期末節税で購入する「少額な備品」は買い方と使い方にご注意を

節税
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利益が出て取られる前に少額備品を経費にする

「しゃちょーーっ!利益が出すぎて、今期は税金をがっぽり取られちゃいまーす!」

誰しもが聞いてみたい嬉しい悲鳴ですね。

実際にこの記事を読まれる社長さんの中には、経理や税理士から、このようなことを言われている最中の方もいらっしゃることでしょう。

決算間際にかなり利益が出ていることがわかった場合、そこから短期間で節税対策を取る必要があります。

そんな時に有効な「備品を経費にする方法(特例)」と、実行する際に注意したい点について、本日は簡単に解説していきたいと思います。

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備品全額を単年の経費にする方法は3種類ある

通常は備品を購入すると、30万円以上(税抜経理の場合は税抜きで30万円以上)のものについて、減価償却の対象となり、単年で一度に経費とはなりません。

これは法人も個人も同様です。

そこで、どのような場合に、備品を償却できるか見ていきましょう。

1)取得価額が10万円未満or使用可能期間が1年未満の減価償却資産

こちらは経費として処理することで、税務上も費用計上可能です。

経費計上とは、「器具備品」のような資産ではなく、「消耗品費」などのような科目で損益に計上することを言います。

細々とした備品を決算前に購入する費用は、こちらの特例を活用して節税に充てられます。

2)一括償却資産

取得価額が20万円未満の減価償却資産については、その全部又は一部の合計額をまとめて一括し、これを3年間で償却する一括償却資産の損金算入の規定を選択することができます。

3)中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例

「の」が続くややこしい特例ですね(笑)

簡単に説明すると、この特例を利用すれば、中小企業者等が、取得価額が30万円未満である減価償却資産を購入して使った場合には、使い始めた年や事業年度に経費処理することで費用にできます。

ちなみにこちらの特例は、青色申告している方のみが使用可能です。

「中小企業者等」とは、資本金の額又は出資金の額が1億円以下の法人で、更にバックに大法人がいないことなどの条件もあります。

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購入しても使用しなければ税務調査で否認も

決算が近づいてくると、上記のように少額の資産を購入したりすることがあります。

しかし、税務調査を見据えるならば、下記の点に注意が必要です。

  • その年や事業年度に使っている(使用し始めている)か?
  • 期末にその資産が残っていないか?

時々見受けられるのですが、購入したは良いものの、実際使用していなかったりする事があります。

また、レターパックなどを急いで大量購入しても、期末に残っていては「貯蔵品」です。

税務上は翌期以降の費用とされて、経費算入を否認される可能性があることに注意が必要です。

意外に少額資産を費用にする方法を知っていても、ここが盲点だったりします。

大体帳簿を見れば、期末に残っているかどうかは金額で分かりますが、これらは「否認して下さい」と言わんばかりですので気を付けて下さい。

事業をする個人≠プライベートの個人〜個人事業主の悩ましい確定申告
個人事業主という、サラリーマンでもなく会社の社長でもない立場。確定申告を行う時に、多くの個人事業主は「事業をする自営の個人」と「プライベートの個人」の境目で、費用の計算に苦労します。全額を費用計上すれば否認され、費用を過少申告すれば税金が増えてしまいます。これを防ぐために重要なのが経費按分の概念です。
節税税務調査
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高橋輝雄

1982年 埼玉県の草加市にて生を受ける。
埼玉県立春日部高校、明治大学商学部を経て、某システムインテグレータ企業へ就職。
システム開発やシステム導入、インフラ構築に携わる。

「より直接的にお客様たちの喜ぶ姿を見るために尽力したい」

という思いから尊敬する父と同じ税理士業界へ飛び込むことを決意する。
東京日本橋の会計事務所にて税務・コンサルティングを担当し、独立に至る。

大学院にて会計・税務並びにMBAを学び、ファイナンシャルプランナーを取得。
近年の相続税改正に伴い、個人の相談業務にも力を入れている。

好きなスポーツはバスケットボール、野球、サッカー。

自身のスポーツ経験は、空手(静岡ジュニア大会 2年連続優勝)、走り高跳(春日部市内陸上大会優勝)、バスケット9年、軟式野球2年、サッカー(フットサル)3年、テニス、水泳など、大のスポーツ好きです。

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