脱税をした場合は、罰金以外にも重いペナルティが課せられます。それは、追徴課税です。たとえ罰金を支払ったとしても、税金を支払ったことにはなりませんので、支払わなかった分のペナルティを加えられた額の課税額を、脱税した会社は支払う必要にさらされます。平成28年度には更に制度が厳格化しており、まさに「脱税はオワコン状態」と言えるでしょう。
脱税は刑罰として扱われる非常に重い罪である
法人税法第159条には「偽りその他、不正の行為により法人税を免れ、違反行為をした者は、10年以下の懲役、若しくは1000万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。」とあります。
要するに、脱税行為により法人税をごまかそうとした人には、懲役10年以下または罰金1000万円以下という処罰が下り、違法性がことさら強いときには両方が課せられるため、非常に重い刑罰だと一目瞭然でわかります。
今まで処罰された事例に共通しているのは、税務署への申告を「故意に少なく見積もる・ごまかす」ことです。
利益の申告をしなかったり、経費を増やして計上する行為がそれに当たります。
でも、「大抵の場合は懲役を免れるし、1000万円くらいの罰金だけで済むのであれば、悪いと思っていても脱税した方がいいかもしれない。」と考える方もいらっしゃるかもしれません。
しかしながら、それは大きな間違いなのです。
なぜかというと、脱税をした場合は、罰金以外にも重いペナルティが課せられるからです。
追徴課税3兄弟をおさらい。重加算税きつい!
実は、脱税に対するペナルティは、罰金(懲役)だけでは終わらず、追徴課税という制度に及びます。
たとえ罰金を支払ったとしても、税金を支払ったことにはなりませんので、支払わなかった分のペナルティを加えられた額の課税が行われてしまうのです。
追徴課税は大きく分けて三種類ありますが、それぞれ不足分の申請をいつするのかを基準にして定められています。
・過少申告加算税
- 税務調査を受ける前に自主的に申告した場合
- 期限内に申告した場合
に適用される追徴課税が過少申告加算税です。
前者であれば加算税はなく、後者であれば10%の税率が加算されます。
・無申告加算税
- 税務調査を受ける前に自主的に期限後申告を提出した場合
- 期限後申告を提出した場合
に適用されるのが、無申告加算税です。
前者であれば5%、後者であれば15%の税率で、追加課税が加算されることになります。
・重加算税
仮装隠ぺいしている事実があった場合に、課税される加算税が重加算税です。
これは完璧に、そして意図的に、脱税を隠し通そうとしていた場合に課される加算税です。
期限内申告の場合は増加の本税に対し35%の税率で、期限後申告の場合は増加の本税に対し40%の税率で、追加課税されることになります。
平成28年度の改正で追徴課税は更に厳格化へ
このように、脱税がバレると「刑事罰」の対象になった上に、ペナルティの追徴課税を食らうことになります。
平成28年には追徴課税について改正が行われ、
- 過去5年内に、無申告加算税(更正・決定予知によるものに限る。)又は重加算税を課されたことがあるときは、10%加算
- 調査通知以後、更正・決定予知前にされた修正申告に基づく過少申告加算税の割合は5%(※部分は10%)、期限後申告等に基づく無申告加算税の割合は10%(50万円超の部分は15%)
という具合に、罰則が重くなりました。
脱税は、リスクがとてつもなく大きい行為です。ぜひ適正な範囲の節税を行って、健全な節約を心がけましょう。