スイスフラン急騰 FX取引はリスクヘッジが命

資産運用

 スイスフランの急騰によって、東欧諸国を中心とした実体経済への影響はもちろんのこと、FX投資家やFX業者では破産に陥っている人が多く出た。FX取引はレバレッジが効くために、短期間で大きな利益を得ることが可能な取引であるが、失敗した時に取り返しがつかない状況に陥ることも把握し、リスクを未然に防ぐ取引が望まれる。 

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スイスフランショックがもたらす悲劇

 先週末15日のニューヨーク外為市場で、スイス国立銀行がスイスフランの対ユーロ相場に設けていた上限を撤廃したことで、スイスフランがドルやユーロに対し急上昇した。

 東欧諸国では安定したスイスフラン建ての住宅ローンがもてはやされていたため、今回の決定は実体経済にも深刻な影響を及ぼしている。

 日本でも東欧へ進出している多国籍企業は影響を受けるだろうが、割合は低いので限定的な影響に留まるとみられる。

 今回のスイスフラン暴騰がもたらした為替ショックで大影響を受けたのは、投資家、特に外国為替証拠金取引(以下、FX)による投資を実行していた人たちだ。

 例えば個人投資家ではこんな人が掲示板に投稿している。

FXの怖さがわかるたった1枚の画像。スイス円ショート20枚で損失600万円
312: Trader@Live! 2015/01/15(木) 22:37:14.33 ID:aSHEC9wb.net

ようやく落ち着いたが未だに信じられない
車売ってアパート出てホームレスか
amazonギフト券でもなんでもいいからお金恵んでください

365: Trader@Live! 2015/01/15(木) 22:47:40.20 ID:aSHEC9wb.net

戻れるなら朝に戻って買いのボタンを押したいです。

46にして貯金0、借金だけが残りました。
薄給にはとてもじゃないけど返済できない額です。

IT速報

 中には今回のスイスフラン急騰で破産してしまったFX業者もある。

プレミアリーグ、ウエストハムユナイテッドのスポンサーである「Alpari UK」が破産手続きに入ったことを発表しました。Alpariは日本のアルパリジャパン(こちらもFX業者)の親会社。

これにより、アルパリジャパンは顧客のポジションを強制決済するとのこと。また、今後の入金及び口座開設が不可能となりました。ポジションを持つこと、すなわちトレードもできません。強制決済ですので、含み損も全て決済されます。塩漬けトレーダーにとっては致命傷になりかねない最悪の事態へと発展中なう。

アルパリジャパンは信託保全に対応しているので、出金はできるはずですが、、、、引き続き公式アナウンスを待ちましょう。

Alpariによると、破綻の原因は昨日のスイスフランによる大相場。想定を超えるボラティリティ、流動性の欠如が原因とのこと。カバーできず債務超過となり、破産申請という流れになったようです。

MT4利用のためアルパリジャパンを利用しているトレーダーも多いかと思いますので、号外としてお送りしています。

IT速報

 日本のネット証券大手マネックスグループでさえ、今回のフラン急騰で、未回収の追加証拠金を約1億6千万円抱えたことを公表している。※1

 ケツの毛まで引き抜かれるとはこのような状態を言うのかもしれない。

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FXをやるなら覚悟すべきリスクとは?

 今回のショックがなくてもFX投資で身を持ち崩した人は少なくない。

 大手商社に務める社員がFX投資の負けを取り戻すために、会社のお金を横領したというニュースが流れたり、主婦が旦那に知られないようにレバレッジを効かせて投資したが、アテがハズレて数億の借金を背負ってしまうという夕方のニュースがお茶の間をにぎわす。

 それでもFX投資に身を捧げる人が多い理由は、儲かったときに得られる資金がとてつもなく大きいからだ。

 FX投資が悪いわけではない。リスクを顧みずに自分の責任が持てる範囲外で行う取引が悪いのだ。

 為替取引には極端に言うと以下のようなリスクがある。
1)元本保証が一切なく、信用でストップロスを入れないと、損失が無限の借金になり続ける。
2)FX業者が破産した場合は強制決済があり、ポジションに関係なく自動的に強制決済がある。
3)FXで背負った借金は免責不許可事項にあたり、自己破産するのが極めて難しい。

 特に3)については、破産法252条1項の免責不許可事由に「浪費又は賭博その他の射幸行為をしたことによって著しく財産を減少させ,又は過大な債務を負担したこと」とあり、FX取引はまさにそれにあたる。

 FX取引で手に追い切れない失敗をした時は、再出発することすら困難になるリスクをきちんと踏まえて投資しよう。

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身を持ち崩さないFX投資を行う方法とは?

 ではリスクを抑えたFX投資はどのように行えばよいのだろうか?以下2つをしっかりと抑えておきたい。

1)レバレッジをかけすぎず、ストップロスも必ずかける

 自己資金(証拠金)に対して、数十倍、数百倍のレバレッジ(信用取引)をかけられるのが、信用取引の特徴だ。レバレッジをきかせたお金は借金であることを自覚しよう。また損失が膨らんだ時に、貯金で補えるところで必ずストップロスをかけよう。

2)信託保全されている取引業者を必ず選び、しかも分散する

 2010年から、FX業者は顧客資産と自社資産を分別した上で、第三者の信託銀行などに保管することを義務付けられた。必ず『信託保全』を行っている業者のみで取引しよう。また取引はオンラインで行うことがほとんどのため、取引ツールが一社しかないと、システム障害が起こった場合に、損失が勝手に膨らむ可能性もある。必ず取引業者は4〜5口座くらいに分散して取引しよう。

 リスクがあるからこそ、リターンもあるのだが、未然にわかっているリスクヘッジは必ず行い適正な投資を心がけよう。

※1 日本経済新聞 1月19日 記事
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGD19H1V_Z10C15A1EAF000/

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