楽天やアマゾンで商品を売ろうと思うな!名前を売れ!!

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 消費者へモノを販売する世界では、リアルはイオン、インターネットは楽天かアマゾンと、圧倒的なモール運営の強者がいます。多くの中小企業ではインターネットでモノを販売する時に、手っ取り早くモールを利用する方が多くなっています。しかしその現実には厳しいものがあります。モールは勉強のため活用し、名前を覚えてもらったら去れるように準備しましょう。

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リアルもネットも巨大資本が中小を飲み込む

 皆様もよくご存知で、週末に行かれるかもしれないイオンモール。

 イオンモールは元々都市部ではなく郊外や地方で発達してきましたが、最近ではこれまで出店をしていなかった都市部に進出するようになりました。

 例えば京都駅前や岡山駅前といった地方中核都市のどまんなかに、急遽巨大なモールが出現しています。

 これはインターネットの世界で言えば、巨大ショッピングモールの楽天や、多くの企業が出品するアマゾンを思わせます。

 リアル世界のイオンモールにしても、オンライン世界の楽天やアマゾンにしても、彼らは巨大な資本力に物を言わせ、個人商店や中小企業から顧客を容赦なく奪い取ります。

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インターネットモールを利用する長所と短所

 奪われた売上を取り戻すための選択肢は

  • (1)自らが進んで楽天やアマゾンマーケットプレイスに出店する
  • (2)楽天やアマゾンでは売っていない商材を販売する

 のいずれかです。

(1)の選択肢には、大きなメリットと大きなデメリットがあります。

 大きなメリットは楽天やアマゾンがイオンモールのように、巨大な資本を投下して沢山の人達を集客してくれることです。

 自分でたくさんの広告費をかけなくても、それらインフラを提供する側が集客をしてくれるので、そこに店を出すだけで一定の売上が見込めます。

 もうひとつのメリットはモール側が決済システムや物流システム、顧客管理システムなど独自調達すれば、それなりの資金が必要になる初期投資を代わりにしてくれて、一定の利用料金を払うだけで便利なサービスの数々が利用出来ます。

 また、その後のアップデートも、ぬかりなくモール側がしてくれるので、維持費も安くてすみます。

 これだけで話がすめばハッピーエンドですが、そこには大きなデメリットがいくつかあります。

 1つは、御社が巨大モールに出店出来るということは、他社も出店出来ることを意味するのでモール内でも競争が発生します。

 その競争が過熱するに従い最初は利益を取れても、徐々に値下げ圧力がかかり利益が減少していきます。

 もう一つの大きなデメリットは全てにおいてモール側の規定、要求に従わなくてはならないという事です。

 イオンモールなら賃料、協賛費等で、楽天なら月額費用や、送料負担の要求です。

 そして最も大きなデメリットは、売れば売るほどロイヤリティーをモール側に支払わなければならないという事です。

 あまり売れない時期はさほど負担に感じなくても、売れて来れば売れてくるほどその負担を重圧に感じるようになります。

 こうした苦痛から逃れるために退店すると、それまでせっかく収集した顧客リストを失うことになります。

 何故ならモール側が顧客の氏名やメールアドレスなどの連絡先情報を掌握しており、店舗側はその情報を見ることが出来ないのです。

 そうなるとモールを退店すると同時にこれまでのお客様に対して何も販促活動ができなくなり、一から独自ドメインサイトで顧客リストを作らなければならないという心理的、経済的なプレッシャーを抱えることになるのです

 「そのため退店したくても退店出来ない」というジレンマに陥っている店舗が非常に多いとよく聞きます。

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楽天やアマゾンで出店する人からよく聴く話

 海外の研修でこれらのデメリットを示すうえで頻繁に聞く言葉があります。「アマゾンは麻薬である」という言葉です。

 アマゾンマーケットプレイスに自社商品を出品すれば、確かに商品は一定数は売れます。

 しかし儲かるか、儲からないかぎりぎりのところの価格設定にしないと、同業他社も価格競争をしかけてくるので、売ることが出来ないという損益分岐点ギリギリのところに、徐々に利益率が落ちてしまいます。

 楽天にしても、ただ月額費用とロイヤリティーを払えば良いというものではありません。

 実際には楽天社内の店舗コンサルタントさん(体の良い言葉で表した広告営業さん)達から、頻繁に楽天が薦める広告を買うように指導されるので年間を通じて何度も広告を買うようになります。

 しかし効果が必ずある広告などというものはありません。当たるときもあるでしょうが、外れるときもあります。外れた時に稼いだ利益が瞬間蒸発することもあります。

 こうしことに対して不満をいだいたテナントは最終的には退店することになります。

 ハッピーエンドを目指して入店したのが、辛い思いをして離脱することになるのです。

 私はモールに対してネガティブな事を言いたくはないですが、実際に起きていることをただ述べているだけです。

 何も個人的に好きだとか、嫌いだということはありません。

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モールではモノでなく名前を売る意識が重要

 では結局どうすれば良いのでしょうか?

