若き充実した時の流れを感じる方法 ジャネの法則に学ぶ

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 時が経つのがやけに早く感じることはないだろうか。実はこの状態に陥るのは、経験を重ねた人間として正常なことである。人それぞれに感じ方が違う時の流れを定義する「ジャネの法則」を別解釈すると、人は驚くほど充実した時間を過ごすことが可能だ。ポジティブな意味で主観的になり、新しいことへ挑戦する意欲を持つことが、充実した時を過ごす秘訣と言えよう。

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子供の頃の一年はなぜ長く感じたのだろう?

 1日、1週間、1か月、時が経つのがやけに早く感じる、と感じることはないだろうか。

 もし感じることがあれば、昔から言われているように、それはあなたが”年をとった証”かもしれない。

 子供のころの夏休みはやけに長く感じ、大学生になると”もっと休みがないと困る”と感じ、社会人生活を1年1年重ねていくと忙しい毎日の中で、あっという間に時間が過ぎ、気を許すともう決算の時期か・・・となる。

 家族と過ごすお正月やお盆も粛々と訪れるために、特別感も薄れ、ワクワクやドキドキも少なくなったように感じる。

 実はこの状態に陥るのは、人間として正常なことである。

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時が早く過ぎ去る理由を紐解くジャネの法則

 「年をとるにつれて、時間が早く過ぎていくように感じる」理由を心理学的に証明する法則がある。

 19世紀にフランスの哲学者・ポール・ジャネが発案し、甥の心理学者・ピエール・ジャネが著作で紹介した「ジャネの法則」だ。

 ジャネの法則は「生涯のある時期における時間の心理的長さは、年齢の逆数に比例する」と定義付けられている。

 ジャネの法則に基づき、50歳の大人と5歳の子供で時の流れについての感じ方を比較すると、以下のようになる。

  • 50歳の大人→ 自分の1年の長さを”50年分の1”というものさしで図る傾向がある
  • 5歳の子供→ 自分の1年の長さを”5年分の1”というものさしで図る傾向がある

 この法則を当てはめると、50歳の大人にとって「今過ごしている1年」の人生における比重が2%なのに対して、5歳の子供にとって「今過ごしている1年」は人生における比重が20%にも達するのだ。

 つまり一般的に50歳の大人にとって今を過ごす時の重みは、5歳の子供の10分の1にしか過ぎない場合がある。歳を重ねると時が過ぎ去るのを早く感じてしまうのは致し方あるまい。

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今を大切に生きることが充実した時間を生む

 春は「初心忘るべからず」という言葉を頭に浮かべる機会が多い貴重な季節だ。例えば新入社員を見て、その好奇心と純真さに驚きを感じ、触発されることはないだろうか。

 ビジネスにおいて一通りの経験をすると、人は新鮮な気持ちで新たなことへ挑戦する意欲を一般的に失いやすい。新しい事象(チャンス/トラブル/新しい世の中の流れ)が目の前に表れても、過去の経験からそれを見過ごしがちになる。本当は違う現象なのに、類似体験と混同することもしばしばだ。これらの要因が主観における時の流れを早くする。

 どうすれば、我々は新鮮な気持ちで充実した時間を過ごせるだろうか?

 それはとても簡単で、ジャネの法則を別の意味で解釈すれば良いのだ。「自分が何歳であっても、過去の時間の長さに囚われず今と向き合えば、人は充実した時間を過ごせるようになる」という解釈だ。

 何かを成し遂げようとする人が「過去を振り返らず今を全力で生きる」いう言葉を大切にするのにも、根底で同じ解釈がある。

 ポジティブな意味で主観的になり、自身はまだまだヒヨッコで、これから更に新しいことへ挑戦できる、という意欲を持つことが、子供のように新鮮な気持ちで充実した時を過ごす秘訣と言えよう。

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