「消耗品はいつか使えるから」「大量購入したほうが安くなるから」といった理由で、消耗品や備品を買い込むことは、必ずしも賢明とは言えません。なぜなら、消耗・備品費が経費と認められるのは「消耗品を使った際」だからです。大雑把な経費算入は税務調査でも引っかかりやすいので、注意しましょう。
消耗・備品の大量購入は賢くない選択の場合も
「消耗品はいつか使えるから」「大量購入したほうが安くなるから」といった理由で、消耗品や備品を買い込んでいませんか?
実はこれ、コスト削減となるように見えて、賢い選択と言えない場合があります。
本稿では、消耗・備品費の購入について、押さえておくべきポイントを紹介しましょう。
消耗・備品費は使った時点で経費に計上できる
消耗・備品費の代表的なものを上げると、事務用消耗品や包装資材、作業デスクなどが当てはまりますが、このような消耗・備品費は経費になります。
経費になるということは、節税対策に利用できるということです。
とはいえ、消耗・備品費が経費になるのは「消耗品を使った際」です。
そのため、節税対策として大量に買い込んでも期末までに使わなければ、経費として計上することはできません。
この点は経理に慣れていないと誤解しやすいところですから注意しましょう。
このように、使用していない消耗備品にかかる費用は、原則として一気に経費に計上できないのですが、実は条件を満たせば経費として計上できる抜け道があります。
その条件は、
- 「毎年消費するものである」
- 「一定数量以上購入していること」
- 「継続して経費として計上されていること」
の3つです。
この条件を満たせば、消耗備品を使用していなくても、これにかかる費用を経費として計上できるようになります。
消耗・備品費は税務調査で厳しいチェック対象
最後に、消耗・備品費の経費計上で忘れてはいけないのが、税務調査のことです。
消耗・備品費は脱税の隠れ蓑になることも多く、税務署も税務調査の際はしっかりとチェックしてきます。
そのため、余計な疑いを抱かせないためにも、しっかりと消耗・備品費は裏付けとして、実態のある帳簿付けをしておきましょう。