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黒坂 岳央
黒坂 岳央水菓子 肥後庵 代表者

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若者から学べ いつの時代も若い世代が上の世代より優秀なのはなぜか?

若者から学べ いつの時代も若い世代が上の世代より優秀なのはなぜか?
 数千年前から人類は、「最近の若者は…」と自分達より若い世代の進歩的な考え方や行動、使うツールに対して批判的でした。しかし、紛れもない事実として人類のIQは時代の流れとともに向上しており、リープフロッグ現象に代表されるように、若者達の作り出す先端のテクノロジーは常に前世代よりも効率的です。これを否定するのは簡単ですが、若者達から学ぶことのほうが遥かに大人世代にとっては有益なことではないでしょうか?

5000年前から言われてた「最近の若者は…」

  「最近の若者は…」

 約5,000年前、古代エジプトの遺跡の壁画に残されたヒエログリフに書かれていたこの言葉、ご存知の方も多いのではないでしょうか?

 今も居酒屋に行けばオッサン達が管を巻いて同じようなセリフを吐いてます。

 「最近の若者は付き合いが悪い」「最近の若者は夢がない」「なりたい職業3位がユーチューバーってなんやねん」

 たしかに、世間一般では、「仕事や人生の知恵は、人生経験豊富な年配者に教わりなさい」と教わりますし、古き教えからは大きな教訓を多々得られます。

 一方で「若い世代は上の世代より常に優秀である 」という論説があるのをご存知ですか?

 主張の全てではないにしろ部分的に共感できる部分がありましたので、今回はこの論説をテーマに取り上げたいと思います。

人類のIQは時代の変遷と共に高くなっている

  「人類のIQは時代の流れとともに向上している」

 これは、アメリカ・シカゴ大学のジェームス・フリン教授がTEDの中で主張している論説です。


 100年前の人の平均的な知能指数は現代の基準でいえば70程度、逆に現代人の知能指数を100年前の基準で測ると130になると言っています。

 IQ130といえばメンサ会員(全人口の内上位2%のIQの持ち主が加盟できるグループ)の知能指数レベルです。このように年数を経るごとに人類が賢くなる現象を「フリン効果」といいます。

 なぜIQが向上するのかについて、フリン教授やその他専門家は「問題や課題の分類化が促進され、また論理を持って抽象概念を取り扱う思考習慣を持つことにより、IQテストの『分類・類推能力』が問われる分野のスコアが向上したことによる」と述べています。

 また、「これからはモバイルデバイスから提供される多くの情報を短時間に処理する習慣により、情報処理能力が向上する」とみる科学者もいるのです。

 確かに、納得が出来る主張だと感じます。

 ビジネスの現場に目を移すと、アイデアやひらめきといった抽象的なものを、プレゼンテーションというツールでパートナーや大衆に分かりやすく伝えるメッセージ力が重視される場面はいくらでもあります。

 こうしたビジネスや生活環境の変化により、必要に迫られた結果として現代人は昔に比べてIQの向上があったと考えます。

教育水準はここ数十年でも向上しIQ上昇に寄与

 また、教育水準の向上は紛れもなく、現代人の賢さに寄与したと考えていいでしょう。

 30代の私と現在の若者を比較しても教育水準の向上は明白です。

 今の学生はとてもうらやましい学習環境にあります。例えば数学で学習する抽象概念を学ぶにあたり、私の義務教育時代では本や身近な教師からしか学ぶ手段がありませんでした。

 とっておきの学習ツールと言っても、一ヶ月に一回送られてくる進研ゼミかZ会の問題集、それか高額な塾、サテライト予備校といったところでしょうか。

 ところが今では、スタディサプリのようないつでもアップデートされるアプリのようなツールで、受験生は、どこに住んでいても、最新のカリキュラムを学ぶことが可能です。

 ネットを検索すれば、優しく丁寧な図解入りの解説が無料で手に入りますし、動画でわかりやすく教えてくれる教師が簡単にYouTubeで見つけられます。

 勉強への意欲さえあれば、独学でも極めて高度な教育を無料、もしくは安価で受けることが出来るわけです。

 独習の手段が増えていることにより、IQ向上の速度も更に増していくことでしょう。

上下の世代間で生じるリープフロッグ現象

 しかし私は、インターネットの台頭以上に、世代間のIQに大きな差をつける要素が他にあると考えています。

 それは「世代間におけるリープフロッグ現象」です。

 リープフロッグとはいわゆる、「蛙跳び」と呼ばれるもので、技術革新により、新しい技術を取り入れた体制が一気に飛躍することを意味します。

 例えば、中国や東南アジアでは固定電話回線のインフラ整備が整う前に、スマートフォンを活用したインフラが社会に浸透しました。

 既存の通信産業との摩擦や、法規制の影響を受けなかった中国ではスマートフォンが一気に普及し、今では外出して何をしようにも、スマートフォンが一台あれば、ショッピング、食事、買い物、レンタカー、レンタルサイクル、身分証明など、あらゆることが可能です。

