マル経融資制度は、無担保・無保証・代表の保証も不要な融資制度である。昨年から融資枠が拡大され、何より利息の率が低く、夢のような条件で分厚いキャッシュを手元に置くことが可能になるメリットがある。小規模で創業から1年以上経過し、商工会への参加が可能ならばぜひ利用することをおすすめしたい融資制度である。
マル経融資とはどんな融資制度のこと?
毎年開業する人よりも廃業する人のほうが多いと言われるが、開業から一年も経つと資金繰りが厳しくなる会社は多い。※1
キャッシュイズキングという言葉にもあるように、経営者の手元にある現金は多ければ多い方がよい。
多くの場合は金融機関の融資を受けることに突破口を見いだすことになるが、どうせ借りるなら利息が安くて、金額もぶ厚く借りられることが理想だ。
そんなときにおすすめしたいのが「マル経融資」制度だ。
マル経融資とは、日本政策金融公庫の元で取り仕切られ、全国各地の商工会議所(以下、商工会)が行う経営指導に基づき、事業用資金を必要とする事業者を商工会議所が推薦することで、無担保・無保証人・法人代表者の保証も不要な融資制度である。
更にマル経融資は2014年4月から融資枠が2,000万円(旧来1,500万円)に拡大し、2014年10月に利息の率が1.35%(旧来1.45%)まで下落したため、民間融資よりかなりオトクであることは一目瞭然だ。
マル経融資を受けるために必要な要件
経営者にメリットが大きくなったマル経融資、ぜひ受けたいものだがどのような要件が必要になってくるかをまとめた。
- 最近1年以上継続して営業活動を行っている。
- 同じ商工会議所等の経営指導を原則6ヶ月以上受けていること。
- 税金(所得税/法人税/事業税/住民税など)を全て完納している。
- 商業・サービス業:従業員が5人以下、製造業その他の:常時使用する従業員が20人以下(家族、パート等除く)
以上の要件を満たしていれば約1ヶ月ほどの準備期間を経て、融資を受けることが可能となる。
スグレモノの融資制度だが注意すべきこと
先ほどの要件にあるようにマル経融資制度は、商工会への参加が必須となっている。
例えば東京商工会に入会する場合は、入会金2,000円(個人事業主1,000円)と資本金に応じた(例:年会費3万円/資本1,000万円以下)が必要となる。※2
ただし商工会に入ると、経営指導員による、経営上の問題についての個別相談・指導等が無料で受けられたり、経営者の有意義な繋がりが持てる場合もある。
小さい企業で、地縁を大事に、地道な商売したい経営者にとっては、商工会に入ること、マル経融資自体のメリットは極めて大きい。
商工会によっては、地元を活性化させる企業に対して、利息部分を補填してくれる場合もある。※2利息補填してくれる分で入会費用が容易にペイアウトできる。
ただし運営方法は各自治体ごとの商工会に任されているので、横のつながりを大切にする商工会だった場合、加盟することが面倒くさいと感じてしまう企業もあるはずだ。
メリットとデメリットをよく見極めて、自分に合うと思えば、賢くマル経融資制度を活用しよう。
※1 中小企業庁発行「中小企業白書2011」
http://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/h23/h23_1/Hakusyo_part3_chap1_web.pdf
※2 東京商工会議所
http://www.tokyo-cci.or.jp/about/nyukai/
※3 松戸商工会議所
http://matsudo-cci.com/wordpress/?page_id=279