、決算対応はまだ続き、決算期末から3ヶ月以内に株主総会を開催し、株主を招集しなければなりません。
そこで6月末に株主総会ラッシュが起こるわけです。それでは、株主総会の会場費用、懇親会費用、手土産代は、それぞれ会議費と交際費でどう振り分ければよいでしょうか?
6月末は株主総会ラッシュ!経営者は対応にてんてこ舞い
日本企業の約4社に1社は、3月末に決算を迎え、5月末までに決算申告を行います。
ところが、経営者の期末対応は、残念ながら「ここで終了」とはなりません。
1人株主1人代表の企業経営者であれば関係ないかもしれませんが、株主が複数いる企業の場合、決算期末から3ヶ月以内に株主総会を開催し、株主を招集しなければなりません。
このような理由で、6月末になると株主総会ラッシュが始まります。
この期間は、会場を借りて株主総会を開催し、総会が終了した後に近くの料理店で懇親会を開いたり、懇親会終了時に株主へ手土産を渡し、翌期以降も株主の支援を取り付けるなど、様々な心遣いに苦心する経営者さんをお見受けします。
株主総会の会場費用・弁当代やお茶代、懇親会費用、手土産代はどう会計処理する?
さて、株主総会では前述の通り、
- 総会の会場費用・弁当代やお茶代
- 懇親会費用
- 手土産代
といった費用が発生しますが、それぞれどのような目的で使った費用として、会計処理すれば良いのでしょうか?
一概に「こうでなければならない」という判断はありませんが、税金の制限などを考えた時は、
- 総会の会場費用・弁当代やお茶代⇒会議費
- 懇親会費用⇒交際費
- 手土産代⇒交際費もしくは広告宣伝費
として振り分けることをお勧めしています。
詳細は以下のとおりです。
総会の会場費用・弁当代やお茶代⇒会議費
株主総会はビジネスに直結するイベントですから、これにかかる費用を会議費に振り分けることは妥当です。
懇親会費用⇒交際費
年に一度、出資者への感謝の意も込めて、懇親会を開催される会社もあることでしょう。
この費用は、交際費として計上することが妥当なケースが多いはずです。
というのも、株主総会後に行う懇親会は、株主への接待や慰安の意味が大きいため、会議費の1人あたり5,000円以下、という費用範囲を超えることが少なからずあります。
ならば、損金算入の範囲内で交際費に振り分けるのが望ましい判断となるでしょう。(5,000円以下なら会議費もあり)
手土産代⇒交際費もしくは広告宣伝費
ただし、菓子折り等の手土産をお渡しする代わりに、自社製品等を渡す場合は、広告宣伝費の処理が可能になります。
自社製品を使用していただくことで、会社の事業内容の説明を行っていると考えることができるからです
ただし、あまりにも高額な場合は、交際費とされる可能性があるため、注意が必要です。
多くの人が集まる株主総会は交際費の上限を意識せよ!
上記のような会計処理を行うことをお勧めしている理由は、交際費の損金算入には制限があるからです。
この枠を無駄に超えると、交際費の損金算入が認められなくなります。
普段から、会議費と交際費は上手に使い分けする必要があるのです。
以上を踏まえ、準備の整った株主総会を開催し、今期の躍進につなげる株主の前向きな協力を取り付けてください!