企業の高年齢者採用はこれからますます拡大する

大和ハウス工業がシニア積極採用制度を発表

 日本の人口約1億2千万人のうち、年齢による人口分布で「一番人数の多い年齢」は、第1次ベビーブーム、団塊の世代と言われる64歳~66歳の世代である。

 大和ハウス工業株式会社は、4月1日から高齢者を対象とした2つの人事制度を導入することを発表した。

 1つ目は「アクティブ・エイジング制度」で、65歳以降も勤務可能で年齢の制約を外し生涯現役を目指せるもの、2つ目は「親孝行支援制度」で、年4回を上限に帰省距離に応じた補助金を出すというもので、介護が必要な社員へ支援を行う制度だ。

 背景には企業側の深刻な雇用難という問題がある。

 ちなみに有効求人倍率は今年2月の時点で1.15倍と、完全に雇われ側の売り手市場である。

高齢者採用のメリットは知識・スキルの伝承

 人手不足に苦しむ場合、大和ハウス工業株式会社のように、年齢人口分布の多い高齢者に目を向けてみるのは1つの手だ。

 折しも法改正により、平成25年に60歳を迎える人から順番に、厚生年金の支給時期が段階的に65歳へ引き上げられている。

 いずれは60歳定年後、65歳まで年金も収入もないという高齢者が増加するため、国も法律改正で継続雇用を推進している。

 企業は今後、高齢者の豊富な知識と経験を積極的に活用せざるを得なくなるだろう。

 どのような場合に高齢者を積極採用することが、会社に有益となるのだろうか?

 エン・ジャパンが人事・採用・労務の実務の情報を紹介するサイト「エン人事のミカタ」で行われた高齢者雇用に関するアンケートの結果を見ると、高齢者の雇用をどう進めていけば良いかヒントを見いだせる。

 高齢者採用を行っている企業に対する同アンケートで、高齢者を雇用している目的に対する企業の回答は、「知識の活用 65%」「スキル・ノウハウの伝承 51%」となった。

 また高年齢者層はどのような面で貢献しているか、という問いに対し、60%以上が「知識の活用」「スキル・ノウハウの伝承」について貢献していると答えていることから、企業の目的どおり、シニア雇用の目的は実現されていることが伺える。

 単純な労働力としての採用ではなく、今までのキャリアを重視した高齢者採用を行った時に、企業は効果を感じている。

 一方で、高年齢者雇用で困っていることは何か、という問いに対する回答の1位は「困っていることはない36%」であった。2位以下に、「処遇の内容決定」「どう戦力化するか、モチベーションの持たせ方」「仕事の確保」が回答された。

 高齢者の場合、長期的なキャリア形成が難しいことが、主な悩みとなるようだ。

高年齢者雇用安定助成金も積極的に活用せよ

 一般的に、高齢者は加齢とともに、その身体機能や認知機能が低下するといわれるが、認知能力については、その加齢による変化について、短期記憶能力は50歳を境に急激に衰える一方、日常問題解決能力や言語能力は経験や知識の習得に伴って、むしろ向上するとの研究成果が出ている。※1

 高年齢者雇用に際しては、「高年齢者雇用安定助成金」などの助成金もある。

 今後更に強まる人材難に備えて、高年齢者の採用に関する社内規定の見直しを検討してみてはいかがだろうか。

参照元

※1 文部科学省HP
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/detail/__icsFiles/afieldfile/2012/07/19/1319112_9.pdf

節約
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