タックスリースとは、航空機や貨物コンテナ、船舶など、安定的で高額な実需商品をリース資産としてファンドで共同購入することにより、所得への課税を繰り延べることが可能な節税方法である。投資額に比べ資産価値が大きくなり、減価償却による利益圧縮効果を得られる。投資額も中小企業にとっては高額となるため、節税効果が高い。
まとまった額の節税にタックスリースが有効
節税というと、細かな経費計上を重ねたり、控除項目を増やしたりと、小さなテクニックを積み上げて行うのが一般的だ。
しかし小さな節税には限界がある。
まとまった額を節税しながら運用したいケースがあっても、リスクが少なく固い運用はなかなか見当たらない。
そんな場合にご紹介したいのが「タックスリース」である。
タックスリースの中身と享受できるメリット
航空機や貨物コンテナ、船舶を生産する際は莫大な費用が生じるため、当該資産が必要な企業は出資を受けることで初期費用をまかなおうとする。
一方で投資家にとって、これらの資産は資産価値が目減りしにくく、売却時の流動性が高い魅力的な安定資産である。
タックスリースとは、高額な実需商品をリース資産としてファンドで共同購入することにより、所得への課税を繰り延べることが可能な節税方法である。
タックスリースを利用するメリットは大きく3つある。
1. 利益圧縮効果
航空機1機の代金を全額支払うことは誰にとっても難しい。しかしタックスリースは共同出資の形態を採れる。投資額に比べ資産価値が大きくなり、減価償却による利益圧縮効果を得られる。
2. 内部留保
内部留保を高めることは企業の生き残りを左右する命題の1つである。タックスリースを利用することで、定率法の減価償却により当初数年は航空機などのリース商品の経費がリース料を上回ることで、投資資金は目的どおり”赤字”となる。この赤字を利益と相殺することで、赤字分の法人税の負担は軽くなる。減価償却が進むと赤字分は小さくなるため、法人税の軽減効果はいずれなくなるが、課税所得を繰り延べできる効果が期待でき、結果として内部留保を高めることができる。
3. 安定した経営計画
課税所得の繰り延べ効果により、安定した利益計画を立てることができるため経営全体が健全になる。
タックスリースをアレンジする会社が窓口
とはいえ、タックスリースについて、自ら調査し航空機メーカーに問い合わせファンドに出資するのはほぼ不可能だ。
現実的には、タックスリースのアレンジ業務を行う企業へ相談することになる。
日本でタックスリースアレンジメントの第一人者は「株式会社FPG」だ。金融分野での真のプロフェッショナルを目標に掲げ、2004年からタックスリース事業を展開している古株である。
タックスリースは中小企業にとって数字で与えるインパクトが大きいため、高い節税効果を期待できる。
利益が出ているならば、年度末が近づいた余裕のない時期ではなく、今タックスリースについて検討してみるのはいかがだろうか?