悪役ユーチューバーとして有名なシバターさんが、2期目の会社について売上4,000万円程度の会社で、法人税を7〜800万円支払ったことについて、「税理士のミス」「節税対策が無策」というアンチコメントがあがっています。対して、キミアキ先生はこれを、「手元キャッシュ+信用」を得るうえで、1番安上がりな判断だと賞賛します。そのワケを解説してもらいました。
ユーチューバー界のヒール役で頂点に立つ男、その名は「シバター」
ユーチューバーと言われる人達もすっかり認知されるようになりました!
私も弱小ですが、いつも頑張らせていただいております。どうもありがとうございます!
さて、ユーチューバーの有名どころだと、やっぱりヒカキンさんとか、あとは、はじめしゃちょーさんとかね、これらの方は皆さんも名前をご存知なのではないでしょうか?
この、ユーチューバーと呼ばれる人の中でも、一際異彩を放つ人物がいまして、「シバターさん」という方です。
ユーチューバー界にヒール役の頂点として君臨される方で、「シバタ〜でぇ〜す♪」っていう挨拶のあの方です(笑)。
シバターさん、きっちり儲けて税金をガッツリ支払う。
それで、シバターさんの動画を見てみましたら、シバターさんは2年前に会社を設立されまして、どうも4月末決算で6月末申告とのこと。
大体、決算後は2ヶ月で申告期限ですから。
シバターさんの会社は、年間の売り上げが4,000万円くらいで、法人税等が700万から800万円くらいかかることになった〜!っていう話だったんですよ。
でね〜、シバターさんは儲かっているんだけれど、まともに税金対策してないんですよ。
他のユーチューバーは成金趣味の時計とか、「動画で使えるから」ってことで経費で買ってるけれど、そういうことも興味無いからしていないと。
つーか、節税対策なんか知らねーし!とりあえず税金払うわ(怒)と、そうおっしゃるわけです。
それで、この動画に対するコメント欄を見てみると、「ちゃんと節税対策しろよ!」「シバター自身が節税対策をミスってんじゃなくて税理士選びをミスっているだけの話w」ってね、そういう反応が大多数なわけです。
こういうコメントを見て、一般の方の考えって面白いなぁと思うのは、やっぱり情報弱者ってこんなにいるんだ!ってことです。
今回、シバターさんがですね、変な節税をせずに、そのまま税金を納めたっていうのは、多分1番安上がりな判断だったと思います。
そのくらい手元にお金が残る判断です。
シバターさんの納税に対して、「節税対策しろ」という情弱民の思考回路
シバターさんの話を聞くと、どうも大体3割くらい、利益に対して3分の1ぐらいの税金を払うと。
仮に3割払うとしましょう。
でね、皆さんに質問なんですが、
「皆さんは3,000円の現金を買うのに10,000円の現金を払いますか?」
もう1回言いますよ。
「皆さんは3,000円の現金を買うのに10,000円の現金を払いますか?」
おかしな話ですよね?
ところが多くの人が「節税のために経費を使うべきだ」って。
多くの人が3,000円の現金を買うのに、10,000円の現金払ってるよねって話なんです。
私は平成になる1年前の昭和63年に初めて会計事務所に入ってですね、世の中の人ってこんなに頭が悪いことをなぜやるのか?って思ってました。
だって、現金がより多く出て行くのに、「節税のために経費をどんどん使うんだ!」って。
…そんなバカでしょ!(笑)。
そういうことも気づかないのが情報弱者であり、愚民の愚民たる所以だと、そういうことなんです。
シバターさんが会社で支出した経費額は合理的
シバターさんの会社を推測させてもらいますと、シバターさん、売上が4,000万円とおっしゃってましたが、原価がかからない商売ですので、粗利益が4,000万円と仮定します。
あの手の商売は、実際の経費ってかかって3割なんです。
そうすると、経費は幾らかかっても1,200万円。
ところがシバターさんは経費は2,000万円かかったとおっしゃってましたので、あとの800万円はきっと税理士さんがきっと乗せたな…と推測します。
先程も言いましたけれど、シバターさんの動画には、「税理士変えろ〜」とか「税理士の腕悪くない?」とかいうコメントが付いていましたが、全然違いますって。
本当に違う。
この乗せ経費を大体で推測すると、シバターさんの会社は2年目ということで、セーフティー共済をどう使ったか、最低でも年間240万円の税金がかからない貯金をやっているはずです。
