ロイターのニュースによると、最近アメリカのビジネスにおいて”クライアントと一緒にスポーツクラブで運動をする”というのが大流行しているようだ。日本でも徐々に浸透しそうな習慣だが、会議とも接待とも取れる行為のため損金算入による節税方法が2つの道に別れる。自社の状況に応じて賢く2つの内から選択しよう。体験の共有で顧客ともうまくいくはずだ。
アメリカでスポーツクラブ接待が流行する
ロイター通信によると、最近アメリカのビジネスにおいて”クライアントと一緒にスポーツクラブで運動をする”ことが大流行しているようだ。
クライアントとミーティングも兼ねて、ヨガのクラスに参加する、並んでウォーキングやジョギングをする、など、一緒に汗を流すことによって連帯感や親近感が生まれやすいという。
今までアメリカらしいビジネス接待というと、少し豪華なランチを共にするというのが一般的だったが、共に体を動かすことで”営業っぽくない”という点が好まれているらしい。
日本でも徐々に浸透しそうな習慣だが、「クライアントとスポーツクラブで一緒に運動をする」行為は、打ち合わせとも接待とも取れる。
この曖昧な行為を、どのように会計上損金算入し節税対策できるか考えてみよう。
フィットネスクラブ接待を経費処理する方法
結論から言うと「クライアントのスポーツジム接待」は、二種類の経費で落として損金算入することが可能だ。
損金算入方法の1つ目は「交際費」項目の利用であり、もう1つのやり方は「会議費」項目の利用である。
まず交際費は、得意先、仕入先その他事業に関係のある者等に対する接待、供応、慰安、贈答として支出される費用である。
スポーツクラブでクライアントとともに汗を流す、という行為は、取引先を「接待・慰安する」という行為に該当するため、交際費として認められるというわけだ。
しかし交際費は法人企業の場合、年間800万円の上限がある。そのため制限なく経費とすることは難しい。
その場合に利用したい便利な勘定項目が「会議費」である。
会議費とは、社内または外部の第三者と会議を行う場所において、通常供与される程度を超えない飲食物等の接待に要する費用である。
交際費とは別枠で経費処理が可能な勘定項目であり、全額損金算入が可能である。
この項目を利用する際は注意点が1つある。会議費は一人あたり一回5,000円以内で済ませなければ、損金算入ができない。
できれば回数券を利用できるスポーツジムを使用して、一回あたりの費用が5,000円内であることを領収書上で証明できるようにしよう。
フィットネスクラブ大手のコナミスポーツクラブや、ホットヨガスタジオのラバは、これら回数券に対応している。
円滑な関係は体験を共有することで生まれる
経営学者ドラッカーは「経験の共有が完全なコミュニケーションである。」と著述している。
確かに情報は論理の対象であり、コミュニケーションは知覚の対象であるため、両方をバランスよく兼ね備えることが、ビジネスをうまく進めるために必要な構成要素となる。
顧客との付き合い方は人それぞれスタンスが違うが、もしコミュニケーションがうまくいってないことで、取引が停滞しているならば、同じ体験を共有することは重要だ。
かしこく節税しながら顧客と付き合う1つのあり方として、一緒にフィットネスクラブに行くというのもひとつの手と言えよう。