来年の1月からインターネット上で、クレジットカードの国税納付が出来るようになります。そこで本稿は、2016年12月現在でわかっている決め事や、メリット・デメリットをご紹介しようと思います。特に税金の一括払いに悩んでいた企業さんは要チェックです!
クレジットカードによる国税納付サービスがいよいよ来年始まる!
ついに、あらゆる種類の国税納付が、インターネットのクレジットカード支払機能を利用し、実行可能になります。※
国税庁の発表によると、クレジットカードによる国税納付サービスは、平成29年1月4日8時30分から開始予定です。
今は、まだサイト自体もスタートしておりませんが、以下のURLはお気に入り登録されることをお勧めします。
今回は、このクレジットカードによる国税納付サービスについて、現時点でわかっている決め事や、メリット・デメリットをご紹介しようと思います。
クレジットカードによる国税納付サービスの概要
以下は、現時点で国税庁が発表している、クレジットカードによる国税納付サービスの概要です。
1)いつから始まるの?
平成29年1月4日8時30分から開始予定です。
2)必要なものは何?
- 納付する税目や金額のわかるもの(確定申告書など)
- 利用するクレジットカード
- インターネットの接続可能な環境
この3点があれば、クレジットカードによる国税納付サービスを利用することが可能です。
利用できるクレジットカードは、いずれかのマークが入ったものです。
- Visa
- Mastercard
- JCB
- American Express
- Diners Club
- TS CUBIC CARD
つまり、ほぼ全てのカードを利用することが可能となります。
3)支払える税金の種類は?
支払える税金は、以下の通りです。
- ・申告所得税及び復興特別所得税
- ・消費税及び地方消費税
- ・法人税(連結納税を含む)
- ・地方法人税(連結納税を含む)
- ・相続税
- ・贈与税
- ・源泉所得税及び復興特別所得税(告知分のみ)
- ・源泉所得税(告知分のみ)
- ・申告所得税
- ・復興特別法人税(連結納税を含む)
- ・消費税
- ・酒税
- ・たばこ税
- ・たばこ税及びたばこ特別税
- ・石油税
- ・石油石炭税
- ・電源開発促進税
- ・揮発油税及び地方道路税
- ・揮発油税及び地方揮発油税
- ・石油ガス税
- ・航空機燃料税
- ・登録免許税(告知分のみ)
- ・自動車重量税(告知分のみ)
- ・印紙税
こうしてみると、個人も法人もほぼ全ての税金をクレジットカードで支払うことが可能になります。
これは楽ですね。
クレジットカードによる国税納付のメリット
次に、クレジットカードによる国税納付のメリットとデメリットを見ていきましょう。
メリット1:カードのポイントが抜群に貯まる
ポイント還元率の高いカードで、国税をまとめて支払した場合、ポイントがとにかく貯まりやすくなります。
なお、クレジットカード納付ができる金額は、1,000万円未満で、利用するクレジットカードの決済可能額以下までとなります。
メリット2:24時間・休日も納付が可能になる
サイトのメンテナンス時を除き、国税のクレジットカード納付は夜間休日を問わず、24時間いつでも利用することが可能です。
なお、24時間できるとは言っても、あくまでオンライン決済であるため、金融機関やコンビニエンスストア、税務署の窓口でクレジットカードによる国税の納付が出来ない点には注意が必要です。
メリット3:分割払いでキャッシュフローの改善効果あり
カード会社を利用することによって、一括払い・分割払い(3回、5回、6回、10回、12回)又はリボ払いで、国税を収めることが可能になります。
企業にとっては法人税や消費税、個人事業主なら申告所得税や消費税の支払いは、キャッシュを圧迫する悩みのタネですが、この制度を上手に利用すれば、キャッシュフローに大きな改善効果が生まれます。
節約したい企業や個人事業主にとっては朗報ですね。
クレジットカードによる国税納付のデメリット
デメリット1:納付手続きは取り消しが出来ない
いったん納付手続が完了すると、その納付手続の取消しができない点に注意が必要です。
誤って納付手続をしてしまった場合は、後日税務署へ連絡して、還付等の手続を行う必要があります。
「6回払いにしていたけれど、やっぱり2回払いにしたかった!」などのキャンセルが出来ないので、計画的な納付手付きをする必要があります。
デメリット2:一度に決済できるのは一種類の税金だけ
所得税や消費税など、複数の税目をまとめて納付手続することはできません。
税目ごとに納付手続をする必要がありますし、銀行引き落としのように、自動的にサイト内で税金を引き落とすことも、現時点では出来ないようです。
デメリット3:決済手数料をなぜか取られる
今回のサービスは、トヨタファイナンスとGMOペイメントゲートウェイが提携して受託するサービスで、利用者から納付の委託を受けた立替払いにより国に納付する仕組みとなっています。
このため、納付受託者が国へ納付した後、利用者から代金が支払われるまでの間、一定のタイムラグが生じるため、納付受託者は貸倒リスクを負うため、このリスクに対する負担に対して決済手数料が支払われる形となります。
一方、利用者はメリットの欄でもあげたように、納付繰り延べなどの利益を得ることが可能です。
メリットとデメリットをよく比較して利用しよう
いかがだったでしょうか
国もフィンテック政策の一環として、今回のサービスを打ち出してきたわけですが、利用する側から見ると、納付繰り延べやポイント還元は、上手に使えば節約につながります。
一方で、現時点では把握できていませんが、決済手数料が一定の金額に対して取られるため、計画的に利用しなければ、あまりオトクにならない点も注意が必要になりそうです。
詳しい、サイト内での手続きは、クレジットカード納付手続きの流れを参考にしてみてください。