経営者にとって夢の車と言えば、フェラーリにベンツなどのように海外のおしゃれな高級車です。特に中古車になると高級車は、減価償却年数も比較的短いため、節税目的でこれらの車を購入しようとする経営者は多く存在します。節税効果があるからと、単純な理由で高級車を購入することで、会社のキャッシュフローは悪くなりがちなのです。
中古車ベンツ4年落ち節税のカラクリを説明
経営者の方々にとって、とても有名な節税方法として、「4年落ちのベンツを購入する」というものがあります。
少し調べた方ならご存知の方も多いのではないでしょうか。
新車は減価償却という処理を経て費用となりますので、購入時に一括で経費にはできません。
これはだいたいの判断となりますが、車の減価償却は、
- 1年落ちの中古車→5年償却
- 2年落ちの中古車→4年償却
- 3年落ちの中古車→3年償却
- 4年落ちの中古車→2年償却
- 5年落ちの中古車→2年償却
- 6年落ちの中古車→2年償却
という形で判断が行われます。
例えば、1,000万円のベンツがあったとして、新車で購入した場合は5年で減価償却するケースが多いため、車を使って1年間で節税できるのは200万円までです。
一方で、4年落ちのベンツを500万円で購入した場合ですと、2年間で減価償却できるので、車を使って1年間で250万円節税できます。
このように、中古車は新車に比べて、ほぼ全額が購入時の経費にできるというカラクリで、節税効果も大きくなるのです。(少し乱暴な説明ですが、ご容赦を)
中古車ベンツ節税を実行したほうがよいケース
「中古のベンツは節税効果大きいんだ!(喜)ならば中古で4年落ちなら、ベンツのSクラス買っても良いよね!」という経営者の方は、非常に多いです。
従って、本日はこの点について私見を述べたいと思います。
この質問を受けて私がいつも申し上げるのが、「そのクラスの高級車が本当に必要なのですか?」ということです。
- ・お客様を乗せる
- ・お客様に車を見られる機会がある
その他諸々の理由で、“ある程度の車を会社で所有する必要性がある”のであれば、この方法を採用するのも一つの手でしょう。
ただし、もしもこうする必要がないのであれば、中古ベンツ節税は止めておいたほうが良いです。
理由は簡単。上記の理由以外で、高級車を購入すれば会社のキャッシュフローは圧迫されるだけですから。
ただ、車は「嗜好品としての側面」があるので、この問題は経済合理性だけで片付きません。
特に男性は何かしらの嗜好品によりモチベーションを維持しているケースが多いですよね。車に限らず、時計なども該当するでしょうか。
いつか、この車に乗るために頑張ってきたんだ!という想いは、私も否定しがたいところです。
このようなケースなら、中古の高級車を検討するのは一つの選択肢です。
高級車は節税するため無理やり買う物ではない
最後になりますが、高級車を買うことを検討する際に考えたいことのおさらいです。
- ①ビジネスでの必要性やモチベーションのために高級車を購入したい
- ②新車にするか中古にするかの検討
得られる効果に大きく乖離する費用の支出を平気で認める人には、経営者としての疑問符がつきます。
高級車は節税するために、無理やり買うものではないということです。あまり高額過ぎますと、法人での所有を否定されることもありますのでご注意を。