暴言の横行する職場は本人の創造性を58%、周囲の処理能力を33%低下させる

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人間関係の悩みは社員のやる気に大きく影響を与える

こんにちは。脳科学教育コンサルタントのクロスです。

今日のテーマは、「社員のやる気出ないって?企業文化変えたら一発よ」というものです。

この記事は誰を対象にしているかと言うと、「社員がやる気全然ないんだけど」とお嘆きの社長さんを対象にしています。

暴言や褒美に頼らずに社員のやる気を出す裏ワザをご紹介します。

じゃあ、そもそも、なんで社員がやる気ないんだ?という話なのですけれども、ほぼ以下3つの理由に帰結します。

  • 1)作業に対するhave toの気持ち
  • 2)want toとなるワクワク感がない
  • 3)人間関係、職場環境に問題がある

一言で言うと、ストレスがやる気を削いでいるということがわかりますね。特に大きいのが「人間関係によりやる気が削がれる」というパターンです。

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暴言の横行する職場が本人と周囲に与える悪影響

人間関係でやる気を削がれるパターンの代表格、皆さんも容易に想像できると思いますが、暴言が横行している職場です。

まず、上司が部下に暴言を吐くような文化が日常的な場合、部下にはどんな影響が及ぼされると思いますか?

部下の存在を否定するような行為。

極端な例で言うと、見せしめのような罰があるとか、追い出し部屋のように、しんどい状況で部下を追い込む社風がある場合、そうじゃなくても社員を追い込むような言動が日常的にある場合です。

こういう場合、

  • 本人:処理能力61%低下、創造性58%低下
  • 周囲:処理能力33%低下、創造性39%低下
  • 目撃した人:処理能力25%低下、創造性45%低下

という結果が出ているんですね。

上司がとんでもなく怒っている瞬間って、周りも自分が怒られているような気分になって萎縮するじゃないですか。

こんな具合に、暴言が日常化している企業では、全体の処理能力も創造性も全部落ちます。

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医療現場でも実証 暴言には百害あって一利無し

他にも過去に暴言を言われた800人の人々にアンケートを取った結果、こんなデータが出ているんです。

  • 48%が努力を怠るようになった
  • 47%が職場にいる時間を減らした
  • 38%が商品の品質管理を悪化させた
  • 80%が暴言について思い悩み時間を無駄にした
  • 63%が暴言を吐く人を避けるため時間を無駄にした
  • 66%がパフォーマンスが下がったと報告
  • 78%が企業への愛、精神、コミットメントが下がったと報告
  • 25%が顧客に対してストレスを発散したと報告
  • 12%がその仕事を辞めた

つまり、暴言には百害あって一利無しなんですね。

医療現場でも暴言が、IQ、創造性、柔軟性、協調性、診断の正確性、ケアの質を低下させ、医療ミスの増加につながったことが報告されています。

これらのエビデンスから、ストレスがどれだけ当事者に影響を与えているか、その影響の計り知れないことがわかると思います。

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ストレスにさらされた人間の脳はどうなるか?

では、ノルマ、対人関係、have toなど、人がストレスにさらされた場合、脳にはどんなことが起こっているのでしょうか?

実は、ワーキングメモリという短期記憶や学習能力、マルチタスクを司る部分の機能が低下し、能力を最大限に使えなくなっていることがわかっています。

具体的には、

  • パフォーマンスが下がる
  • 予測能力が低下する
  • 行動計画の能力が低下する
  • 短期記憶が低下する
  • 学習能力が低下する
  • 連想記憶が低下する
  • 頭が真っ白になる
  • パニック状態に陥る

といった症状が現れます。

なので、社風がブラックだったり、ボスが高圧的な職場というのは、社員のやる気を無くし、能力を低下させるうえでは、とても環境の整った職場なんですね(笑)。

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お金?昇進?表彰?褒める?いずれもやる気に与える効果は限定的

じゃあ、どうやったら社員のhave toの気持ちをwant toのワクワク感がある状態に持っていけるのでしょうか?

お金などの褒美でしょうか?昇進でしょうか?皆の前での表彰でしょうか?それとも、相手を褒めることでしょうか?

実はこれら、全て不正解です。

確かに一定の効果は見込めますが、これらの効果は一時的であり限定的なものです。つまり、“good”ではあっても“great”ではありません。

では一体どうすれば良いのでしょうか?8択のクイズを出しますね。

  • 1)企業のゴールを共有する
  • 2)チームのゴールを共有する
  • 3)個人的なゴールを設定する
  • 4)チームのセルフイメージを形作る
  • 5)一人一人のセルフイメージを形作る
  • 6)チームトークを見直す
  • 7)セルフトークを見直す
  • 8)マニュアルベースではなく信条ベースを重んじる

皆さんは、どの答えが社員のやる気を上げるのに効果的だと思いますか?

