経営者は自らが企業コンプライアンスの体現者たるべし

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 「儲かっていればグレーゾーンでも会社は成り立つ」という時代は終わった。「企業コンプライアンス違反」は、会社の存在を揺るがすほどの結果を招いてしまう。経営者がまずコンプライアンスの体現者とならなければ、コンプライアンスは有名無実化してしまうだろう。自らが主体的に作成へ乗り出すことで意義のあるコンプライアンスを作ろう。

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企業コンプライアンスは企業の守りを司る

 「企業コンプライアンス」とは、「企業が社会的信用を得て維持するために、内部規程やマニュアルを作成し、企業倫理を定め、それらにもとづき社内環境を整備し、法令遵守を実行する」一連の行動の総称である。

 資本主義社会の熟成と共に「グレーゾーンでも儲かっていれば会社は成り立つ」という時代は終わった。

 会社の規模を成長させながら、社会との良い関わりを持つためには企業コンプライアンスが必須となっている。

 車に例えると、営業活動による売上が車を走らせる「アクセル」ならば、危機が迫った時に車を止める「守り」の機能を持つ「ブレーキ」がコンプライアンスの役割を果たすと言えよう。

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コンプライアンスは作るだけでは意味がない

 コンプライアンス違反は、会社の存在を揺るがす結果を招いてしまう場合もある。

 最近起こった大きな事例の一つは、東洋ゴム工業の事件だ。建物に使われる免震材料が性能評価基準を満たしておらず、しかも一部の製品では防火認定を不正取得すらしていた。

 この報道により、工業用ゴムのトップブランドである同社の評判は地に落ちた。

 もう一つの事例は、昨年始めに発覚した、個別指導塾大手のリソー教育による粉飾決算である。

 売上重視の経営方針により、グループ会社各社が売り上げの水増しを日常的に行っていたのだ。この事件によりリソー教育は「特設注意市場銘柄」に指定され、トップ経営者のあり方も厳しく追求される結果となった。

 いずれの企業でもコンプライアンスは設定されていたが、順守することの重要性が意識されていなかった。

 どうすればコンプライアンスを順守できるのだろうか?不可欠な3つの要素をチェックしよう。

1)社長がコンプライアンスの体現者であること

 まずは社長がコンプライアンスを一番理解し、順守することの重要性を行動で示す必要がある。先ほどの例であげると、リソー教育ではトップやマネジメント層による圧力が、法令よりも売上を死守する方向へ社員を向かわせてしまった。第三者委員会による報告でもその実態が浮き彫りとなっている。旧日本海軍の元帥である山本五十六の名言「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、 ほめてやらねば、人は動かじ。」 という言葉とおりに社員は動く。

2)プレイヤー側にコンプライアンス担当者がいること

 経営者以外に現場のプレイヤー側に、コンプライアンスの知識を持った、身近な担当者が必須である。身近にコンプライアンス問題を相談できる担当者がいるといないでは、社員の行動がまるで変わる。グレーゾーンに陥った社員に1人で事実の抱え込みをさせず、早期に問題の種を会社が摘み取ることでコンプライアンスも順守されやすい。

3)全体マニュアルはわかりやすく詳細は具体例込みで

 コンプライアンスの作成時には、マニュアルを会社全体、部署ごと、役員会毎に策定する。その際に気をつけるべきことは、全体のコンプライアンスは誰もが理解できるわかりやすい言葉で作成することだ。できる限りマニュアル数は少なく、細かい内容は部署ごとで詳細マニュアルを持つことをおすすめしたい。また、内容に具体性があり、問題が会った時にすぐ判断できる内容であることが望ましい。

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コンプライアンス作成はトップが主役になる

 今コンプライアンスの作成ができていない企業は、コンプライアンス作成の主担当を決めること、難しい場合は有志メンバーによる委員会の設置から始めてみてはどうだろうか。

 ただし、先述の通りコンプライアンスの体現者は社長である。経営者が自ら積極的にコンプライアンス作成に関わっていくべきだ。

 企業理念やミッションと共に貴方がいなくなった後も、コンプライアンスは会社の業績や利益を守ると同時に、社員の行くべき道を照らす大切な存在となるだろう。

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