期末の最後に行えるダイナミックな節税対策「決算期の変更」

節税

 予想外の大きな収益が期末に出てしまう会社は、意外に少なくありません。細々としたキャッシュアウトを伴う節税対策は、節税に囚われた経営方針を経営者に植え付けがちなものとなるため、なるべくであれば更にダイナミックで効果的な対策を取りたいものです。そんな時に利用できるのが、「決算期の変更」という対策です。注意点と共に節税のプロが解説してくれました。

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予想外な収益が期末に入り納税額が一気にUP!

  期末に大きな売上が生じてしまった! 完全に想定外!

 今期も順調で当初の予想通り…のはずが、景気に左右されて、何と大きな売上が今期の末になってしまう。

 そんな事が、会社様では往々にしてあったりします。

 そうすると、大体納税額が本来の法人税の中小の軽減税率の対象となる、所得の800万円を上回ってしまったり。

 もちろん、この場合税率は、15%から一気に23.9%になってしまいます。(平成27年4月~現在)

 時には800万円超となる所得の方が多くて、せっかくの利益がかなり納税で持っていかれてしまいます…

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キャッシュアウトの伴う節税対策には欠点も

 大きな利益が出てしまった時に使われる節税対策として、

  • 賞与で人件費を多めに出す
  • 節税用の保険に入る

 など、幾つか節税対策はあります。

 しかしながら、そのような策にも限界があります。

 先に上げた2つの節税策は、結局のところキャッシュアウトを伴うものですし、下手に使い過ぎても、翌期以降に資金繰りで苦しむことに繋がりかねません。

 私が常々申していますように、税金だけにフォーカスされた経営は、大変危険なものです。

 何かキャッシュアウトを伴わない節税対策は無いものでしょうか?

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大胆な期末の節税対策「決算期を変更する」

 そこで今回登場するのが「決算期の変更」という節税対策で、利益が大きく出そうな期間を、次の期間にズラしてしまうというものです。

 ですから、その期間は一年未満の会計期間(税法は事業年度)となります。

 残念ながら、個人(事業主)さんの場合は、暦年(1/1~12/31)に決まっていますので無理な技です。

 この節税対策を行う場合は、

  • 短期間に2度の決算を行う必要がある
  • 税務署(地方含む)に届出が必要である
  • 新たに定款を変更する必要がある

 という辺のコスト加算は、予め予定しておく必要があります。

 確かにコストは掛かるのですが、私が見てきた会社では、決算月に売上が1億計上されることになってしまい、そんな事になったらとても納税できない状態で決算期変更を行った結果、試算すると相当な税額圧縮となった事例も目の当たりにしています。

 大きな納税が一年先送りされるので、良好なキャッシュフローを維持する観点からも、有効に使える技だったりします。

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外部に決算書を見せる場合は実行前に熟考を!

 最後に注意点ですが、決算期を変更する際の注意点についても触れてみたいと思います。

 まず、頻繁に外部に決算書を見せる必要がある場合、この対策を取るか否かは熟考の上で決断する必要があるでしょう。

 一番に考えられるのは対「銀行」です。

 利益操作で決算期を変更すると、心象が悪くなる場合があるということです。

 設立当初は思い立った日に、何となく開業日としたという会社様も多いはず。

 事業モデル的に決算月が近くなる時に、売上のピークを迎えるような場合には、決算期を変更し、年度始めにピークとなる方が決算対策も立てやすいので、決算期の変更を考慮されてはいかがでしょうか?

 そのような大義があれば、決算期変更も理に適っていると思われます。

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高橋輝雄

1982年 埼玉県の草加市にて生を受ける。
埼玉県立春日部高校、明治大学商学部を経て、某システムインテグレータ企業へ就職。
システム開発やシステム導入、インフラ構築に携わる。

「より直接的にお客様たちの喜ぶ姿を見るために尽力したい」

という思いから尊敬する父と同じ税理士業界へ飛び込むことを決意する。
東京日本橋の会計事務所にて税務・コンサルティングを担当し、独立に至る。

大学院にて会計・税務並びにMBAを学び、ファイナンシャルプランナーを取得。
近年の相続税改正に伴い、個人の相談業務にも力を入れている。

好きなスポーツはバスケットボール、野球、サッカー。

自身のスポーツ経験は、空手(静岡ジュニア大会 2年連続優勝)、走り高跳(春日部市内陸上大会優勝)、バスケット9年、軟式野球2年、サッカー(フットサル)3年、テニス、水泳など、大のスポーツ好きです。

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