 固定回線から徐々にガラケー、スマートフォンへと移行した日本とは対照的です。

 国民が皆、携帯電話を持つようになったことで、中国はスマートフォンを活用したインフラ整備において世界でも稀に見る先進国となりました 。

 このリープフロッグ現象は一般的には国家間に見られる差異ですが、「世代間のテクノロジーへの受容度」の違いにも当てはめて考えることが出来ます。

 例えば、上の世代はテクノロジーの変遷を経験してきています。電話を例に上げると、最初は固定電話、FAX、ガラケーそしてスマホと移り変わっていっています。そして、上の世代は使っている機器がバラバラです。

  未だに固定電話だけが通信手段のおじいちゃん

  ガラケーを使い続けてスマホを持とうとしないオバちゃん

  取引先やご近所との連絡手段がFAXのおやっさん

 本当に様々です。

 しかし、今の若い人は物心がついたときから携帯電話があったので、思春期にいきなりiPhoneやAndroidスマホなどの最新テクノロジーに触れることになります。

 若者はFAXや固定回線といったレガシーテクノロジーの概念を持っていないのです。

 少し古い用語になりますが、デジタルネイティブ(インターネットやパソコンのある生活環境の中で育ってきた世代)最大の特徴ですね。

 最新スマホを使う先で提供されている商品やサービスもまた、先端のテクノロジーの結果生み出されたものですから、彼らは常にcutting edge(最先端)な技術に触れ続ける事になります。

 これが世代間のテクノロジーへの受容度の違い、引いては「賢さ」につながっていると考えます。

先端のテクノロジーは常に効率的だが、古い世代ほどこれを否定する

 例えばテキストによるコミュニケーションを考えてみて下さい。テキストによる連絡手段にFAXを用いる世代はまだまだ多くいます。

 FAXでコミュニケーションをするには、手書きで原稿を書かなければいけませんし、先方にFAXが確実に届いているかを確認するため、「FAX届いた?」という電話によるフォローアップを余儀なくされます。

 また、送信の度に「一回あたり数十円」という通信料を払うことになります。

 受発注、納品書、請求書、何度も一つの取引でFAXを使用するとなれば、あれよあれよと粗利がすっ飛びます。

 このように、FAXはコスト高であることはもちろん、手間も時間もかかるコミュニケーション手段です。

 また、もう一つ例をあげると、ガラケーにはフリック入力がありません。ですから、ガラケーにこだわる人は、「お」や「こ」を入力するためにボタンを5回も押すという「高い入力コスト」を払い続けています。

 しかし、フリック入力を遥かに上回るツールの出現により、最新の入力コストは極めて低くなりました。

 AIによる音声認識の向上が進み、現在における最速のテキスト入力手段は「音声入力」です 。

 音声入力はPCのキーボードの入力速度を遥かに超えており、またインターフェースが物理的に存在しませんから、歩行中や車の移動中にすらテキスト入力ができます。

 音声認識によるテキスト入力をするユーザーは、入力の手間もコストも排除された極めて効率性の高い情報伝達手段を持っていることになります。

 しかし、音声入力が効率性に優れているという話を聞いても、FAXユーザーやガラケーユーザーの多くは依然として音声入力にスイッチすることはありません。

 それは「面倒くさい」という「気持ちの問題」によるものです。

 心理的なハードルが最新テクノロジーへの障壁となることにより、音声入力が存在する時代を生きていても、既存のテクノロジーを使い続ける上の世代と、リープフロッグにより、思春期の頃から先端のデバイスを使い、テキスト入力に音声認識を使う若い世代との間にはどうしても差が生まれるというわけです。

 効率性に圧倒的な違いがある以上、先端のテクノロジーから入ってくる若者世代と、レガシーのテクノロジーを使い続ける上の世代とではどうしても差が生まれてしまいます。

2歳でYouTubeを検索する我が子に見る未来

 ちなみに、私の2歳の息子は時々、私のスマホを手にとって、「ゴミ収集車!」と言います。

 私がスマホのロックを解除し、YouTubeを起動すると彼は私からスマホを奪い取り、勝手に動画のアイコンをタップしてお目当てのゴミ収集車の動画を探し、見つけると楽しそうに見ています。

 これには正直、私も驚異を感じます。

 この行為、私が2歳の頃とは比べ物にならない違いがあります。2歳にして、「スマホで情報を検索するという概念」を持っているということです。

 今の幼児は「情報とはモバイルデバイスで検索をして能動的に取りに行くもの」という感覚を持っており、これからも先端のテクノロジーに触れ続けるわけです。

 彼が私と同い年になる頃には少なくとも「情報」の分野においては大きな差をつけられてしまいそうです。

 これから上の世代を生きることになる立場の私達は、謙虚に若者に学びを乞う姿勢を持つ必要があるのではないかと思います。

 さもなくば、私達に待つのは「最近の若者は…」と5000年前に語っていた大人達と変わらぬ、見切れたつまらぬ未来だけかもしれません。

2018年9月11日

メンサ会員 IQ ジェームスフリン ヒエログリフ 古代エジプト 世代格差 世代

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