JALが3.8億円の振り込め詐欺被害に遭う!他山の石とせず内部統制強化を図れ

JALが3.8億円の振り込め詐欺被害に遭う

 年末の話題ですが、JALが3.8億円に及ぶ振り込め詐欺被害にあったと報道されています。

 リース会社からメールで連絡があり、「振込先の銀行口座が変更になったので、新しい口座にリース料を振り込んでほしい」と依頼され振り込んだところ、本物の請求により騙されていたことが発覚したという顛末です。

 メールアドレスがいつもやりとりをしているリース会社の担当者と同じアドレス表示となっていたため、信じて振り込んでしまったということです。

 皆さんはこの内容にどんなことを感じますか?

日々のやりとりが筒抜けだった可能性は否めない

 このような詐欺を防ぐ統制はいくらでもあるでしょうが、私には気になる点が1つあります。

  メールアドレスがいつもやりとりをしているリース会社の担当者と同じアドレスで表示されていた

 という点です。

 つまり今回の犯行は、JALとリース会社の担当者が誰かを把握し、双方のメールアドレスを知る人間でなければ実行できないものです。

 多少の情報漏えいがあったとしても、そう簡単にはここまでの内部情報はわからないはずです。

 日々のメールのやり取りが第三者に筒抜けだった場合もありますし、もっと大きな被害が起きても不思議ではありません。

 これらを踏まえると、今回の詐欺事件は、実務に近い関係者によるものである可能性が高いのではないでしょうか。

日本企業全体が内部統制を抜本的に見直す時期が来ている

 内部統制は、人にミスを作らせないためのルールですが、まだまだ日本企業のこの分野に対する意識は希薄です。

 昨年、内部統制の崩れで起きた大きな事件で言うと、積水ハウスが「地面師」から63億円をだまし取った事件も記憶にあたらしいところ。

 担当者を信用しているからといって、長期間、任せっぱなしにしては、ミスの発覚も遅れますし、不正が起きる可能性があります。

 今回、JALは対策として、「口座情報の確認を厳格化する」という対策を講じたようですが、問題はそんなに表層の部分を厳格化するだけで無くなるとは思えません。

 「自動化」の潮流にあって、定型的な作業を更に細分化し、AIやRPAに一定の役割をシフトさせながら、重要な判断を行う人間に、それを行う余裕を持たせる必要もあるでしょう。そうなると仕組みを抜本的に変えざるを得ません。

 となれば仕組み構築には必然的に経営者が加わることとなります。

 他山の石とすることなく、自社でもこうした危険性がないか、内部統制の仕組みを抜本的に見直すきっかけにしていただければと思います。

時事
スポンサーリンク
この記事が気に入ったら
いいね!しよう
最新情報をお届けします。
大原達朗

一般財団法人日本M&Aアドバイザー協会代表理事・アルテパートナーズ株式会社代表取締役として、M&Aを手掛ける公認会計士です。

BBT大学、法政大学院イノベーションマネジメント科の教員も兼任しております。

大企業だけではなく中小企業にとっても、ユーザーフレンドリーな会計業界を、世界中に広めることが目標です。

M&Aの悩み(会社や事業を売りたい/会社や事業を買いたい/小規模M&A投資を検討している)があれば、お気軽にお問い合わせください。

運営サイト:
経営者のための実践ファイナンス

【現職】
一般財団法人日本M&Aアドバイザー協会代表理事
アルテ監査法人代表社員
アルテパートナーズ株式会社代表取締役
日本マニュファクチャリングサービス株式会社監査役
法政大学大学院イノベーション・マネジメント研究科兼任講師
ビジネス・ブレークスルー大学大学院准教授
ビジネス・ブレークスルー大学准教授
PT. SAKURA MITRA PERDANA Director

【職歴】
1998年10月 青山監査法人プライスウオーターハウス入所
2004年1月 大原公認会計士事務所開設
2004年6月 株式会社さくらや 監査役
2006年1月 株式会社ライトワークス リスクコンサルティング部ディレクター
2007年4月 ビジネス・ブレークスルー大学大学院講師
2008年4月 法政大学大学院イノベーション・マネジメント研究科兼任講師(現任)
2008年4月 アルテ公認会計士共同事務所開設 代表パートナー
2008年6月 日本マニュファクチャリングサービス株式会社 監査役(現任)
2009年4月 アルテパートナーズ株式会社設立 代表取締役(現任)
2010年7月 アルテ監査法人設立代表社員(現任)
2010年8月 日本M&Aアドバイザー協会 理事
2014年10月 日本M&Aアドバイザー協会 代表理事(現任)
2016年4月 ビジネス・ブレークスルー大学准教授(現任)

【所属団体】
日本公認会計士協会、一般財団法人日本M&Aアドバイザー協会(JMAA)、日本税理士会、日本CFO協会

【資格】
公認会計士、税理士、 JMAA認定M&Aアドバイザー (CMA)

【その他】
ビジネス・ブレークスルー大学大学院MBA/経営管理修士(専門職) 日本CFO協会主任研究員(2006年)

大原達朗をフォローする
節約社長