それからあとはシバターさんの役員報酬。
会社から支払われる給与の名目ですけれど、シバターさんは奥さんがいなくて、それからお子さんもいないと仮定すると、ん〜…腕の良い税理士先生だと、たぶん月額40万円くらいで止めてしまうはずです。
もちろん社会保険入っているのか、厚生年金の加入状況がどうなのかは分からないですが、あまり支払わないはずです。
出来れば法人の方の税金で払いたいと思うはずですので、月40万円として年間480万円。
先程のセーフティー共済の240万円と、この役員報酬の480万円を足すとざっくりで720万円。
あと乗せることが出来るとすれば、家族の中でどこからもお給料もらってない人。
年金生活者は良いですけど、そういう人が家族の中にいれば、まぁ70万円からもうちょっと経費を乗せたかもしれないな〜という推測です。
こんな形で、ざっくり800万円は税理士さんが乗せたかもしれないな〜という推測です。
シバターさんの納税額が7〜800万円になった理由(推測)
法人の所得、税金がかかる前の所得が2,000万円として、これに対して税金がかかってくるんですが、法人というのは800万円までの利益は中小法人っていうのは税率が低くて、800万円の利益だったら、200万円の税金なんです。
ですから、税理士はここは絶対払わせるはずなんです。
それでもまだ潰れませんから、もしかしたらこんなに会社の利益が出るとは当初予測していなくて、本来であればシバターさん個人が青色申告で申告すれば、青色申告控除というものが受けられたかもしれないものが、たまたま法人の売上に入ってしまったということも考えられるんですよ。
そうすると、やっぱり所得が大き過ぎるのでガリガリっと削る。
まずは法人所得800万円+個人青色100万円=900万円を超えた部分の1,100万円部分が大体35%の税金です。
385万円ですね。
あとは法人所得800万円にかかる税金が200万円なので、これで585万円。
それに法人の均等割というのがかかりますので、ざっくり600万円。
ざっくり600万円なら分かるんですが、シバターさんは700万円〜800万円の間っておっしゃっていましたから、多分この個人に振った100万円が無いんじゃないかと推測します。
そして尚且つ、シバターさんが個人で払う源泉所得税というのがあるんですが、それが7月10日なんです。
だから6月末の法人の支払いと近いので、税理士さんが同じ時期として報告したのかもしれないな〜って話です。
「節税保険に入っておけば良かったんだ!」って本当?
決算が4月の末だったので、決算対策4月末までにシバターさんに現金があったということで、じゃあこれがね、節税保険に入っていたらどうなっていたか?
今年の4月から節税保険が非常に売れているということで、「入っておけよ!」と。じゃあ、その指摘は的を得ているんでしょうか?
シバターさんの年齢からすると、まぁ節税保険に入れはすると思います。
そうすると一時金で、多分1,100万円か1,200万円払うんですよ。
さて、その時の、要するに「キャッシュはどっちが無くなるか」なんですよ。
節税をしないで普通に税金を払うとすると、元々2000万円のうちの700万円で済んだっていう話なんです。
税金だけだったら、出て行くお金は700万円なんですね。
では仮に、1,100万円の節税保険に入ったとすると、1,100万円+法人所得800万円に対する税金200万円=1,300万円のお金が出て行くんですよ。
「節税出来て良かった!500万円くらい節税できた ♪」って思っても、お金はより多く出て行ってる。
尚且つ、節税保険っていうのは、課税の繰り延べで後でちゃんと払わなきゃいけないんです。
要するに「今年は払わなくても良いよ」っていうだけ。
節税保険っていうのは、やり過ぎるのは良くない。資金繰り悪くなるし。
そういうことを世の中のほとんどの人が知らないんですよ。ただ知らないだけ。
だから、知らない難しい制度の中で必ず情報弱者は騙されるんです。
シバターさんは今回、2,000万円という沢山の法人所得によって、たくさんの税金を納めた「少数派」です。
ですから、銀行でお金を借りて、大好きな収益物件や不動産を買おうと思ったら、すぐに融資がおります。
それくらいの信用を得たということ。
これも結果として良かったのではないかと思います。