6月3日金曜日、ボクシングの元ヘビー級王者のモハメド・アリさんが、74歳で亡くなりました。一見華やかに見えるその人生は、苦闘の連続でもありました。本稿では、経営者の心を奮い立たせるモハメド・アリの言葉」と題して、経営者の心に勇気を与えるアリの名言を5つご紹介したいと思います。
モハメド・アリが死去 その栄光と苦闘の人生
6月3日金曜日、ボクシングの元ヘビー級王者のモハメド・アリ(本名はカシアス・クレイ、以下:アリ)さんが、74歳で亡くなりました。
死因は敗血症ショックでした。
その活躍は、12歳でボクシングを始めた後は、ローマ五輪で優勝を飾り、ヘビー級王者に3度君臨し、プロ通算成績は56勝5敗という鮮烈なものでした。
一方で、一見華やかに見えるアリの人生は、どんなに勝っても黒人として差別され続け、ベトナム戦争では兵役を拒否して王者の資格を剥奪され、晩年にはパーキンソン病とも戦うなど、苦闘の連続でもありました。
「蝶のように舞い、蜂のように刺す」
あまりにも有名な自らのプレースタイルを表す言葉の影で、人知れず戦うための努力を重ね続けた姿に、多くの人が尊敬の念を抱いたことでしょう。
そこで今日は、「経営者の心を奮い立たせるモハメド・アリの言葉」と題して、アリの名言をご紹介したいと思います。
経営者を奮い立たせるアリが発した5つの名言
リスクを取る勇気がなければ、何も達成することがない人生になる
経営とはリスクを取る決断の連続であり、経営者である限り、リスクと向き合うのは宿命です。
多くの人がリスクを恐れる一方で、経営者は転ばぬ範囲で、「失敗・挫折・知らないことへの挑戦」を「良い経験」として捉えた上で、これらを重ね続けなければ、自らの目的を達成することができません。
ちなみに、シリコンバレーの合言葉は「早く失敗して倒れろ。ただし前向きにだ。」ですが、まさにアリの言葉を踏襲したかのようなもの。
アリは、リスクとリターンの関係を、戦いの中で如実に理解していたのでしょう。
あまりにも順調に勝ちすぎているボクサーは実は弱い
常に勝ち続ける(業績を伸ばし続ける)企業は、この世の中に存在しません。
多くの挫折や失敗を経て、鍛錬され、変わることによって、企業は強くなっていきます。
負けることの意義を、アリが知っていたことは、非常に興味深いのではないでしょうか。
転じて、企業が負ける(凋落する)パターンは業種業態関わらず、大体決まっていることから、守りの分野が如何に重要かを諭してくれる名言でもあります。
意志の力はどんな技術よりも更なる強さを与えてくれる
自社の有する優れた技術や、営業力を最大限活かしたマネジメントを行う上で、必要不可欠なものがあります。
それは、将来自分達がこうなりたいと願う「志」です。
どんなに技術が優れていたとしても、それを扱う人間の志が弱ければ、企業はたちまち失速してしまいます。
世界王者に君臨したモハメド・アリに言われると、説得力が増しますよね。
想像力のない奴に翼は持てない
商売は基本的に、人が求めるものや、助けてほしいことを想像し、具体的な解決策や、サービスを提案することから生まれます。
他人に対してはもちろん、遠い未来に対して、「自分は何をしたら良いのか」想像力を働かせられなければ、企業が羽ばたくことはできません。
人生はボクシングと似ている。問題は倒れることではなく、倒れたときに立ち上がろうとしないことだ
企業では失敗は全て、最終的に経営者の責任となります。
そして、失敗した時に自己憐憫に陥ったところで、慰めとなることは一つもありません。
経営者は、失敗を恐れるよりも失敗した後に立ち上がり、再度戦いを挑む時にその真価が問われます。
立ち上がることが一見不可能に見えても、立ち上がろうとする時に、往々にしてチャンスは舞い込んでくるものです。
経営者もアリ同様ファイターとして戦い続ける
アリが抱いた、世界王者であり続けることの孤独と不安は、並大抵のプレッシャーではなかったことでしょう。
しかし、アリの言葉は、孤独と向き合う覚悟と、自分を強く信じ未来へ進む力に溢れています。
戦うフィールドは違えど、経営者も自分のフィールドで日々戦いを続けるファイターです。
実践を重ねて生み出された彼の言葉から、私達は多くのエネルギーを得ることができます。
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