節約 社長
米津晋次
米津晋次税理士(名古屋市緑区)

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税金の時効をまとめてみた 脱税はこんなにも難しいのだ

税金の時効をまとめてみた 脱税はこんなにも難しいのだ
 法人であれば法人税や消費税の支払い、個人でも所得税や住民税の支払いをすると「なんで一生懸命に働いたのにこんなに国は持っていくの」と、うなだれたくなる時があります。納税が嫌な人の一部は「税金も支払わなければ時効がやってきて免税されるのでは?」という考えを持たれる場合もあるようです。確かに税金には時効が設定されていますが、実際に時効を待つのは得策なのか?プロが解説してくださいます。

税金を支払わずに時効を待つことはできるか?

 法人であれば法人税や消費税の支払い、個人でも所得税や住民税の支払いをすると「なんで一生懸命に働いたのにこんなに国は持っていくの」と、うなだれたくなる時があります。

 理不尽な税金の支払額を少なくするために、読者の皆様も様々な節税対策を講じているはずです。

 中にはびっくり仰天、「税金も支払わなければ時効がやってきて免税されるのでは?」という考えを持たれる方もいらっしゃるようです。

 そこで本日は、そもそも税金には時効があるのか?税金の支払いをしないとどんなことが起こりうるか?という点についてお話したいと思います。

税金には3・5・7年の時効制度が存在する

 まず、税金に時効はあるか否かという点ですが、税金にも時効があります。

 税務署等から一定期間税金の請求をされなければ、なんと納税義務は消滅するのです。

 国税(国に納める税金)の時効までの期間についてお答えすると、一律に何年ということではなく、状況によって3年・5年(贈与税は6年)・7年の3つの場合に分けられます。

 期間ごとの状況を以下説明いたします。

1)3年の時効

 税金の申告書を申告期限内に提出した場合の時効までの期間は、原則申告期限の翌日から3年です。(国税通則法70条)例えば、平成27年に贈与を受けた場合の贈与税の申告期限は平成27年3月15日です。したがって、その翌日から3年後の平成31年3月15日で時効となります。ただし、脱税の意思があった場合には、その限りではありません。(「7年の時効」参照)

2)5年(贈与税は6年)の時効

 申告期限内に申告書の提出をしていない場合は、原則申告期限の翌日から5年で時効となります。(国税通則法70条)ただし例外があります。もし脱税の意思があった場合は、7年になります。(「7年の時効」参照)また、脱税の意思がなくても、平成16年以降の贈与税については、時効までの期間が6年とほかの国税よりも1年長くなっています。(相続税法36条)

3)7年の時効

 偽りまたは不正の行為のある場合、いわゆる「脱税」に該当する場合の時効はさらに長く、申告期限の翌日から7年となっています。(国税通則法70条)

(4)刑事告発される場合の時効

 上記1)から3)は税金の時効です。脱税額等によっては、国税犯則取締法により刑罰が科せられることがあります。この刑事告発されるまでの時効(「公訴時効」といいます。)は、5年となっています。

時効までの期間が経過しても督促状でリセット

 次に税金の時効がリセットされることはないか?という疑問点についてご説明しまよう。

 時効までの期間が3年・5年・7年いずれの場合も、途中で督促状を送ったり、差し押さえを行えば、時効のカウントはリセットされて(「時効の中断」といいます。)、督促状の送付日から新たに時効までの期間がスタートになります。

 したがって、3年・5年・7年といった期間では時効を迎えることはまずありません。

 従って時効がすんなり通るケースというのは、税務署がそもそも税金の発生する事実を捕捉できなかった場合に限られます。

贈与は税の発生がバレにくいが…やはり…

 じゃあ、本来は税金が発生する金銭のやり取りで税務署にバレにくいものは何かないの?という問いが生まれます。

 一般的に贈与が税務署に知られることはありません。

 なぜなら、税務署がいちいち全員の通帳を調べることはありませんし、たとえ税務署が通帳を調べたとしても、振り込まれたお金のうちどれが贈与されたものかを判断するのは非常に難しいからです。

 ただし、贈与が発覚しやすい場合があります。

 ひとつは、相続が発生したときです。相続税の税務調査で贈与の有無もチェックされます。

 もう一つは、不動産など高額なものを購入等したときです。その資金を銀行融資やローン以外にどこから調達したのかを税務署は注目しています。税務署からお尋ねが届く場合があります。

 通常贈与が税務署にわかりにくくても、このような場合に発覚すれば、多額の贈与と認定されることが多いです。

 また、贈与税は税金の中でも税率がもっとも高いものですので、贈与税だけでも相当な金額になります。

 さらには次に説明する加算税や延滞税が追い打ちをかけてくるのです。

税金滞納で本税以外にかかる加算税・延滞税

 税金を滞納した場合には、その税金(本税)だけを納めればいいわけではありません。納税が遅れたことに対する罰金的な意味の「加算税(金)」や、延滞利息に意味の「延滞税(金)」も納める義務が発生してしまいます。

1)加算税(金)

 まず、加算税(金)の種類とその本税に対する税率は次のようになっています。
  • 申告しなかった場合=無申告加算税(金):年15%から20%(※申告期限から2週間以内であればかかりません。それ以降でも指摘前に自己告すれば5%です。)
  • 申告した税金が少なかった場合=過少申告加算税(金):年15%(※指摘前に自己申告すればかかりません。)
  • 悪質と認定された場合=重加算税(金):年35%から40%

2)延滞税(金)

 延滞利息である延滞税(金)は、納付するまでの日数によって最近は次にようになっています。

<納付期限から2か月以内>
  • 平成27年1月1日から平成27年12月31日までの期間は:年2.9%
  • 平成23年1月1日から平成26年12月31日までの期間は:年4.3%
  • 平成22年1月1日から平成22年12月31日までの期間は:年4.5%

<納付期限から2か月超>
  • 平成26年1月1日から平成26年12月31日までの期間は:年9.2%
  • 平成21年1月1日から平成25年12月31日までの期間は:年14.6%
 延滞税の改正により平成26年からかなり安くはなりましたが、かなりの高率になっています。

 また、本税が高額であれば、加算税・延滞税だけでも相当な金額になります。

申告・納税は素直に行うのが一番良い方策

 このように、税金を滞納していると多額の「加算税や延滞税」などが課されます。

 また、金融機関からの融資が受けられなくなったりもします。

 時効を意図的に狙うような場合は脱税とみなされ、国税犯則取締法により刑罰が科せられるという最悪な結果もあり得ます。

 納税は国民の義務です。納税していないと精神的な不安も持ち続けます。

 たとえ税金が時効になったとしてもそれ以上にデメリットのほうが大きい可能性が高いので、素直に納税されることをおすすめします。

2015年11月12日

税金 時効 加算税 延滞税

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