 私の意見はいつもこれです。それは・・・

  • (1)まずは自らが進んで楽天やアマゾンマーケットプレイスに出店しノウハウを吸収

 してから

  • (2)独立して楽天やアマゾンでは売っていない商材を自分の名前で販売する

 という二段階を踏んで、自分のお店を持つことをおすすめしています。

 (1)か(2)かのいずれかを選ぶのではなく、(1)をしてから(2)をすることをおすすめしています。

 モールに出店すれば周りのレベルの高い企業からたくさんのことを学ぶことが出来ます。

 逆にいきなり何の経験もないのに独自ショップを開店すれば、特別に才能があったり運の良い方なら成功するでしょうが、そうでない場合は失敗の確率が高くなります。

 経験豊富なモール主催企業には、膨大なノウハウと活用できるたくさんのリソースがあります。

 これらを使わせてもらい、インターネットでモノを販売する仕組みを勉強し、モノを販売する修行を行うのです。

 その支払として彼らが要求する月額料金と、税金のように累進制のあるロイヤリティーを支払うのです。

 しかしここで重要なことがあります。我々はモールで働くことを目的としてはなりません。

 目的はあくまで独立です。

 勉強と修行をさせてもらったら退店して、彼らに一銭も払わないで済むように独立した土地、ネットで言えば独自ドメインとサーバーにネットショップを開業するのです。

 そして

(2)楽天やアマゾンでは売っていない商材を販売する

 を実践するのです。

 モールにいた時に来てくれた人たちに、最良のサービスと商品を提供することにより、店の名前を覚えてもらえます。

 楽天やアマゾンなどでは、既存客のメールアドレスすら見ることは出来ないようになっています。

 顧客リストを取るだけとって退店されることを防止するためです。

 しかし、そのようなことをされても店の名前さえ覚えてもらえれば、これまでのお客様はGoogleやヤフーの検索で、店名や会社名、あるいは御社独自の商品名、サービス名で検索をしてくれるようになります。

 実際に人気のある企業やお店のアクセス解析ログを見ると上位の流入キーワードは企業名、店名、あるいは商品名です。

 例えば、アスクルならばアスクルというキーワードで検索されていますし、トヨタならトヨタ、Toyotaなどで検索されています。

 これは人気サイトかどうかのバロメーターになります。

 結論は、「モールに出店したら商品を売るな!名前を売れ!!」という事です。

 モールで販売して退店したくても出来ない状況の方は、この事を忘れないで下さい。

 早くモールで御社の名前を売って下さい。そしてその後の独立を楽しみにして下さい。

 独立は怖いことではありません。

 何故ならモールにいなくても、ソーシャルメディアや様々なセミナーや勉強会などで出会う人達と情報交換が出来るからです。

 ほとんどの場合、最初は孤独を感じても自分で道を求めてゆく限り、その先に必ず思いがけない人からの助けを得られたり、良い意味で予想外のことが起きて何とかなるものです。

 そうしたことが物売りの手段としてのインターネットではなく、人間の交流の場であるインターネットの素晴らしいところです。

 いきなりの独立は危険です。先ずは勉強を積んでから独立を目指しましょう。

 御社の自主自立と、ネット販売のご成功を祈っています。

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鈴木将司

一般社団法人 全日本SEO協会 代表理事

鈴木 将司
MASASHI SUZUKI

1968年 東京生まれ

ヤフー・Google・Bing等検索エンジンでの上位表示対策とネット集客に成功するために全国の企業様、個人様が結集する一般社団法人 全日本SEO協会(2007年6月設立)の代表です。会員様のアクセスアップの為、奮闘の日々です。

最終学歴
オハイオ州立アクロン大学経営学部マーケティング学科、クイーンズランド州立大学教育学部卒業
経歴
オーストラリア クイーンズランド教員、現地法人Digital Land社を経て、現職。
1996年よりウェブ製作に携わる。企画・製作した日米豪のホームページは多数。

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節約社長