休職中の社員が転職活動するのはありか?企業の取るべき対策

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 従業員の都合で休職しているのに、休職中に従業員が転職活動を行い、事前の相談もなくいきなり転職するケースがあります。復職後の配置転換やフォローアップを行ってきた人事や経営者にとっては、かなりガッカリする事態です。このような事態を防ぐため、企業はどんな対策を事前に打つべきなのでしょうか?従業員に求められるモラルとは?

休職の理由は様々〜休職に至る一般的な手続きをおさらいしよう

 企業内に休職者がいる場合、そこには様々な理由があります。

  • 心身の健康を崩したあるいは維持することが困難な状態の病気休職(私傷病による休職)
  • 私的な事故を起こしたことによる事故休職
  • 留学などを目的とする自己都合休職
  • 労働組合の役員に専念する際の専従休職
  • 起訴されたことによる休職
  • 出向休職

 いずれにせよ休職は、従業員側の事情を理由に、企業が労働者に就労をしないよう命じている、もしくは従業員からの休職の申出を企業が承認している状況です。

 中でも代表的な休職理由に病気休職があげられますが、この理由の場合、従業員は心身の健康を崩して業務に耐えられないような状態になった時、とりあえず休みをとるか退職するかということを考えます。

 従業員はまず上司に相談し、最終的には人事(中小企業の場合は経営者)とお話をするケースが多いようです。

 人事(経営者)としては、そのような心身の状態でいきなり退職するのではなく、まずは年次有給休暇を使用して休暇をとり、それでもなお快復の兆しが見られない場合には、病気休職を勧めるのが一般的な流れです。

休職者の半数は復職せず〜転職するケースも

 少し古い資料になりますが、独立行政法人労働政策研究・研修機構の「メンタルヘルス、私傷病などの治療と職業生活の両立支援に関する調査」:平成25年では、資料を発表した時点の過去3年間で半数の企業に休職者がおり、復職率がおよそ5割だったという結果が発表されています。

 退職率が高いのはがん、メンタルヘルス、脳血管疾患とのことですから、体調の快復が思わしくなかったことがうかがえます。

 しかし、復職しなかった残りの5割は退職した計算になりますが、その人たちの全てが退職後に失業したのか、他の企業などに転職したのかはわかりません。

 休職後に復職しなかった5割の人について考えてみると、そのまま失業した人もいると思いますが、転職した人もいると考えるのが自然です。

 従業員が体調を崩したことを理由に年次有給休暇を使い、そのまま私傷病休職制度を利用し、他の企業に転職するというのは、人事や経営者の側から見ると信頼を裏切られた気持ちとなることでしょう。

 復職後の配置転換やフォローアップのために、休職期間満了を前に休職者と連絡を取り合ったり、復職に向けて動いたりしている中で、やりきれないという声も聞こえてきます。

 このような事態が起きないために、どう対応すれば良いのでしょうか?

休職者が休職中に転職活動を始める理由とは?

 休職者が会社にことわりなく転職活動をはじめる心理が一体どのようなものか理解するには、まずは根源的な原因を知る必要があります。

 休職者が休職中に一番不安になるのは、一般的に生活のこと、つまり経済的理由が多いものです。

 病気も不安なのですが、それまで定期的に入ってきていた給料が入らなくなると、健康保険の傷病手当金に頼った生活をするため、休職者は経済的な不安を感じます。

 というのも、傷病手当金は給料と同額を支給してもらえるわけではありません。

 確かに、健康保険組合によっては傷病手当金に追加で傷病手当付加金が支給されるケースなどもあります。

 ただし、一般的な協会けんぽの場合、傷病手当金の1日当たりの金額は、支給開始日以前の継続した12カ月間の各月の標準報酬月額を平均した額を30日で割ったものに3分の2を掛けた額です。

 つまり、今までの給料の60%強しか貰えない状態となるのです。

 このような状況下で、職場の人間関係に不都合があってメンタルヘルス不調になり、休職しているならどうでしょう?

 人によって症状は異なりますが、在籍中の会社に向かおうとするだけで具合が悪くなったり、その会社の建物に入ることすらできなくない状態だとしたら?

 休職期間満了後に復職するのが元の部署かどうかはわからないまでも、在籍中の会社に戻るということは、自分のメンタル不調の原因となった人間関係があると考えてしまいます。

 そのような場合には、他の道、つまり転職を考えてしまうのはもっともな話です。

 また、本来は療養のための休職期間を自由な時間と勘違いしてしまうのか転職活動を始めて、復職せずに新たな会社に転職してしまうケースもあります。

休職者の転職活動は原則的に合法だが問題も…

 うーーん、と唸る人事や経営者の方もいらっしゃることでしょうが、果たしてこれらの行為は合法の範囲内なのでしょうか?

 結論から言えば、休職中ではない通常の状態の中で転職活動をする人もいて、それ自体は合法の範囲内で行なわれる行為です。

 企業が休職者の転職(転職活動)を止めることは、残念ながら出来ません。

 ただし、休職者の方は何のために休職しているのかということを考え、良識のある行動をするべきです。

 というのも、休職者の方はメンタルヘルスが不調で休職しているわけで、転職活動をしている企業がこれを把握できないのはフェアではないからです。

 体調が安定しない状態の人を雇用するのは労使双方にとってハイリスクです。

 メンタルヘルスの不調で休職中なのであれば、採用の可否を判断するうえで、事情をきちんと説明するのが礼儀です。

休職を認めるなら社内規定を予め準備しよう!

 話を戻して、従業員の事情による休職を認める場合、企業側はどのような準備をしておく必要があるでしょうか?

 まず、企業側は就業規則などに休職に関する規定を設け、休職に入る前に休職の目的や意義を、従業員とよく確認する必要があります。

 休職中の転職活動は企業に事実上の不利益をもたらしますから、懲戒を科す規定も設定できますし、休職中の過ごし方について、書面で日付、労使双方の記名、押印をすることを徹底するのは当然のことです。

 定期的に休職者と人事担当者が連絡を取り合いケアを欠かさないなど、できる限りの対策を取ることも必要になるでしょう。

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株式会社iCARE

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【会場】 渋谷クロスタワー32F
【住所】 東京都渋谷区渋谷2-15-1渋谷クロスタワー32F
【アクセス】 各線渋谷駅から徒歩5分
【お問い合わせ】
 株式会社ライトアップ 松岡 matsuoka@writeup.co.jp
 株式会社iCARE 片岡 k.kataoka@icare.jpn.com
【参加費】 無料
【プログラム】
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iCAREでは企業様向けに「carely(ケアリー)」という健康創出プラットフォームサービスを提供し、従業員のメンタル・フィジカル双方の効果的なケアを通して従業員の健全な「心と身体」を創り、活気あふれる企業へと躍進させる健康経営を実現いたします。

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病気になってから病院に行って治療を行うのではなく、日常生活を通じて未然に病気の予防を促進する「オンライン保健室」というコンセプトを提唱しています。企業の健康プラットフォームが社会のインフラになる世界を目ざしています。

株式会社iCAREは、社員の健康を増進するオンライン保健室「carely」で企業の健康経営を推進し、活気あふれる生産性の高い組織作りを支援いたします!!

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