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社員のやる気を高く保つため企業が取り組むべき8つの行動

実はどれも正解です。それぞれ曖昧なので説明していきましょう。

1)企業のゴールを共有する

企業のゴールを共有する作業とは、「何のためにこの会社が存在しているのか?」ということを、スタッフ皆で共有することです。

顧客に世界一のサービスを提供する、学生たちの成績を最大限に高める…など、企業それぞれに必ず存在意義があるはずで、これを明確に言語化して共有する作業です。

あなたの会社にも絶対に言語化されていないゴールがあるはずです。明確にして共有しましょう。

2)チームのゴールを共有する

チームのゴールを共有するとは、会社だったら色んな部門別にゴールを設定することです。

製造部だったら、「ボトルネックの最適化を常に行う」、営業部だったら「常にベストを尽くす」などのゴールを設定することです。

これも、それぞれのチーム毎に設定し、言語化して共有することが望ましいです。

3)個人的なゴールを設定する

何でも良いんです。

自分一人一人のゴールを設定してもらいましょう。

「俺はビッグになる」「大金持ちになる」「家族と共有する時間を最大化する」そのために会社の仕事をするのです。

4)チームのセルフイメージを形作る

「俺たちのチームは〜というゴールを持っているのだから、〜ふうに行動するのだ。できるはずだ。」というセルフイメージを形作ってもらいましょう。

行動に当たっては、このセルフイメージが行動を支える自信、信念となっていきます。

5)一人一人のセルフイメージを形作る

個人として譲れない信条をベースに、チームメンバー、一人一人のセルフイメージを形作ってもらいましょう。

「自分は〜という信条を持った人間であり、〜を達成するために、〜するのだ」と。

セルフイメージが形作られると、自分の能力に自信を持つことができ、本来もっている能力を自然と使いこなせるようになります。

6)チームトークを見直す

チームトークを見直す作業とは、チーム内で励まし合ったり、言葉をかける際に、どんな言葉を使うかを吟味する作業です。

トラブルが起きた時、ピンチが訪れた時に、共通のプラスなチームトークを持つことは、メンバーのやる気を維持するうえで重要です。

7)セルフトークを見直す

メンバーそれぞれのセルフトークも見直してもらいましょう。

自分に対して無意識に語りかける口癖を、プラスなものにするようセルフトークを見直します。

8)マニュアルベースではなく信条ベースを重んじる

マニュアルベースで仕事をするのはどの会社でもやっていることですが、これだけではやる気を維持することはできません。

「会社のルールだからやっている」ではなくて、「これは、俺にふさわしいルールだからやっているんだ」という信条ベースでの行動を重んじることを尊重します。

じゃあ、こういうことを実施していった場合に、どんな成果が出るの?という話なのですが、かなり圧倒的な成果が出ています。

かなり長くなりましたので、ここから先の話はまた次回に。

脳科学的「やる気でねぇな〜…」な時に“超やる気”を出せる必殺の裏技
仕事が溜まっている。アクシデントがあって前向きに物事を捉えられない。スランプだ。こんな時はどうしてもやる気が出ませんよね。もしそうならば、「セルフトーク」と「リフレーミング」を取り入れ、やる気がみなぎるポジティブな状態を作り出してみませんか?脳科学の観点から2つの行為が脳にどう作用するかも含め、クロス先生が説明してくれます。
【脳科学に感謝!】社員のやる気を引き出す裏技!

Photo credit: Jakob Hans on VisualHunt.com / CC BY

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Jamahl Cross

Jamahl Cross

Founder & Co-Director
一般社団法人脳科学幼児教育研究協会 理事

​認知神経科学、脳リハビリ、発達精神病理学、進化心理学、発達障碍改善、認知行動療法など様々な分野を学び、実践を通じて統合する。独自の方法論に基づいた脳機能向上方法を編み出す。

企業脳科学、行動経済学、認知心理学によって解き明かされた非常識な企業成長法を提供。伸び悩んでいる企業を『平均利益率756倍の企業文化』へと変え、パフォーマンスを高めるなど数々の実績を持つ。

・社員のやる気を出させるのに苦労する
・昇給の効果に限界を感じている
・グループの能力を活かせずにいる
​・目標が現状維持になっている
・批判しあう割には前進していない
・暴言や八つ当たりが目立つようになった
・ネガティブ思考が風邪のように流行っている

これらの問題は、それぞれ科学的なデータによって原因の特定、予測、予防が可能です。

数千に及ぶ論文を元に、経験のみに頼らないエビデンスベースドアプローチのリーダー育成を目指します。

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