サムソンがハーマンを売上より高い金額で買収するのはなぜか?

 サムソンが、売上70億ドルのアメリカの自動車部品メーカー・ハーマンを80億ドルで買収することが報道されています。ソフトバンクのARM買収も含め、買収金額が買収される企業の売上を上回るパターンが、ここ最近頻発しています。このような買収を行う時に、買収する側の企業が必ず行っていること、それはビジネスデューデリジェンスです。

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サムソンがハーマンを80億ドルで買収した!

 サムソンがアメリカの自動車部品メーカー・ハーマンを買収すると報道されています。

 買収金額は80億ドル(約8,700億円)に対し、対象会社であるハーマンの売上が70億ドル(約7,600億円)となり、売上よりも高額の買収金額になります。

 この売上に対する買収金額をご覧になられて、読者の皆さんはどう考えますでしょうか?

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売上より高額で企業買収を行う企業が必ず行うビジネスデューデリジェンス

 第一印象として、売上より高い金額で買収して大丈夫なのか?と感じていただければ、まず合格だと思います。

 しかし、ソフトバンクのARM買収に至っては、売上1,000億円強に対して、買収金は実に3.3兆円です。

 実は、買収金額が買収される企業の売上を上回るパターンが、ここ最近頻発しています。

 私は事業譲渡の交渉でアドバイザリーをする時、いつも買い手の経営者様に、

  • 買収後、
  • いつ、
  • 誰が、
  • 何をするのか?

 という点を明確にできるように、インタビュー・調査をしてください、と申し上げています。

 これは、ビジネスデューデリジェンス(精査)というもので、これ無しには企業評価も絵に描いた餅になってしまいます。

 ビジネスの判定ができていないと、財務や法務をいくら調べても意味がありませんし、買収金額を提案できません。

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シナジーが明確にイメージ出来ない買収は「絵に描いた餅」

 売上よりも高い買収金額を提示できるということは、買い手がそのビジネスを何倍にも拡大し、稼げることが明確にイメージできていることを意味します。

 これを教科書的にシナジーというわけですが、いつ、誰が、何をするのかが明確でないものは、シナジーでもなんでもなく「絵に描いた餅」です。

 そうはいってもM&Aを行う際は、必ずリスクが伴います。

 サムソンのハーマン買収含め、必ずしもこういった案件がうまくいくとは限りませんが、売上より高額の買収金額を提示する場合、買い手が買収後の将来像が明確でない場合にはほぼ100%失敗します。

 サムソンは、買収後に売上、利益を何倍にできる具体的イメージがついているか、何も考えずに勢いで買ってしまったのかの2つに1つです。

 M&Aに成功しつづけている企業は間違いなく前者です。

Photo credit: Jami3.org via Visualhunt / CC BY-ND

事業譲渡
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大原達朗

一般財団法人日本M&Aアドバイザー協会代表理事・アルテパートナーズ株式会社代表取締役として、M&Aを手掛ける公認会計士です。

BBT大学、法政大学院イノベーションマネジメント科の教員も兼任しております。

大企業だけではなく中小企業にとっても、ユーザーフレンドリーな会計業界を、世界中に広めることが目標です。

M&Aの悩み(会社や事業を売りたい/会社や事業を買いたい/小規模M&A投資を検討している)があれば、お気軽にお問い合わせください。

運営サイト:
経営者のための実践ファイナンス

【現職】
一般財団法人日本M&Aアドバイザー協会代表理事
アルテ監査法人代表社員
アルテパートナーズ株式会社代表取締役
日本マニュファクチャリングサービス株式会社監査役
法政大学大学院イノベーション・マネジメント研究科兼任講師
ビジネス・ブレークスルー大学大学院准教授
ビジネス・ブレークスルー大学准教授
PT. SAKURA MITRA PERDANA Director

【職歴】
1998年10月 青山監査法人プライスウオーターハウス入所
2004年1月 大原公認会計士事務所開設
2004年6月 株式会社さくらや 監査役
2006年1月 株式会社ライトワークス リスクコンサルティング部ディレクター
2007年4月 ビジネス・ブレークスルー大学大学院講師
2008年4月 法政大学大学院イノベーション・マネジメント研究科兼任講師(現任)
2008年4月 アルテ公認会計士共同事務所開設 代表パートナー
2008年6月 日本マニュファクチャリングサービス株式会社 監査役(現任)
2009年4月 アルテパートナーズ株式会社設立 代表取締役(現任)
2010年7月 アルテ監査法人設立代表社員(現任)
2010年8月 日本M&Aアドバイザー協会 理事
2014年10月 日本M&Aアドバイザー協会 代表理事(現任)
2016年4月 ビジネス・ブレークスルー大学准教授(現任)

【所属団体】
日本公認会計士協会、一般財団法人日本M&Aアドバイザー協会(JMAA)、日本税理士会、日本CFO協会

【資格】
公認会計士、税理士、 JMAA認定M&Aアドバイザー (CMA)

【その他】
ビジネス・ブレークスルー大学大学院MBA/経営管理修士(専門職) 日本CFO協会主任研究員(2006年)

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