企業にとって商品配送コストの削減は利益を左右する大きな命題の一つである。今年に入りヤマト運輸や佐川急便が相次いで配送費の値上げを行ったため、利益を押し下げられているケースも多い。配送コストを下げるためにどんな対策が打てるか具体的対策方法を3つ提示する。原油価格が値下がりした今がチャンスだ。
業界に激震走る 14年は配送コスト上昇の年
企業にとって商品配送コストの削減は、利益を左右する大きな命題である。
商品の販売担当者であれば、どれだけ輸送コストを下げられるかということを皆考えているはずだ。
今年ヤマト運輸、佐川宅急便は、共に配送費の一斉値上げに入った。
20%から30%程度の値上げ、場合によっては正規運賃とほぼ変わらない額へ、配送費の値上げを迫られた会社も多いことであろ。
特にヤマト運輸は冷凍便を常温取り扱いしていたクール便温度管理不備が表沙汰となり、自らが謳っている品質を維持するためには値上げせざるを得ないと判断、大幅な値上げを一方的な通達で行った。
「条件を受けないならあなたの会社と契約を切っても良い」という強気な姿勢は、寡占企業かつ優れたビジネスモデルを持っている企業ならではの強みであるが、今までヤマト頼みになっていた企業にとってはたまったものではない。
今年の値上げで特に割を食っているのは
- 1)ECサイトで「送料無料」「即日配達」「冷凍便」を謳っている企業
- 2)容積の大きな荷物を小ロットで取り扱っている企業
- 3)地方(特に沖縄や北海道など遠隔地)にある企業
である。
タダで手をこまねいているわけには行かない。どのように配送コストを下げられるか、以下ハックを共有する。
配送コスト削減ハック 3選
1)JPや西濃運輸その他亜流配送会社を利用する
商品を運ぶのはヤマトや佐川だけではない。JPや西濃運輸を利用することで、コストをヤマトや佐川の半分に圧縮することが可能だ。特に容積の大きな商品を小ロットで運ぶ場合、JPや西濃運輸の使用が特に効果テキメンとなる。JP、西濃運輸はBtoBがもともとメインの領域であるため、大きな荷物に比較的寛容な料金体系を組んでくれている。
2)首都圏に物流拠点を作り商品管理を委託する
ECサイトを運営している場合や僻地、首都圏の物流センターに自社の品物を保管し、商品管理から配送まで委託することがお得になる。日本の人口は40%が首都圏に集中しており、70%が三大都市圏に集中して住んでいる。首都圏物流センターからは、関東から関西までそれほど変わらない配送費条件で商品を供給することが可能だ。また物流センターが独自に輸送会社と契約を結んでいる場合は低コスト運賃を紐付けしてもらい、配送コスト自体を更に圧縮することもできる。
3)サイズ指定の特約付き契約形態を締結する
発送が集中する商品がわかっているならば、サイズ指定の特約付き契約を各運輸会社と交わすこともできる。予め数量予測がついているならば、規模の経済性を活かしてコストダウンを依頼しても比較的容易に運輸会社が折れてくれる可能性が高い。
原油価格が下落 コストダウンのチャンス
原油価格が下落したことで、油代がうんぬんという言い訳が通用しない今が、配送コストを下げるタイミングである。
自社の物流を見なおし、少しでも会社から出るお金を少なくするようにしたい。